いつも絶対、お前の味方だから。
何度か息子に言ったこともあるし、心から思っている。おそらくだけど大概の親はそうじゃないか。
兄はドライな弁護士、弟は熱血医者。社会的にはどちらも成功しているけど、中身は…というのはよくあるパターン。うちのほうがマシかな…って思っていたら、思春期の子どもたちの犯罪。隠蔽するか、自首させるか、こどもの「味方」ってどっちなのか?お前なら?うちの嫁さんなら?刃を突きつけられっぱなしの辛い時間だった。
じっくり考えさせられる価値ある作品だったけど、ゆったりしたい連休のスタートにこれはマズかったなぁ。
昭和男子の大好物!
九龍城塞を舞台にした香港アクション。もちろん本物はみたことないけど、猥雑そのものの舞台。そして解体寸前の設定だからボロいし壊し放題。そこで主人公も敵もバンバンやられてちゃんと痛いバトルが展開するんだから面白くないわけがない。物語もシンプルながら、任侠の義理人情や世代闘争、友情もからめてある。懐かしいサモ・ハンだって出てくる。あれをどのくらいCGなしでやっているのか、メイキングが見たい。ビールを飲みながら、ワイワイもう一度見たい1本だ。
こわいくらい、気持ちはわかるけど…
HYの名曲「366日」をモチーフにしたラブストーリー。俺自身そういう傾向なんで、共感はするけど、イタいくらい未練がましい男女の物語。
歌の世界はそんなピュアな気持ちだけで作れるけど、実際は現実のシンドさもイヤなヤツもいる。24時間あなたを思い続けているわけはない。そこをほぼ無視した都合の良い展開なので、なんか薄っぺらくて。あと、一番共感してしまうのは、ずっと報われない幼なじみて!何でやろ
おや、意外と普通だぞ。
年末を彩るテレ東の看板コンテンツになったドラマ「孤独のグルメ」松重さんがいろんな店に入って、美味そうに食いながら心の中のセリフをナレーションで入れる。というのは知ってるけど、見たことがなかった。今回は劇場版ということで、パリやら五島列島やら韓国やらで、スープの食材探すんだけど、結局見せたいのはもぐもぐフムフムな部分だから、無理してスケールアップしなくてよかったのに。セリフでも歌でも煽るから腹は減るが、あまり料理のほうで「うわぁ!」とはならない。その分を補うのは食べる人の表情。値段もリアクションも派手なぐるナイのゴチへのアンチテーゼだな。
俺にはあんまりふさわしくなかったんやろな。
のん、という女優は結構好きだ。見た目のかわいさはあったうえで、独自路線を突き進む感じがいい。「あまちゃん」は知らないが、「この世界の片隅に」もよかったし「さかなのこ」は彼女以外難しかったかもと思う。でも堤監督のこの使い方はどうだ?普通の中にいる違和感が彼女の味なのに、物語全体を「変わってるでしょ」「面白いでしょ」に染めてしまっては気持ち悪いだけ。出来が悪くて長いだけのコントを延々見せられる辛さよ。だいたい「ふさわしい」ってなんやねん。必要以上の自己肯定感と、周りを見下す感じが透けて見えて残念だった。
だけどなんで?
新年1本目はジェイソン・ステイサム主演の無敵過ぎるエージェントもの。FBIだろうとSWATだろうと何人いようとまるで関係なく、ほぼ丸腰。ラスボスにちょっとやられた以外はノーダメージ。気持ちいいし痛快だけど、絶対にやられない安心感のあるアクションものってどうなんやろ。
物語的には黒幕を暗示するからなんだろうけど、どうして政府管轄外のエージェントのコードが「養蜂家」なんや?個人が感じる善悪だけであんなに殺してもおとがめなし?ま、いいか。細かいことは。
ちょっと、羨ましかった。
ここ数年、見続けているベイスターズの公式ドキュメント映画。ファンではないけど内部の人間だから撮れる映像や選手のコメントを見たくて楽しみにしていた。そのベイスターズがセ・リーグ3位からCSを勝ち上がり、ホークスまで倒して日本シリーズ制覇。巨人ファンにはムカつく快挙を成し遂げた。だからこれまでのシーズン通しての成長ではなく、ラストスパートの流れと内情を中心に編集してあるから、ドキュメントとしてはちょっと物足りない。でもキャプテンの牧選手を中心にしたチームの盛り上がりは熱くて、ホントにカッコよかった。いい大人たちが心から熱くなっている様子は種類やレベルの違いはあれど、羨ましかった。巨人だと(想像にすぎないけど)なんか社交辞令で覚めた感じの選手とかいそうだもんな。
つなげる必要ないやろ…
「ワンダー 君は太陽」は素晴らしかった。この作品も、ナチスの圧政下の厳しい状況で命がけで人助けをした少年と、そこに希望を託した少女の物語として見応えがあった。でも前作と無理に繋げることで、主人公が死なないことは確実だったし、メリットも感じなかった。余計なことって、あるな。
そう書いちゃうとね…
メキシコの貧困地区のいわゆる底辺校に赴任した先生が、教え込むのではなく、自分たちの知りたい気持ちに気づかせる授業で、クラスを蘇らせていく実話ベースの物語。教育委員会の統制のもと、ペーパーテストの結果が教師の評価につながる状況で、道をはみ出すのは勇気がいること。でも日本でも頑張っている先生もいるし、探究学習に取り組むってああいうことだと思う。教えるんじゃなく、不思議に気づかせ、知りたい気持ちに種火をつけてやる。勉強に限らず、大人の役割ってそこにつきるかなと思う。我慢して見守らなくちゃ(自省)
これは上澄みだけなんだろうけど。
東京の小学校を1年間追ったドキュメント。入学式前の1年生から卒業していく6年生まで、もちろん先生たちにも。海外の人に「小学校の6年間で日本人ができる」と言われたそうだけど、たしかにそうだ。自分のこともまともにできなかった1年生が、読み書きだけでなく、そうじや生活のルール、同調圧力まで、「いいところも悪いところも」身につけていく。だからこそものすごく国の将来にとって重要な場所なのに、軽視されすぎだと思う。あと先生はサービス業じゃない。もちろん当たり外れはあるだろうけど、自分の子供を導いてくれる一番近いオトナに、ケチばかりつける親は何様や…あかん、映画関係なくなってる。救いは小学生を見ていて驚かされ、感動するポイント、彼らの「できた!できるようになった」成長を収められているところ。オトナになったらそんなことほとんどないもんな。