あさぎり夕先生のBL小説、白皇シリーズ最終章は2巻モノ。

主人公は蒼井ルカ、白皇中学3年生。そして幼くして親をなくしたルカを引き取った、ルカ母の知り合いの杉崎透(30歳・学校の先生で元暴走族の特攻隊長)。もうこの設定の時点で若干イラついて、今回もかなりイラつかせてくれるんじゃ…と期待して読んだ、笑。(←私はあさぎり先生のBL小説は、都合のいい展開にツッコミながら読むというエンタメと認識しているのです)

と、わくわくしてページを開いたら、もうプロローグからして「いい加減にしろ、このバカップル!」って言いたくなるような幕開けで(笑)。年の差カップルの、キモい大義名分による正当化(とてもここには書けません)、どの面さげて読めばいいのかっていう言葉のチョイス、そしてゲイをアブノーマル発言してからの、その舌の根も乾かぬうちに自分がそういうことになったらすべてをなかったことにしちゃう見事な変わり身。こ、こんなことがあっていいのだろうか…。

で、なんで透がルカを引き取ったのか、っていう肝心なところなんですけど、どうやら透は、ルカの亡き母に恋してたらしく、自分を亡き母の身代わりとして自分のモノにしようとしたのでは…!?とルカは勘ぐるわけです。身代わりなんてごめんだ!とかいって。かと思ったら、そんな可哀想な幻想にとりつかれている透を救わなくては!みたいな謎の使命感を発揮するし。そこからの、スピーディな自己完結(笑)。もう鮮やかすぎてあっぱれというしかない。

なんかもう、身の回りに起こるすべての出来事の解釈について、自分の比重が多すぎるっつーか(笑)、世の中、そんなにお前中心に回ってるわけないだろ!っていう。自分のことを客観視できてない、こんな奴がクラスにいたら、胸ぐらつかんで「しっかりしろ!」と揺さぶってますよ。

そしてクライマックスのお約束シーンでは毎ページごとに「こ、このバカちんがーっ!」と叫び、読み終わって放心状態に。ああ、楽しい…。バカップルにイライラするの超楽しい…!もうあさぎり先生のBL小説は全部読むぞっ!!


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