佐野洋子さんの文章に、北村裕花さんが絵をつけたイラストエッセイ。もともとは、NHKのEテレで放送してた番組を書籍化したものらしい。これはそのシリーズ第3弾。

短いエッセイが9本。そのどれもに、瞠目するような鮮やかな真理がさらさらと言い当てられてるんで、いいのかこんな短い話の中に、こんな大切なことを詰め込みまくって…と思う。

「最も素朴な問いかけこそが、永遠に解決されない」

「優しげなことが優しいとは限らないのである」

「愛はうつろいやすいものである。しかし愛のように見えるものはしたたかである」

「愛は年月とともに消えるが、情は年月とともにしぶとくなる」

「夫婦に科学は不必要である。世の中に科学が入り込む隙のないものがまだある事は実に頼もしい」

あーそうか、佐野さんの文章って、大人向けでも、絵本の作法って感じがする。ナチュラルボーン絵本作家なんだなぁ。絵本なんか書くつもりじゃないのに、なんか書いたらもう絵本になってる、という。すごい人だ。