ちゃんと見ましたが…わかりません。

どうしてこのタイトルなのかも、問いかけられた回答も。綾瀬はるか主演で、石井裕也監督というから期待していたのに、あかんかった。地下鉄の事故と20年後に遺族に届いたラブレターというアンビリバボーな実話を膨らませて作られた物語。でもそこに初恋やら不器用な思春期やら親子関係やら病気やら…泣かせポイントを全部載せにしてしまったせいで、何が伝えたいのかピンボケになってしまった気がする。ただ一つだけ自分に刺さったのは息子が自分のオヤジのことを「いろいろ面倒だけど、いい男だと思ってます」と先輩に説明したセリフ。自分ならどういうか?また息子は自分のことをどういうだろうか?

考えてみたら、ラブレターは書いたことない、いや書いたけどオレも出せなかったんじゃなかろうか?覚えてないけど。

うたのチカラ。

ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンが演じるトリビュート・ミュージシャン夫婦の物語。共にバツイチで子持ち。そして人生の紆余曲折を経験していくが、そこを乗り越える原動力になったのは、家族の愛と音楽のチカラ。ミュージカルとは違う形で、うたの存在感が大きな物語。個人的に好きなあの頃の音楽と共に見ていて幸せな気分になれる作品だった。

地球の話はもっと端折ってよかったんちゃう?

主人公が昏睡状態から目覚めたら、宇宙のどこか。しかも自分以外の乗組員は死んでいる。ほぼ猿岩石みたいな状態で宇宙に拉致された落ちこぼれ学者が、宇宙の果てで友達と出会い、地球を救う話だ。宇宙で出会った友達は岩っぽいカニみたいな異星人ロッキー。でも地球をはるかに凌駕する科学力を持っている。もちろん最初は意思疎通もできない2人?がお互いの好奇心と優れた知性、そして自分の星を救うという同じ使命感でつながっていく展開。SFというより無人島漂流ものに近い物語だった。こういう宇宙系の話だと冷静でクレバーすぎる男になりがちだが、ライアン・ゴズリング演じる主人公はコンプレックスやカッコ悪さ、あとちゃんとユーモアにあふれたキャラクターで、そこもプラスになっていた。でもやはりこの作品の主役はロッキー。あんな石ころ野郎に手に汗握らされるとは思ってもみなかったわ。唯一の不満は長すぎること。元は6時間だったらしいから、それでも4分の1にしたらしいけど(笑)

いまそこに熱量があるか?

1980年代前後に生まれた日本の、東京のパンク。その渦中にいたカメラマンの手記と写真をもとに作られた実話ベースの物語。監督は当時渦中にいた田口トモロヲ、脚本はバンド活動もしているクドカン。自分はまだ当時小学生なので接点がなく、バンドブームから遡って、雑誌の宝島などで名前と知識を得た世界だ。ロックに対して、メジャーに対しての抵抗。そして自分たちが表現していきたいものと現実との落としどころ。「何にもないけど、何でも自分でできる」彼らには衝動と熱意と飢餓感が溢れていたし、憧れも感じた。「あなたへのお勧め」がサブスクで無料で聞け、創作もAIがサクッと担ってくれ、流通もネットでクリック一つ。そんな時代の音楽にこの熱量を求めるのはやっぱり厳しいのだろうか?

笑ったのは「ジョニー・ロットンって、実家かなぁ・・・?」「実家暮らしはロックじゃないよね」さすがクドカンだ。

都合と歌がいい作品だった。

なにわ男子の人主演で三木監督という段階で気づけばよかったのに、ファン中心の高評価に惑わされたのを後悔。

彼女たち向けにガッツリ作られた案件映画だった…。タイトルでオチまで説明してあるし、2人の小さな世界だけで都合よく展開していく物語。片方が成功して、でも結局うまく行って、そして最後は余命もの…。ベタすぎないか?それでも歌とライブシーンはよかったので、この評価。でも気になったのはどうして豊橋から上京するはずの彼女が近鉄特急に乗っていたのか?JR許可下りんかったのかな?

 

まあ、普通だよね…

ピクサーの最新作というから、ある程度期待していった。CGがどうこうとか、そういうのはもう十分進化してるし、あまり興味がない。それを使って何を伝えるかだと思う。動物が好きすぎる少女が、動物の気持ちになる機会と機械を得て、動物の言葉がわかるようになり、彼らの住処を壊そうとする人間と立ち向かうけど・・・捻りなさすぎない?別に悪くはないけど、意外性がないから心は動かない無難な佳作。もしかしたら・・・AIにストーリー書かせてないか?

予告で流れていた夏休み公開の「トイ・ストーリー5」がそんなことにならないことを願う。

 

 

こんな日常は、いやだ。

上映時間は90分ちょい。でもこんなに疲れた映画は久しぶりだ。物語はというか、特に劇的なことが起こるわけではないのだが、舞台は病院。主人公は遅番の看護師で仲間に病欠者が出て、キャパオーバーな日の話だ。勤務の間中なりやまぬ内線とナースコール。次から次へと発生するトラブル。いくつもの案件を抱えながら、遅いと文句を言われながらこなしていく。一息付けるのはエレベーターの中の数秒だけ。まさに怒涛の半日を描いていく。

映画ではスーパーヒーローが怒涛の活躍を見せることは多いし、50のおっさんでも仕事で駆けずり回り、1日2万歩以上歩く日だってたまにはある。でも彼女たちはこれが日常、毎日の出来事なのだ。あんなしんどい一日を終えても、また24時間後には同じところで働き続けるすごさ。誰が本当のヒーローなのか?くたくたになりながら考えていた。

 

クズはクズだよ。

この時期にありがちだけど、アカデミー賞最有力で卓球選手の映画というから見に行…かなければよかった。目的のためなら、周りにどんな迷惑をかけても平気なクズ野郎が主人公。卓球はうまいけれど、それは金を稼ぐ手段でしかなく、目先の小銭稼ぎのためにどんどん愚かな方向に転落していく。パワフルかもしれないが、生き方が下衆すぎる彼のどこに共感を得ればいいのか?主役を彼女のほうにして、足を引っ張り続けるダメ男とかにしておけば、うまく行ったのかもしれないと思う。たとえアカデミー取ったとしても、俺は好きじゃない。

案件だなぁ…

「ミッドナイトスワン」「ナイトフラワー」など骨太な作品を作っている内田英治監督の最新作というから期待していたのに。凄腕の殺し屋が集められて、なぜかダンス大会に出場することに…その甘すぎるイントロで気づけばよかった。別にこの手のコメディでのリアリティに目くじらたてるつもりはないけど、設定が粗すぎる。あれだけ人殺して一切警察出てこないし、あのレベルのダンスで決勝大会はないわ、負け役の人に失礼だ。出資側が、うちのスターでカッコよくて、ファンにも受けるコメディをお願いしますよ、カントク!と依頼している姿が目に浮かぶようだ。

豚玉では、あかんかったのかな?

お好み焼きの千房が取り組んでいるという、ドロップアウト青年の身元保証活動をモデルにした物語。監督はこの作品の取材がキッカケにホンモノの保護司になったそうだし、リアリティはある。ただ登場人物の描写に雑な部分が多く、彼らの行動に共感しにくかった。シャバに出てきて生まれ変わるつもりでやっても、冷たい社会と厳しい現実はあまり変わらない。そこに追い打ちをかける昔の世界の甘い誘惑。そのループを断ち切るために、何度裏切られても見守る周囲の人たち。もちろん、素晴らしい活動だけど、そんなきれいな部分だけちゃうよね。

ただ焼くだけでなく、肉、海鮮、キャベツ、そば…いろんな材料を混ぜて作るミックスモダンに人生が重なるシーンがあれば、もっと響いたのに。