「ダニー飯田とパラダイス・キングに加入後、

数々のヒット曲の

ボーカルを担当したことから人気が沸騰、
徐々にソロ活動が増えてきた時期の

坂本九の、パラキン在籍時の、

3枚目のオリジナルアルバム(62年8月発売)。

 

メンバーはジャケット前列左から、

増田多夢(Vo)、佐野修(Vo)、

坂本九(Vo)、石川進(Vo)、

後列左から

石田智(B)、ダニー飯田(スチールギター)、

国宗可和(Dr)、上野保夫(G,Vo)。


とはいえ、

坂本九の単独名義の曲も含めて、

演奏は全てパラキンがつとめており、

佐野修がリードボーカルの曲も

3曲含まれているので、
パラキンのアルバムといったほうが

正確だと思う。


10インチ盤(=25センチ)だったため、

収録曲は8曲なのだが、
作詞に青島幸男、永六輔、

訳詞に漣健児、みナみカズみ(安井かずみ)、
作・編曲に中村八大、ダニー飯田ら

豪華メンバーによる、
「九ちゃん音頭」

「何処かでだれかが」

「あの娘の名前はなんてんかな」

などのオリジナル、
永遠の名曲にして、

アメリカビルボードNo.1ソング

「上を向いて歩こう」、
佐野修の、

絡みつくような歌声が心地よいポップス

「16個の角砂糖」「電話でキッス」

「ウォーク・オン・ボーイ」など、
60年代の名曲の数々が

惜しげもなく並んでいる。


この後、完全にパラキンから独立、

国民的人気歌手となりながら、

不遇な晩年を送ることになった坂本九の、
若き日の、もっとも輝いていた頃の

歌声が凝縮されている名盤。(★★★★★)」(2007.1.11記)

 

大好評だった10吋盤シリーズ、

「九ちゃんとパラキン」の第3弾です。

 

第1弾・第2弾はCD化されませんでしたが、

こちらの第3弾は、坂本九さんの名義で

CD化されました。
 

でも、8曲しか収録されていない10吋盤を

そのままCD化するのであれば、

第1弾から第3弾の全24曲を、

「九ちゃんとパラキン」というタイトルで、

まとめたほうがよかったのではないかと、

発売当時に思っていました。

 

パラキンは、活動期間が40年ほどにわたり、

レコード会社の移籍も多かったため、

既存の音源が膨大に残されているにもかかわらず、

CD化音源の少なさも含め、

音源が未整理なままになっていて、

現在入手できるものが

極めて限られてしまっているのが、

ファンとしては非常に残念に思っています。

 

*過去記事

パラキンのヒット・キット・パレード

九ちゃんとパラキン

九ちゃんとパラキン 第2集