万全の体制で見に行かないとあかんかった。
やさしくて勉強ができた姉が医者を目指していた20代半ばで統合失調症を発病する。でも医者の両親はそのことを認められず、治療もせずに家の中に20年閉じ込める。それを弟が撮った「見せたくない家族のこと」のドキュメント。もちろん他者が撮れるレベルのものではない。
誰にも悪意はないし、むしろ精一杯愛していると思う。でもかけ違えたボタンは年を経て、あんな地獄を生む。タイトルの「どうすればよかったか?」が観客にずっと問いかけてくる。早めに病院にいかせれば…そんな当たり前の正解はここにはない。ラストで悲劇の要因でもある父親が振り返って語っていた「失敗したとは思っていない」それも親として精一杯やった真実だと思うから。
面白かった…なんて軽々に言えない。
児童養護施設で生活する子どもたちの普段の生活を撮ったドキュメント。いろんな事情に配慮して、入所の理由も出さないし、映画館での上映だけでソフト化も配信もしない。そういう信頼の上で撮影できたモザイクなしの姿を見られて良かった。カメラの前では普通の子どもとあまり変わりない、前向きに明るく過ごしている姿を中心にみせている。でもその奥に人との距離感だったり、寂しさを隠しきれない部分が確実に見えて、なんとも言えない気持ちになった。こういう問題には、きれいごとでは済まない部分が確実にあって、そこに気づいた自分が何かできることがあるのか?たくさんの人が考えるキッカケになるのなら、大きな価値があるんだろう。
やっぱり王子様のままやねん。
たぶん監督は森くんのファンなんやろなぁ。絶頂期、しかもキムタクより人気があったSMAPを抜けての転身。さらに20年かけてのオートレーサー日本一獲得。そして大怪我からの復帰。SMAPを超える夢を持ち続ける気持ちの強さ、逆境にも負けない不屈の精神、どれをとっても非の打ち所がないし、すごい男だと思う。ただそれを称賛する人やエピソードを並べただけではドキュメントとしては面白くない。失敗もカッコ悪いところもないとどうしたってリアリティがない。だって、人間だもの。
名は体を表す?
3時間、結構楽しんで見られたけど、ジャワーンってなにか、わからんかった。でも作品としてはアクション、恋愛、親子愛、メッセージ、そしてもちろんダンス。インド映画の全部盛り海鮮丼みたいな感じで、テーブルに出すときに「ジャワーン!」って言ったとか、言ってないとか。インド映画を見に行くぞと気合をいれて、期待通りのものを見せてもらった感じ。たまにあるやんか、そんな気分の時。
よく考えたらさぁ…
横浜流星が演じるのは3人を惨殺し、死刑判決が確定した男。拘置所から脱走し、逃亡を続ける間に出会った人たちに見せた全く別の顔。正体は誰だ?というミステリーだ。確かに髪形や服装など演じ分けは頑張っていたと思う。だけど出会った人全員に短期間で「正体」である「やさしくていいヤツ」だってバレてないか?単に上司のプレッシャーと焦り、思い込みで、目の前の容疑者を何一つ見ていなかった警察が盲目だっただけやん。
もっとスッキリしたかった。
カメ止めの上田慎一郎監督によるクライムコメディ。脱税を繰り返す悪徳事業家に、煮え湯を飲まされた真面目な税務署員が、天才詐欺師集団と組んで地面師詐欺でひと泡ふかせる話。なのは最初からわかってる。どんな手段で、どういう展開で、どんな起伏があって…というのが見せどころだけど、あと一歩だった。詐欺師の動機が描写不足だし、チームの個性も生かしきれず。真矢みきの娘は何の役にたったんや?誰かがレビューに書いてたけど、ルパン三世的な詰めの甘さと面白さはあった作品だった。
何をみせられたんや!
病院の中にカメラを入れ、普段医師しかみられない内視鏡などの映像、手術の裏側まで見られると、好奇心いっぱいで劇場へ。確かにいくつかはあった。ただユッケみたいな肉の管の中をカメラがニョロニョロ入っていく絵。これが何なのか、言葉でもテロップでも一切説明ない。さらに手術中の医者のボヤキとか、精神病棟のおっさん、一番わからんかったのは牛歩みたいなスピードのおばさん2人を延々10分くらい、そして驚愕のエンディング。なんじゃあこりゃあ!無音のエンドロールに戸惑いしか残っていなかった。
温めたままのほうが良かったんちゃう?
倉本聰が長年構想していたとの枕詞に惹かれて楽しみにしていたのに…。
モッくん演じる不遇な天才画家と、師匠の娘だったキョンキョンの秘められた恋を中心に、主演クラスの大物が続々登場する一応ミステリー。なんか物語が古臭いし、いろいろ細かいところがひっかかるのは引き込まれないからか。モックンとキョンキョンはアイドル同期やとか、清水美砂は「シコふんじゃった」やなとか、中井貴一は贋作づいてるなとか、いろいろあったけど、一番気になったのはモックンと石坂浩二が同級生という設定。調べたら干支2回り違う。親子やん!これを許している映画で美について語られても困るわ。
親は子が育て、子は旅が育てるんだなぁ。
ADHDの息子と一緒に国内56チームのスタジアムを巡る父親の実話をベースにした物語。障害に対処し、自分がいなくなる将来まで心配せざるを得ない親の立場で見てしまうと、単純にめでたしめでたしで終われない。ただ子どもの成長を感じることは何よりの喜びで、そのためにはバリアを張るより、旅であり、転ばすことなんだな。
見ていて体がムズムズした。
試写でみせてもらった。マンガの設定だけ知ってたのと予告は見ていたが、あまり期待していなかった。が、めっちゃオモロかった。「翔んで埼玉」と同じく、細かいことを気にしないでその設定で楽しんだもの勝ちな世界観。後半はちょっとダレたが、登場する細胞たちの個性もしっかり描いていて、勉強になるし楽しかった。血管内の血液成分の話が中心だったけど、もっといろんな反応を描写できたらもっと膨らんだと思う。
一番おもろかったのは親父さんの体内のシーン。昭和レトロで血管はゴミだらけ、うんこを我慢する筋肉はラグビー部。最高や!と思いつつ、自分の体内もたいして変わらないはず…。今夜はちょっとお酒減らそうかな…。