『悪魔なブラザー』

あさぎり夕先生のBL小説。

白皇高校というシリーズの第一作目。今回の物語のフォーマットは、義兄弟です。はいよくあるやつキタ！　ストーリーは、主人公の春は、母子家庭で育った15歳。その母親が結婚したのが、父子家庭の水上家。ほんで、そこんちの１個上の柚良が、色白のイケメンで秀才で人望厚いという、これもお決まりのパターン。しかしそれは外面だけの話で、本性は超傲慢の変態であった、という…。

なんかこう、中学校や高校で、彼氏彼女ができると急に２人だけの世界を公共の場で領域展開しやがるバカップルいますけど、そういう二人の会話って、ムカつくんだけどついつい聞き耳立てちゃうんですよね～。いやいいんです、バカップルにムカつくのは、あれはムカつきというエンターテインメントですから！　その意味で、この小説のバカップルのバカップル濃度がヤバイ。もう腹が立って腹が立って、ページをめくる手が止まらんかった。ほんで最後の２行を読んだとき、あまりのバカップルの破壊力に思わず「なんやねんお前ら！」と絶叫して本を投げてしまった（笑）。

もう現実味のないお花畑主人公の都合のいい自己完結も、ここまでくると芸術的と思う。

こういう世界観、ほんと好きだな～。この表紙の、口頭で読み上げるのも恥ずかしいタイトルの、「ブラザー」の「ー」がにょろにょろ＆矢印になってるところも含めて、軽くイラッとして好きだな～。この世にこういうエンタメがあったなんて、あさぎり先生ありがとう。