なんなんだ、この堪らない気持ち。

生まれつき障害をもった男の子を軸に回る、人生に重荷を背負った大人たちの物語。子供の障害に向き合えなかった親たち、子供が欲しくて誘拐までしてしまった親、子供への愛を受け入れてもらえない親…様々な立場からの視点で親子の愛、血縁などを考えさせられる。ちょっとキャラや演技がステレオタイプすぎるのと、重荷の表現が長すぎるので、前半はしんどかった。でも後半、新くんの存在を通じて少しずつこんがらがった糸が少しずつほどけていく。我が子の健康に感謝しつつ、もし自分だったらと考えると心を激しく揺り動かされた。

重荷とか苦労して育てているんではなく、「みんなが新に救ってもらってるんだ」そうだよな。

淡々とあったかく。

ASDの兄(スーパー8安田)を支える妹(のん)の物語。周りの人たちに支えられ、一人で生きられそうになっている兄に訪れる妹の結婚。ちょっと安田くんの演技が強すぎたけど、全編通じてイヤな人がほとんど出てこないので、見ていてあったかい気持ちに。でも身内にいたらと考えると、そんな簡単なものではないはず。何度もできたいい言葉「誰も悪くない。」

みんなの凸凹を個性ととらえて、支えあえる社会が作れたらいいな。

鉄壁の布陣!

世界一用意周到な取り立て屋の話。10億ドル返さない悪徳大富豪から全額回収、しかも彼の支配する島から脱出する物語。3部構成で、1部は設定説明や法律的な追い込み(寝てもうた)2部は現地でのリハーサル、そして3部は本番の追い込み&脱出。70人の悪党に囲まれても、入念な準備のおかげでうまく行くのが痛快!超人的な能力より丁寧なリスク管理と余裕が大事なのね。

まあ欲を言えばメンバーたちの背景やキャラをもう少し見せてもらえれば…寝てる間にやってたのかも(笑)

これでええねん!

ある日突然、うちの町が不思議な光に包まれて、町ごと全部恐竜の時代に飛ばされた。その雑な設定は突っ込みどころだらけだし、実は回収もない。でもシンプルイズベスト!恐竜パニック映画ってこういうので充分楽しいやん。緻密な世界設計や理論構築もいい。でも恐竜に襲われてうまくいってなかった家族が再生された。何よりやん(笑)80年代のハリウッド映画に寄せたその単純明快さが気持ちよかった。

海鮮丼前夜…

タイトル入れようとしたらこれが出た。そうだったらよかったのに。

太平洋戦争直前に実在したらしい(初めて知ったけど)総力戦研究所の若者たちを描いた物語。どこまでホントなのかはわからないが、アメリカとの開戦は必敗の予測を東條英機らオトナに提言していく。結果論の未来人でしかない我々がいつも思っていた「冷静な人はいなかったの?」に答えを出してくれた。そりゃそうだ。いたのだ、でも東條英機すら時流に飲まれざるをえなかったのだ。少ない資源と人数で大国に対抗するために当時のリーダーたちが編み出したシステム。でも負の遺産を重ね、暴走するとオトナでもコントロールできないカイブツになった。その結果が、あの敗戦だ。あれから80年以上たつが、コロナ禍など時々あのカイブツが見え隠れすることがある。呑み込まれないよう自分をしっかり持たねば。

糸を引く物語?

落雷で若くして突然命を落とし、あの世に連れてこられた主人公の青年。そこで得たのは現世の人たちの赤い糸をつなぐ仕事。落雷のショックで失っていた記憶を取り戻し、残してきた最愛の人と・・・という物語。展開、世界観、描写…見ていてずっと感じていたのはジャンプ、いやもう少し大人向けのヤンジャンとかで読んでいた雰囲気。心に残るピュアな恋愛と異世界、そしてそこにいるキャラクターなど、あまり他で見ない組み合わせ。でもなんかしっくりくるし、2時間ちょっとの没入感はすごかった。ギテンズ・コー!「功夫」よりだいぶいい作品やんか!

今の自分には…

日本で監督が取材したレンタルファミリーをもとに作ったブラックコメディ。顧客の要求に対しプロとして様々な役割を演じ続けた結果、自分がどんな人間なのかを見失うという物語だ。目の付け所は面白いと思うが、もう少し演じるケースの数は必要だし、そっちの部分で盛り上げることはできたと思う。あとこういうシニカルな笑いは見る側に対応する余裕が必要だなと感じた。なんか苦しんでいる主人公を笑わずに共感してしまい、しんどくなってしまったもの

何を食べにいったんだか。

マルチバースでどうこうというアニメ版以外は、一応見に行っているスパイダーマンシリーズの最新作。

前回、友達を守るために記憶から消すという選択をしたスパイダーマンが、次の展開に向けてという作品だ。

いつもの爽快な滑空シーンや無敵のバトルシーンはありつつ、そこに青年の苦悩や孤独のつらさという哲学的なテーマ、

アベンジャーシリーズの進行やサブキャラの登場場面、スパイディー自体の脱皮や覚醒。全部盛りの展開で、結局

何を見に行ったのかわからない2時間超。たっぷり見せられて満腹感があった割には満足感がないんだよな。

これは、ホラーなのか?

若かりし頃、おっさんだって何度も願ったことがある「あの子がオレのことを好きになってくれますように…」それが歪んだ形で叶ってしまうと…。ドラえもんの後半の展開をクレイジーにした感じの物語。しずかちゃんがレンガで自分の顔殴りだしたら、怖いというよりドン引きやろ。評判がいいから見に行ったし、劇場も混んでたけど、厳しかったなぁ。

めんどくさいよね〜

島根にある全寮制のキリスト教高校の1年を追ったドキュメンタリー。各学年10人ちょい。食事や洗濯も自分たちでやり、スマホもネットもテレビもない。そのかわりにあるのは友達と対話し、生活していく濃厚な時間。この時代に「ありえない」環境に飛び込んで来るんだから

それなりの理由はあるんだろうけど、そこには触れずにカメラは淡々と彼らの日々を追う。ナレーションやピックアップするキャラもない。個人差はあるけど、それぞれがこの年で小さな社会と向き合い、自分の意見を持って対話している。彼らは、受験勉強なんかよりずっと大切な生きる力を得ているなぁと感じて羨ましくなった。学校は社会で生きて行くための、失敗や挑戦が許された予行演習だと思ってる。勉強よりこのめちゃくちゃ面倒な体験が、役に経つはずだ