椚田のブログ  -9ページ目

クリックゴールドについての考察

クリックゴールドとは、フランスBIC社のボールペンである。
妻がティールグリーンを持っており、かねてデザインの良さに惚れ込んでいた。安価なので、仲間との集まりで配ったりしたこともあったが、自分では所有していなかった。いつでも手に入るという思いがあったからだろう。
 
ある日、ひょんなことから低粘度インクを使用した0.5mm版の存在を知る。しかもそれがBICジャパンの国産品だというではないか。試さない手はないと、注文してみた。するとこれが従来の0.7mmとは、思いのほか別物だったのである。
 
のたのたと紙に粘り付く0.7mmと比べ、書き味は現代的なものとなっている。アクロインキやジェットストリームには及ばないが、むしろ走り過ぎないサラサラ感には好感が持てるし、描線も十分に濃い。というわけで、ここまでは問題ない。
 
残念なのは、少し形が変わってしまったことである。
 

 

左が従来のメキシコ製0.7mmで、クリックゴールド最大の美点であるふっくらとした優美なボディラインを持っている。右が日本製の0.5mmで、ペン先へ向かうカーブがシャープになっていて、上下両端とも、やや唐突にカットされた印象を受ける。

 

 

クリップも変わった。上がメキシコ製。赤みがかった渋いゴールドで、付け根に向かって細くなるデザイン。下の日本製は黄色味を帯びた明るいゴールドで、造形が平板、かつ大ぶり。バネが強く、仕事で使うサコッシュのペン差しから片手で抜くことができない。

 

 

上がメキシコ製で、クリップ、リングに合わせた金色のペン先。下の日本製はシルバーとなっており、統一性を欠く。軸の素材がしっとりとしたブチレート樹脂からカサっとした質感のABS樹脂へと変更されており、ティールグリーンに関しては色味が明るくなった。

 

ずいぶんと国産0.5mmをあげつらう形になってしまったが、この比較によってますます0.7mmへの愛着が増した。何度も試し書きをするうちに、昔ながらのインクも悪くないとまで思えてきたのだから……

 

これまで手にしてきた筆記具の中で、クリックゴールド0.7mmのデザインが一番好きと言い切れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JMPその後

チャーリー・キャンベルのサインが載ったJMPを手に入れた。
配色のバランスがとてもよくまとまっており、パーマークの左右対称性やチークの入り方も申し分ない。

首割れ・ノーズホール有り・ボーン素材・ラトル入りということで、エビスコ期の個体と思われる。

ラトル入りというのは届いてから分かったことであり、急いて欲しいというわけでもなかったのだけれど、これはこれでよい。相当甲高い音を奏でそうだ。

当然これも実釣用なので、真っ赤に錆びていたフックはマスタッド3553をバーブレス化したものに換装。標準のハリより2~3㎜シャンクが長いが、空振り防止に一役買ってくれることがあるかもしれない。

 

これまではスプリットリングを介してトレブル19に付け替えていたが、考えが変わった。

もし本当にリングを介してフックの自由度を上げることに優位性があるのなら、ザラは長い歴史の中でとっくにエイトカンになっていたのではないだろうか。サーフェスリグ特有のフックの自由度の制限に、何かしら意味があるのではないかと思うのである。

 

それにしても、この個体のプリントはよいね。なよっとした筆記体もたまらん。

 

 

ちょっといい感じになってきた。でも、ぜったいソリには手を出さない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな旅のはじまり

二十代の半ば、ロールプレイングゲームに夢中だった時期があって、これでもドラクエなどたしなんでいたものである。ファイナルファンタジーも好きだったが、画がアニメ的になって興味をなくした。物語に没頭しているとき、登場人物は自分自身なので、あんまりカッコよすぎると白けるというか……二頭身のキャラだから感情移入できたのだろう。
何の話かというと、ジョブチェンジというのがあったなと、ふと思い出したのである。戦士だった人を魔術師にするだとか。
 
現実世界の私はゲーム終盤に差し掛かってジョブチェンジしたようなものだが、今度も時流の先端を行く仕事ではないので、相変わらず手書きという作業が存在する。かつては複写伝票に数字を書き込むのが主だった。今はすきま時間に記録をつけることが中心となり、筆記具に求められる要素が変化した。「すきま時間」というのが大きなポイントで、いわば、ちゃんと読んでもらえる走り書きということになる。
 
タイプとしては、やはり1本持つことで済む黒・赤・シャープの多機能ボールペンが便利なことに変わりがない。このジャンルにおいては、プラチナのサラボ・ダブル3アクションにパイロットの替えインクBRFS-10EFを組み込むことで、長い探求に終止符を打ったはずだった。しかしながらこの至高のペンが、現在のジョブにおいては非常に使いにくいものとなってしまった。すなわち、回転繰り出し式のせいで、急いでいると色を間違ってしまうという問題が頻発するのである。
 
すっきりした外観や、落ち着きのある操作感が魅力で回転繰り出し式を好んで使っていたのだが、一発で出したい色を出せるノック式に転向せざるを得なくなった。これは、新たなペン探しの旅が始まることを意味する。
 

 

ここに、三菱のジェットストリーム2&Sと、ゼブラのブレン2+Sという、非常に対照的な2本のペンがある。(つづく)