「「悲しき六十才」(60年8月発売)
ステキなタイミング」(60年10月発売)
の連続ヒット以来、
国民的人気グループになったパラキンが、
グループ1の人気者・坂本九の
ソロ活動が増えた61年~62年に、
坂本九を除いたメンバーで、
シングル盤や、10インチアルバムを
何枚も出しているのだが、
そのうちの1枚で、
増田多夢、佐野修、石川進の
3人のヴォーカル陣をフィーチャーした
10インチアルバム(62年3月発売)。

当時のメンバーは、
ダニー飯田(スチールギター)、
石田智(B)、
国宗ヨシカズ(Dr)、
上野保夫(G,Vo)に、
増田多夢、佐野修、石川進
のヴォーカル陣。
 
全8曲のリードヴォーカルを
増田、佐野(各3曲)、
石川(2曲)で分担しており、
歌唱力に定評がありながら、
グループではサブに回ることの多かった
増田多夢が聞かせる
ロッカ・フラ・ベイビー」、
カプチーナ」、
この世は闇さ」、
中低音を器用に歌い分ける
佐野修の、バラード「ホワイ」、
前年にシングルB面ながらヒットした
16個の角砂糖」、
むちゃくちゃな訳詞がおもしろい
「元気出せジャック」、
石川進の、
音楽的源泉である
ハワイアンミュージック
月影のなぎさ」、
コミカルな歌詞と歌唱が
印象に残る「ペピト」と
全8曲傑作ぞろいの名盤。
(★★★★★)」(2011.1.14記)

ダニー飯田とパラダイス・キング
です。
 
日本のポップス(カヴァーポップス)
の発展の歴史のなかで、
とても重要なグループだったのですが、
語られることが少ないのが、
個人的にはとても不満なのです。
 
当時のパラキンですが、
この翌月にも同メンバーで、
グループのルーツである
ハワイアンをカヴァーした
10インチのアルバムを出すなど、
順調に活動を続けていました。
 
ところが翌63年、
坂本九さんと石川進さんが
相次いで独立することとなり、
初めての女性メンバー、
当時16歳の九重佑三子さんが
新たに加入します。

すると、
それまでのパラキンにはなかった、
飾り気のない元気な歌声を生かした
ヒット曲を量産することになり、
パラキンは新たな人気を
獲得することになりました。
 
このアルバムは、
収録曲数の少ない
10吋盤ということもあってか、
単独でのCD化がされていないのですが、
セレクションアルバム
「レア・コレクション」(96年7月発売)に、
ほかの10吋盤3枚などとともに
全曲収録されました。
 
残念なことに
現在では入手が困難なようですが。。。
 
 *過去記事