エンドにNGシーンはなかったけれど

中国に取り込まれ、ジャッキーがあんな風になってしまい、ほぼ振り返る系でしか見なくなった香港映画。

マイケル・ホイが演じる葬祭道士と、令和ロマンくるまが年取ったみたいな(香港の有名コメディアンらしい)葬儀屋さんの2人を軸に進む「おくりびと」な物語だった。といってもスピリチュアルな話はなく、ビジネスと感謝のはざま、親子関係、伝統と現実…葬儀を軸にしたエピソードに人生で経験するさまざまな要素が絡み合う。見る誰もが自分に引っかかるポイントがありそうな構成で、これがヒットの要因にもなっているのだろう。でも逆に言うと的が広すぎて散漫でだるい部分もあった。

そもそもこれを「いい!」と言ってみる若者はほぼいないはず。それが香港史上大ヒットっていうんだから、映画館の客層がうかがえる。大丈夫か?香港映画。

あんが、あれでは…

唐沢寿明演じる濃いキャラの(ホントは阿部寛にやらせたかったんちゃう?)司会者が仕切るミステリークイズショー。20年間正解者が出ず賞金がキャリーオーバーの末、賞金100億円って、近未来舞台の物語にしても設定が雑すぎやしないか。さらに雑なのが、物語のキモになるミステリー。安っぽいミスリードや「実は」設定の連投に物語制作のオチたるや…。そりゃ、児相に通報するわい。

物語の構造としては面白いなぁと思ったけど、あんがなぁ。あと同時期にちゃんとトリックが作ってある別のクイズ映画が公開されてるて!

しとしとぴっちやん!

SWシリーズは9本全部見ている。そんな熱心なファンではないので、スピンオフ的なものや配信ものなどはチェックしてないが、スペースオペラといわれるあの雰囲気は大好きだ。でも物語が一旦終わってしまったので、劇場でみることはリバイバル以外不可能。そんな自分にはピッタリの作品だった。かっこいいマンダロリアンとかわいいグローグー。メカとバトルアクション、怪獣ものの楽しさまで全部盛り。面倒な精神の物語などは置いといて、シンプルに楽しめるハイパー子連れ狼。それでええやん。

毒にも薬にもならないけど…

今の日本医学の礎を築いたかもしれない、江戸末期の京都の蘭方医の奮闘を描いた物語。

旧来の漢方医と揉めたり、新しい知識の吸収に貪欲だったり、若者にはやっぱりかなわなかったり、でも患者を救いたいという気持ちはとても強かったり。一人のモデルというより、いろんなヒポクラテスたちを総合したんだろう。そんな主人公を佐々木蔵之介がカッコよく演じていた。まあよくあるご当地映画みたいな展開だなぁと思ってたら、京都府立医科大かなんかの周年映画だとか。そういうことか・・・

僕の右手を知りませんか〜♪

昔、歌っていたのはブルーハーツだったっけ。今や人気俳優 佐藤二朗の原作、脚本、主演による作品。ヒロトの歌では行方不明になる右手だけど、この物語では触れたものが行方不明になるマジックハンドに。そんな闇を抱えた少年が起こす無差別殺人。秘密のもとや動機、目的などは明かされず、刑事のセリフにあった「そんなの、どーでもいいん」かもしれない。空が青く見えなくて、自分なんていてもいなくてもいい。そんな気持ちで生きている人たちの闇を表したい、目的で生み出した物語なのかもしれない。でも二郎系とはいえ、スプラッタましまし過ぎじゃないか?

・・・正解!

発売された時に、本屋で見つけて読んだ小川哲の原作。クイズ番組の決勝戦のラスト問題で「問題・・・」といった瞬間に正解した回答者の謎に迫っていく物語だ。人が死なないミステリーとしてとても楽しませてもらったものが映画化。原作とは違う部分もいろいろあったが、もともとのストーリーやトリックが見事だし、映画ならではの表現やあのメロディが聞けたのもあってとても楽しかった。

ただムロツヨシ演じるクイズ番組のプロデューサーがテレビ屋の嫌なところを凝縮したようなキャラクターだったのと、競技クイズを強引に人生に重ねるのはちょっと辛かったかな。自分の正解に全然たどり着けないおっさんだけれど。

正直…払っていいのは300円くらい。

山下智久主演で少し前にNHKでやっていたドラマの映画化。ウソをいうことができなくなった不動産セールスマンという設定は面白いと思っていたけど、ドラマ当時は興味なくスルー。映画化ということでそれぞれのキャラに少しずつエピソードとスケールを足して作ったみたいだけど、ドラマ、しかも民放で深夜にやっておいて!というレベルでガッカリ。山Pを今さらカッコよく見せるだけの物語ってどうよ?不動産周りだけでなく、あの呪いが伝染して、いろんな業種の人がウソつけなくなるとか、そんな展開ならメチャオモロくなりそうなのに。一番困るのは政治家?タレント?医者?学校の先生だったりして…(笑)

今、そこにあるかもしれない危機。

主人公はデイ・ケア施設に勤める外科医だ。介護する老人たちの麻痺した手足。本人にとっても動く見込みはない重い肉の塊。ケアする側にも負担になることから「廃用身」というそうだ。それを切断することで残りの人生をよりよくというサービスをAケアとして進めたところ起きる物語。効率面や理論は納得できるし、保証はないが結果もでている。術後の本人も明るい。だから…自分や自分の身内がその状況になった時、後戻りのできない決断をするのかしないのか。

衰えの激しい両親のことを思い、骨折から半年経ったがまだ上がらない右肩のリハビリをしながら、考えさせられっぱなしだった。

やはりカンヌは…

去年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲ったイラン映画。自分を拷問でひどい目に合わせた男を偶然街で見つけたので思わず拉致。でも顔は見たことないし、本人は人違いだという。そこで殺すのを一旦やめて、拷問された仲間に確かめに行くが…という話。目には目をの復讐肯定も含め、登場人物の行動原理がイマイチ我々日本人には理解できない。それが異文化理解だとは思うけど、面白いかどうかと言われると…途中ウトウトしたのもあるけど、カンヌと自分はつくづく相性が悪いなぁ。

メガネ少年ものより、よくできてた。

大好きな羊飼いが殺された!自分たちの群れを守るため、真犯人を探すために羊たちが立ち上がった。でも、もちろん人間たちに言葉なんて通じない。そこで…という物語だ。動物たちが話すストーリーはよくあるけど、特殊能力や不思議道具みたいなもので意思疎通するパターンが多い中、これは羊たちが知恵を絞る。かわいいだけでなくミステリーとしてもしっかりしていて、伏線が後半どんどん回収されていくのも気持ちいい。また賢いだけでなく、羊ののどかさもしっかり残してるのがいい。ホンモノはどう考えてるのかな…