『アンダーグラウンドホテル』

定広美香先生のＢＬマンガ。早くも今年よんだＢＬ暫定１位です。

舞台はＮＹ州ロングアイランドにある地下３０メートルの脱走不可能な刑務所・別名アンダーグラウンドホテル。そこは地上のルールや方程式が一切通用しない別世界。囚人同士での暴行・殺人は当たり前。そこに殺人罪で日本人留学生のセンが投獄され、センは生き抜くためにシャットコール（囚人のボス）であるソードと腐った契約をする…ﾊｧﾊｧ　という話なんですけど。まずこの設定が勝ちじゃないですか！圧倒的な世界観！！

暴力が支配する世界で、誰が敵で誰が味方なのかもわからん、でも中には愛する男を守るための嘘がある。彼らの命かけた愛とプライドが、太陽の届かない地下深くで閃光のようにきらめく瞬間、そしてどんづまりの地下刑務所で二人の男が同じ夢を見る瞬間、尊すぎて何度も召されるかと思いました。どうとでもとれそうな最後も良かった、私はあれをハッピーエンドと受け取ります。

ストーリーやキャラも魅力的だし、何しろ定広先生の描く身体の造形がホント～にきれいで眼福すぎる。この作品、連載開始が２００１年ってことだからなんと２０年以上前。いやぜんぜんまったく１ミリも古びてないし、今までこの作品を知らずに生きてきた人生がもったいないと思ったほど。単行本はさほど売れなかったとあとがきに書いてあるんだけど信じられん。早すぎた傑作ってことなのだろうか。今すぐ１００万部売れろ！

私はこの作品をこれから人に薦めまくって、自分でも読み返しまくるであろうという予感がする。素晴らしい作品を一生ありがとう、定広先生！え、続編あるの！？絶対読むー！！