日本に冬が来るように、南国タイにも冬が来る。気温は34度なのに「今日は寒いです~」というベッドメークのお姉さんに、
今はバンコクも「冬」なのだと教えてもらいました。
「え? 冬ってのは、寒い季節だってことでしょ?」「そうよ。寒いでしょ。昨日の夕方からずっと」確かに、前日の夕方にこの時期には珍しく霧雨が降ったりして、
今朝は陽射しこそ強いものの、時々吹く風が肌に心地よかったりもしたな。
そんな1日、ボクの6泊9日のバンコクの旅で1日だけオフの日を作りました。
2年前、東京でタイ語の個人レッスンを受けていたM先生を、
バンコクで久しぶりに食事でもしませんかとメールで誘ったところ、
今や大学の先生になっている彼女が、ちょうど学生が試験の最中で1日休みがとれる日があるから、
レンタカーを借りで郊外を案内してあげますよ。ということになったのね。
そんなこんなで、バンコクの「冬」の1日、
M先生「
母娘」との1日観光ということになりました。
はい。
親娘というのは、2人でだったはずのバンコク郊外ドライブにお母さんが付いて来たってことです。
M先生ってのは、ボクより20歳以上年下の嫁入り前のお嬢さんだからな。
きっとお母さんは心配だったんだろうね。
国籍不明感のただよう、口ひげのある、あやしい東洋人中年男。
物腰と形(なり)は紳士的なのがやはりどこか詐欺師的であるし...
でもさ、風体の怪しさはボクだけじゃなくて、
ボクら3人が一緒に居ることで「相乗効果」が生じたみたいだったんだ。*****
と言うのは、彼女ら母娘はタイでは少数派のムスリムで、スカーフで髪の毛を覆っているから一見してそれと分かるのね。
で、ボクの方はと言えば、タイ人には滅多に居ない口ひげを生やした東洋人。それに、腹の回りに爆弾でも巻き付けてるみたいな体型。
ふん!失敬な。世界的飢餓が襲ってきたときのために蓄えなのにな。
レンタカー屋の兄さんが間違って渡したナビゲーターは、日本語はもちろんタイ語も話さないし、もっぱら英語で Keep right. Turn right. ばかりを繰り返す。言うこと聞いてたら、ぐるっとバンコクを一周しちゃうよ、なんていいながらあれやこれや道に迷ってる内に、
あの3人はイスラムゲリラで自爆テロを企んでるに違いない。ってきっと疑われたんだろうな。目的地に着く前に警官に止められて10分くらい尋問をされたりした。運転しているM先生は、IDカードやら運転免許書を警察官に提示して、なにやら一生懸命説明している。
ボクが聞き取れるのは... う~ん、5%位なんだけど、
後ろに乗ってるのはわたしの母で、助手席の(ちょっと渋めのいい)男は、日本人の友達でタイに遊びに来たから、観光に連れてってあげてるのよ。
腹の回りには何も巻き付けてはいないわ。あれは、ビールばっかり飲んでるから(じゃなくて、言ってみれば教養が溜まってるのね)。
ってな感じ。まぁ、カッコの中は、想像で補ってますけど。
*****
そんなこんなのトラブルに遭いながらも向かった先は...
1 メー・クローンの市場ここには、一度は行ってみたかった。たぶん「世界の車窓」からで見たことがあると思うんだ。
鉄道の線路の上が市場になっていて、普段はそこが線路上だなんて気付かない。
で、列車がやってくる時だけパタパタとあわてて、日よけのテントや商品を片付けるんだよね。
テントを慌ててたたむ様子から、タラート・ロム・フップ(ตลาดร่มหุบ)=「傘をたたむ市場」って呼ばれてるらしいんだけど、まさにそんな感じだった。
メー・クローンの街に着いて駐車場に車を入れたのが8時半。
1時間に1本ほどの列車が来るのがちょうど8時半だけど、いつも少し遅れるから今から市場に行くとちょうどいいよ、と屋台のおばさんに教えてもらい歩きだそうとすると、M先生のお母さんが突然直立不動で動かなくなった。
ん?どしたかな?金縛りかな?って思って聞いてみたら、近くの小学校で小学生がタイの国家を歌っているんだそうだ。たぶん朝礼かなにかがあったんだね。
タイの国歌が流れる時は、みな立ち止まって敬意を表すのです。それがしきたりです。これは本の知識だけで知っていたけど、朝夕のバンコクの駅なんかでは、だれも立ち止まりはしてなかったから、なんとなく忘れてた。
そんなこんなで、ちょうど市場に着いた時、まさにテントは仕舞われようとしていて、あっと言う間に列車が来たのね。
↓ だからこれは、あわてて撮ったコンパクトデジカメでの動画です。画像が悪くて、ごめんちゃい。
ほんと、今まで商品が置かれて人が歩いていた線路の上を、列車が走ってくるのはエキサイティングだったな。
2 バーンクン寺メー・クローンの市場から、車で10分くらいのところにあるお寺なんだけど、
400年ほど前に建てられた寺院が、200年ほど前にミャンマーに攻め込まれて以来、放置されたままになっていたらしい。
そのため、寺院がすっかり南国の木に包まれてしまって、まるで木の中に仏様が祀られているような状態になっちゃっているのね。
↓ これが入り口。まるで老木の「うろ」みたいでしょ。

↓ で、中にはちゃんと仏様が祀ってある。
3 その他M先生は大サービスでね。
今日は1日オフだから、いろんなところに連れて行ってあげるわよ。
さぁ、どこに行きたいの? どこに行きたいの? と聞いてくれるワケです。
だから、いろんなところに行ったよ。
3a
土日しか開いていないので閑散としていた「アムパワー水上マーケット」
開いていると、昔はバンコクの水路の至る所で見られた船のお店や、船の屋台や、そんなものを
楽しめるところです。
3b
土日しか観光客が来ないのでほとんどの店が閉まっていて閑散としてる「コ・クレット」
コ・クレット(クレット島)というのはチャオプラヤ川に浮かぶ島で、素焼きの焼き物の産地。
船着き場から長く続く狭い道にたくさんのお店が並び、店が開いてたら賑やかなんだろうな。
アムパワー水上マーケットの近くには、ラーマ2世(現在の王様はラーマ9世)の生家が復元されていたりして、客がほとんどいない平日にノンビリと散策するにはよかった。
コ・クレットでは、川の上に張り出して作った家のバルコニー(当然、下は川)をカフェ(という程おしゃれなものではないけど、ムードはある)に入って、しばらく休憩。
陽が少し傾き、チャオプラヤ河の河面を涼しい風が渡り、対岸には大きな金色の仏像がこちらを向いて微笑んでいたりして、あぁ、タイに居るんだな、と実感したりしてね。
*****
他にも、あれやこれや、いろいろと見たんだけど、M先生のお母さんはその度にたくさん買い物をするのね。アムパワー水上マーケットのあたりは、ざぼん(タイ語でソムオー)の名産地らしいんだけど、それをなんと7つも買い込んでいた。直径30センチくらいあるやつをだよ。
彼女ら、レンタカーを返してから自宅まで帰らなくちゃならないのに、いったいどうやって持って帰るつもりなんだろって思って居ると、いよいよお別れの時、ざぼんを全部ボクにお土産として渡したいってお母さんが言い出した。
そ、そんな!
そんな重い物、トランクに入れたら重量超過だよ。いや、それより日本にフルーツは持って帰れるのか?
結局、丁寧にお礼をいい、ホテルで頂きますと言って1個だけもらって帰ったね。
フロントでナイフを借りたり、厚い皮をむくのはめんどくさかったけど、ビールを飲んだ後、寝る前に、2~3房食べるとなんだか口の中がさっぱりしたなぁ。
*****
汗だくで「絵」探していた他の日とは大違い。
やっぱり、休日って良いな~
←click me!今日はすっかり、観光客の旅行記でした。いつも読んでくれてありがとね。
さて、ボクの今年のブログ更新はこれで最後です。みなさん、1年間お世話になりました。
また来年も、よろしくお願いいたします。
では、良いお年を。
A Happy New Year.
Feliz Año Nuevo.
สวัสดีปีใหม่