こんにちは、粟津サヤカですカメラ

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

老朽化、耐震基準、維持費用の増大、後継者不在、

時代の流れのなかでやむを得ず消滅してしまったレトロ、

そんな現実を目にし、

自分の目で見て記録に残そうとはじめたこのブログ、

 

今回は

京都のレンガ建築の王、同志社から

致遠館(ちえんかん)をご紹介します。

 

同志社大学致遠館(ちえんかん)は

同志社大学今出川キャンパスの南東部分にあり、

現在は学校法人の総務部、財務部などの事務部門が入っています。

 

すぐそばには

京都御苑の北の守り、今出川御門があります。

 

今出川御門に面して同志社大学の正門があります。

この正門からほど近い場所、

ちょうど門の向こうに見えている

レンガ造りの建物が致遠館です。

 

正門を入るとまず迎えてくれるのが

同志社の創立者新島襄の「良心碑」です。

良心之(ノ)全身ニ充満シタル丈夫(マスラオ)ノ起リ来(キタ)ラン事ヲ

新島襄

これは同志社の創立者新島襄が

同志社の学生横田安止に送った手紙の中の一節で、

「一国の良心」となる人物の養成を使命とした

新島の教育理念を端的に示しているそうです。

 

また、碑の裏には

新島を生涯、師と仰いだ徳富蘇峰による

碑の由来が刻まれています。

 

じつは致遠館は

この徳富蘇峰と縁のある建物なのです。

 

良心碑の背後に控えるようにしてたつ致遠館。

正面の玄関部分です。

玉ねぎのようなゆるやかなカーブを描く尖頭アーチ。

レンガと石の部分はきれいにしてありますが

ところどころ修復した跡もあります。

 

北側へ抜けています。

扉は木製でしょうか、レトロな雰囲気です拍手

袴姿の書生さんが飛び出してきそう。

 

扉上部に扁額が。

右から左へ「致遠館」、

そして「蘇峰書」とあります。

 

諸葛孔明の言葉

寧静に非ずんば以って遠きを到むるなし

(意訳)

遠いところへ至ろうとするならば

日ごろから心安らかに落ち着けて

体調を整えておかなければならない

 

から

徳富蘇峰が命名したのだそうです。

(現地解説板より)

 

定礎は大正四年とあります。

 

AD(紀元後)表記も。

竣工は翌1916(大正5)年、

日本に数多くの西洋建築を残した

ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計したといわれています。

(同志社大学ホームページより

https://www.doshisha.ac.jp/information/campus/buildings/imadegawa.html)

 

いたってシンプルな造りです。

ヴォーリズっぽさがあまり見られないのは

周囲の景観にあわせたからでしょうか。

 

和風の瓦屋根に煙突、

日本のレンガ建築ならではの雰囲気です。

 

北側の玄関です。

こちらは庇がついていますね。

 

この建物の北側は蘇鉄が植えられていて

南側と少し雰囲気が異なります。

南国風の蘇鉄とレンガ、

悪くない取り合わせですね。

 

同志社大学致遠館、

いかがでしたか?

 

同志社関連の建物について書いた記事はこちらです。

ぜひ、ご覧ください。

重要文化財が何棟もある

同志社今出川キャンパスの中で

やや控えめな雰囲気でしたが、

同志社が寄付に頼らず自前で建てた

最初のレンガ建築ではないかといわれています。

 

創立期は数人の学生と教師で始まった同志社。

様々な人の思いが結実した建物といえるのかもしれません。

 

今回ご紹介したは同志社大学致遠館は

コースに含まれていませんが、

私がご案内している

 

オフアワーズの

京都のんびりおさんぽ旅

(詳細はこちらをクリック!チケット販売サイトへリンクします)

 

では

他にもおもしろい場所をご案内しています。

 

  • 洛中レトロ御所南コース 2/17()
  • アカデミック北白川・疎水コース 2/10()

ご参加お待ちしております!

 

さてさて、

次はどこへ行こうかな~ランニング