東海道本線全駅間歩き6(熱海-沼津) その1・東海道本線最大の難所に挑む | 駅から駅まで・旅のあしあと

駅から駅まで・旅のあしあと

鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
X(Twitter)アカウント:@Oaksky8

 

今回の全駅間歩きは東海道本線。

いよいよ最大の難所に挑みます。

 

 

街道としての東海道最大の難所といえば、天下の険・箱根越え。

いっぽうの東海道本線は箱根は通らず熱海へ向かいますが、

熱海の先には箱根から続く山地が立ちはだかります。

 

東海道本線はこの山地を丹那トンネルで一気に走り抜けています。

丹那トンネルは全長7,804メートルで、当初から複線トンネルとして建設されました。

1933年に貫通するまでに15年の歳月を要しただけでなく、

工事途中で落盤や大量出水、北伊豆地震などに襲われて多くの死者が出たほか、

建設中のトンネル自体が北伊豆地震の影響でずれてしまい、工事は難航を極めたそうです。

 

今日では隣接して新幹線用の新丹那トンネルも建設され、

あわせて東海道の大動脈を支えています。

 

 

 

…そうです。

鉄道トンネルならちゃんとあるんです。

でも、まぁ、まさか鉄道トンネルの中を歩くわけにはいかないですよね。

そんなわけで、こちらはしっかり山越えをしなければなりません。

 

かつて、熱海と三島・沼津方面を結ぶメインルートは熱海峠越えでしたが、

1973年に鷹ノ巣山トンネルを経由する短絡路「熱函道路」が開通し、

現在は実距離・高低差ともに大きく緩和されています。

 

熱函道路経由なら標高差は400メートルあまり…

だけど、地図でルートを確認すると、登るばっかりであまり面白味はなさそうでした。

もうちょっと面白くて、なおかつ現実的に歩けるルートはないのでしょうか。

 

調べてみると、熱海峠の南にそびえる玄岳には、

熱海側・函南側の両方にハイキングコースが延びているではないですか。

 

玄岳の山頂は標高799メートル。

距離の増加が気がかりでしたが、実際に計測してみると現実的に歩ける範囲でした。

標高差は熱函経由の倍くらいありますが、歩き甲斐のあるコースになりそうです。

丹那盆地に下りきってからのルートも、ネットで調べているうちに効率的なコースが見つかり、

1日を最大限活用すれば、沼津まで歩くことができそうです。

 

 

1日でこなす累積高低差は谷川越えに次ぎ、

山間部の飯田線全駅間歩きに匹敵するレベルとなりそうです。

沼津まで歩く予定なので予定歩行距離も一人前。

久しぶりにチャレンジングな駅間歩きが始まりそうです。

 

 

[その他の東海道本線シリーズはこちらから]

1回目: 東京-品川

2回目: 品川-東戸塚

3回目: 東戸塚-平塚

4回目: 平塚-早川

5回目: 早川-熱海

7回目: 沼津-静岡

8回目: 静岡-浜松

9回目: 浜松-豊橋

10回目: 豊橋-名古屋(・武豊)

 

 

3月20日(水)  歩行区間:熱海-沼津  天気:晴れ

熱海(7:30発)-玄岳ハイクコース入口バス停(8:14着・8:20発)

 

 

最初の写真は東京駅。

まずは朝イチの新幹線で熱海へ向かいました。

 

熱海なら普通列車でも十分行ける距離ですが、

今日は日没まで時間をフルに使うことになりそうなので、

少しでも早くスタート駅に着くべく新幹線をチョイスしました。

 

 

乗車したのは「こだま631号」。

旅行などで伊豆~静岡あたりに行くときはこれを使うことが多いです。

 

 

 

「こだま631号」に使用されているのは700系。

 

ちょっと前まで掃いて捨てるほど走っていましたが、

いつの間にかこだまにもN700シリーズが台頭してきて、

今や東海道区間で走る700系使用の定期列車は「こだま631号」を含めて5本しかありません。

 

 

 

新幹線の方向幕は700系が最後の砦。

見納めの時はそう遠くないようです。

 

 

 

東京駅から45分もかからずに熱海駅に到着しました。

そのまま在来線ホームに向かって記念撮影。

 

 

 

函南方面に向かって1枚。

 

静岡方面に向かう東海道本線の列車は2、3番ホームを使用することが多いようですが、

列車によっては4番ホームを使うこともあるようです。

 

 

 

熱海駅前の一角には、

かつて小田原と熱海を結んでいた軽便鉄道に使用されたSLが保存されています。

軽便鉄道時代の小田原-熱海間の所要時間は約2時間半。

現在は普通列車でも25分ですから、時代を感じますよね。

 

 

 

いよいよ東海道本線随一の難関駅間に出発します。

 

まずは駅前商店街を通り抜けます。

この時間はまだ人通りもまばらですが、

開店準備しているお店もちらほらと。

 

 

 

アーケード商店街は3分ほどで抜けましたが、

商店街はその先にも続いていました。

 

 

 

山越えがすぐそこに迫っているのですが、どんどん坂を下っていきます。

 

 

 

旅館をそこかしこに見かけるところが、さすが熱海といったところ。

ただ、古そうな建物も多いですね。

 

 

 

熱函道路に向かう県道との交差点付近が一番低い場所です。

このあたりで標高は10メートルほどしかありません。

ここから標高800メートルまで登るんですよー。

 

 

 

県道と初川を越えたあたりから緩やかな登りが始まりました。

このあたりはまだ中心市街地です。

 

 

 

昭和町のY字路を右へ進むと、本格的な登りが始まりました。

中心市街地からは外れましたが、住宅地が続きました。

 

 

 

伊東線をアンダークロスしました。

このあたりで標高は90メートルほど。

 

 

 

坂はさらに傾斜を増していきます。

前に進もうとすると、後ろに押されるような感じがします。

 

バス停にはバス待ちの人がちらほらと。

これだけ起伏があると、市街地へ行くにもバス使いたくなりますよね。

 

 

 

坂がきつくなっても、張り付くように民家が連なっていました。

平地と同じスピードで歩くと、少し息が切れました。

 

 

 

駅から45分ほどで玄岳(くろたけ)ハイクコース入口バス停に到着。

登り坂でもあまり速度を落とさずに歩いてきたので、

ちょっと汗が出ましたが、まだ余裕があります。

 

このあたりで標高は200メートルほど。

所要時間約2時間と書かれていますが、どれくらいで到着できるでしょうか。

もう一度準備体操して、先へ進みました。

 

 

 

先ほどの道を外れ、登山道へ向かう道に入りました。

こちらも坂道に沿って住宅が続いていました。

 

 

 

坂がさらにきつくなり、両側から緑が迫ってくると、

住宅地は終わりを迎えました。

 

 

 

そこから少し歩くとアスファルト道も終わりました。

本格的な登山道の始まりです。

 

 

その2へ続く

 

 

熱海駅から玄岳山頂までのGPSログ(1/45,000)です。

 

玄岳ハイクコース入口までは熱海駅からバスでアプローチできます(約20分とのこと)。

登山道は函南町側もよく整備されていますが、下山後の交通手段がタクシーを呼ぶくらいしかなく、

函南側には行かず、熱海側に戻る方も多いようです。