「うた」について、今一度考えるために | AFTER THE GOLD RUSH

AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――

AFTER THE GOLD RUSH-Folk Guerrilla しばらく中断していたフォーク・ゲリラに関する覚書を、次回からまた少しずつ書き進めていこうと思う。「うた」のあり方、「プロテストソング」のあり方、「運動の(ための)音楽」と「運動の中で生まれた音楽」の違い、「広場」とは何か、等々について、今一度、自分の頭を整理する契機としたい。

 

今、「うた」が必要だと感じる。啓蒙や、告発や、断罪の手段ではなく、新たなコミュニケーションの回路を人々の間に構築する「うた」。劇薬や爆薬ではなく、漢方薬のようにじんわりと効きながら、少しずつ体の構造を変えてゆく「うた」。心の内側から発する呻き声であり、叫び声であり、歓喜の声でありながら、当然のことながら、魅力的な「音楽」として成立している「うた」。フォーク・ゲリラと「うた」の関係性に、その成功と失敗の事例を見出すことができるかもしれない。

 

以下、これまでの記事と今後の予定を一覧にした。個人的な覚書、もしくはスクラップ・ブックとして始めたものなので、今となっては大幅な加筆修正を要する記事が大半なのだが、とりあえずすべて書き終えるまではこのままにしておく。文章の拙さについては、ご容赦願いたい。


1  その1 旗
2  その2 歌い創めたのは誰か
3  その3 1969年5月14日 合唱禁止令布告
4  その4 1969年5月17日 強制排除
5  その5 1969年5月24日 大集会へ
6  その6 1969年5月31日 ルポ・西口地下広場フォーク集会
7  その7 1969年6月7日~21日 高揚期
8  歌声vs国家権力
9  その8 1969年6月28日 衝突①
10 その9 1969年6月28日 衝突②
11 その10 1969年7月5日 ソフト規制と逮捕
12 その11 1969年7月12日 混沌の中で
13 その12 歌い創めたのは誰か~「なんだいべ」からの証言
14 その13 1969年7月19日 広場から通路へ
15 その14 フォークシンガーとの断絶
16 その16 高石友也との論争
17 日めくりタイムトラベル 「新宿西口フォークゲリラ」考
18 花束デモとフォーク・ゲリラ
19 栄ちゃんのバラード
20 その17 1969年7月26日~8月4日 真夏の夜の弾圧
21 その日、ギターは武器になったのか?
22 フォーク・ゲリラとブロードサイド・バラッドに関する一つの考察

 

(今後予定)
23 その18 歌は国電に乗って
24 その19 1969年8月8日~8月23日 内ゲバの季節
25 その20 西口広場裁判①~起訴
27 その21 西口広場裁判②~孤独な闘い
28 その22 西口広場裁判③~敗北
29 その23 いくつかのエピソード
30 最終章 旗~再び