あさぎり夕先生のBL小説。白皇高校シリーズの第2弾。

主人公は、前作『悪魔なブラザー』で脇役だった篠宮徹。この篠宮が、長身のイケメンで、バスケで将来を嘱望されていたが、負傷して夢を諦め失意の日々を送る、というこれまた少女マンガに鉄板のヒーロー像を地で行く高1男子。そして相手がポワポワ天然の新任教師の鮎川羊。

これ20年前のBL小説なんですね。まあ性的マイノリティについて理解もない時代だし、しょうがないのかな~とも思うけど、前作からうっすら思ってたのは、たとえばこういう文章が散見されるんです。「そーゆー不気味な関係なんかさらさらない。俺は、それほど相手に困ってないし」あ~、不気味って言っちゃってるよ…。それに相手に困ってるから同性愛者になるわけじゃないですからね。

しかし無理やりフォローするなら、おそらく20年前という時代のBLに出てくる男は、「想像上の、現実世界には存在しない生き物である」という共通認識があったのではと推察。実際はどうなんでしょうね? 令和の世で描かれるBLって、かなり実際の当事者に配慮したというか、現実に即した状況・心理描写に注力してる気がするんですが。

話は戻るがこの『羊ちゃんと個人授業』、エロシーンがなんていうか…。おっさんしか喜ばなさそうなエロ小説の、記号的なエロをそのまま置き換えてるだけのように見えるんだけど(内容は書きたくもないので自粛)、腐女子にとってのエロとはいったい何だろう…と思ってしまった。リアルタイムの読者は、これをエロい(もしくは萌え?)と思えたのだろうか。私はエロシーンなくても楽しめる腐男子なのですが、いやエロあってもいいけど、それにしてもこれはちょっと…、と思った。

ただし、バカップルすぎて大変ムカついたという意味では、バカップル観察好きの私はエンタメとして消費することができたのでよしとする。この白皇高校シリーズのバカップル率はかなり高めっぽいのでわくわく。


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