こんにちは、粟津サヤカですお茶

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

どんなに価値のあるものでも

時代の流れに飲まれて

消えてしまうことがある。

 

そんな経験と教訓から

消えてしまう前に自分の目で見て

記録に残そうとはじめたこのブログ。

 

ふと考えました。

 

建築家はどう思うんだろう・・

 

取り壊されることになった自分の作品。

そりゃあ建物は依頼主や家主のものだけど

使われなくなった自分の作品。

 

やっぱり残念な思いがするのではないでしょうか?

 

使ってもらうために

きっといろんな工夫や趣向を凝らしたと思うんです。

特に、私がここにあげている建築は

景気のいい時代に贅を尽くしたものが多い。

 

ここで過ごす、あの人のために・・・と

考えて造られたものが多いのだろうと思います。

 

今回ご紹介するレトロは

そんな建築家の思いが今も活かされている建物、

バザールカフェです。

 

場所は烏丸今出川の交差点(地下鉄今出川駅)からすぐ。

住宅街にあるかわいらしい門構えの建物です。

 

塀の上部の風合いのある赤レンガ、

壁面にはピンク色のレンガが所々に配置してあって

森の一軒家のような

メルヘンチックな雰囲気がかわいい拍手

 

カフェが営業しています。

(曜日限定です。詳細はホームページをご確認ください)

 

今日のランチは・・・

フィリピン料理、ココナッツイエローカレー

サラダ・スープ付き

いろんなお国出身のシェフが腕を振るうカフェなんですよ。

値段もお手ごろですナイフとフォーク

 

カフェへはお庭のテラスから入ります。

板敷のアプローチが庭へ誘います。

奥に何があるのか・・・

ドキドキしながら進みます。

こういう演出、嫌いじゃないニヤリ

 

お庭への通路から見上げると

こちらがただの住宅ではないことがわかります。

飾り屋根のついた煙突、

そしていちばん上の小さなアーチ窓、

洋館好きな方はピンとくるものがあるのではないでしょうか。

 

ああー、この格子窓の感じね!

はいはいグッ

 

テラス側へ。

真冬ということもあり

テラス席は使われておりませんでした。

春夏は緑まぶしいテラスで飲食できるようになっています。

 

庭側の窓はほとんど現代的なサッシになっています。

オレンジ色の実をつけた木が絵になりますね。

 

テラスで靴を脱いであがります。

あー、もう、このテラス見ちゃったら言うしかありませんアセアセ

このお宅、

左京区北白川にある駒井邸に似ている!

このテラスなんかもう、そのままのような気がします。

 

駒井邸は

大正から昭和にかけて

日本各地に素晴らしい建築を残した建築家、

ウィリアム・メレル・ヴォーリズが手掛けた個人宅。

 

ヴォーリズが手掛けた住宅建築の中でも

駒井邸は竣工当時の姿をとどめた建物として有名なのです。

 

駒井邸については

私がご案内しているコース

「アカデミック北白川・疎水コース」

でもご案内していますが、

ブログにはまだ書いていません。

見どころたっぷりのため

今度、十分に準備して臨みたいと思います。

 

カウンターで注文と会計を済ませて席へ。

温もりのある木目が落ち着きます。

この日もあちこち歩き回って疲れていたので

ほっとひと息ほっこり

 

ただし、この建物、

こちらのカフェはもちろんいろんな媒体でも

あまり大々的にヴォーリズ建築だとはいっていません。

かなり改装されているからでしょうか。

(「新版京都の洋館」青幻舎 より)

 

こちらの建物は

もとはキリスト教宣教師の住宅として建てられたそうです。

(「新版京都の洋館」青幻舎 より)

 

それがいつしか多くの人が集う場所となり、

カフェとなった今は

音楽イベントやワークショップが開催されるなど

多くの人々の居場所として

四季を通じて利用されています。

(バザールカフェホームページより引用)

バザールカフェが目指すのは、セクシュアリティ、年齢、国籍など、異なった現実に生きている人々がありのままの姿で受け入れられ、それぞれの価値観が尊重され、社会の中で共に生きる存在であることを相互に理解し合う場の創出。

 

この日も親しく語り合う若者で賑わっていました。

暖炉の前に石油ストーブ(笑)

暖炉は暖かいのでしょうけど

掃除や手入れが大変でしょうね。

 

暖炉は竣工当時のものかもしれません。

どことなくヴォーリズ建築らしい

やさしい雰囲気が漂っています。

 

例によって

気持ちばかりの貢献・・・

なんてカッコつけてますが、

じつは歩き回ってクタクタだったのでのんびりできてよかったですコーヒー

オレンジタルト、めちゃくちゃ美味しかったですよ~。

タルトの香ばしいほろにがさと

オレンジのさわやかな酸味がほんとめちゃくちゃ美味しくて

再訪決定グッ!

 

バザールカフェ、

いかがでしたか?

 

長く人に住まれ、使われる。

多くの人が集う、

誰かにとっての場所になっている。

 

自分の作品が長い年月を経てからも

そんな場所であり続けていることは

建築家にとって

最高に幸せなことなのではないでしょうか。

 

残念ながら

すでに失われてしまった部分や設備もあるようでしたが、

建物は使われなくなったらおしまいです。

 

それよりも長く使い続けられること。

建築家の思いがそんな形で残り続けているレトロでした。

 

次は緑まぶしい季節に訪ねてみたいと思います。

 

今回ご紹介したバザールカフェは

コースに含まれていませんが、

私がご案内している

 

オフアワーズの

京都のんびりおさんぽ旅

(詳細はこちらをクリック!チケット販売サイトへリンクします)

 

では

他にもおもしろい場所をご案内しています。

 

  • 洛中レトロ御所南コース 2/17()

冬コースも残すところあと1回!

参加お待ちしております

 

さてさて、次はどこへ行こうかな~ランニング