この時期の公開でよかったね。

吉沢亮主演の吸血鬼コメディ。もともと2月公開だったのに、年末に吉沢君が微妙な不祥事で公開延期。そのあとあの「国宝」での好演で一気に株をあげたあとだから、ちょっと期待して見に行った。吉沢君は悪くないよ、でも仕事選んだら?漫画に目くじら立てるなと言われたらそれまでだけど、ひど過ぎる。作品の中で当たり前のこととして通ってる「森さんのブレないヴァンパイア設定」ってなんや。森さんの周りの気持ち悪いキャラクターたちの設定も、物語の展開も「漫画だから」というならば漫画を馬鹿にしていると思う。これの人気があって、映画化までされる日本の若者世界に…そんなこと言ってるからおじい扱いされるんだけど。

なんか、ちょっと寂しかった。

浅草キッドの水道橋博士が3年前の参院選に立候補し当選、そのあと鬱病を発症し、議員を辞職するまでのドキュメント。

選挙という日常の中の非日常を追った「選挙ドキュメント」はこれまで何本か見てきた。テレビや街頭演説では出てこない候補者の人間味や、周りの人たちの苦労、選挙という戦いにチームで挑む感じが好きだし、今回もその部分はあった。でも今回は主役が芸人として尊敬する博士だったのだ。最近でこそあまりやらないが、漫才師としてはたけし軍団の最高傑作だと思うし、文章での切り口・切れ味も抜群で、著書も何冊も持っている。そんな博士がどこをどうかけちがえたのか?芸人としてのキャリアを投げ捨てて、政治家に立候補。師匠のたけしさんを誰よりも尊敬し、くだらないことに真剣に取り組んできた数十年の芸人人生と天秤にかけるほど魅力的な仕事に見えたんだろうか?画面の中でどんどん面白くなくなっていき、当選した挙句、バランスが取れなくなって鬱病を発症。奥様はこれも一つの経験で、それを踏まえてできることがあるって言ってたけど、この色眼鏡は芸人としては相当厳しいと思う。到底理解できない政治の魅力そして魔力の奥深さにおののくばかりだ。

家に帰って、素麵を食べたくなった。

オダギリジョー主演・プロデュース、舞台作品の映画化。息子と仕事、そして家族を失い、茫然としている中年男と、そこに一緒に住むことになった姪。暑くてカラカラの長崎の夏を舞台に、愛を失い心がカラカラな人たちが絡み合って…という物語だ。オダギリジョーも高石あかりも薄暗く、ジメジメした坂の上の家以外に居場所はなく、毎日を惰性で過ごす。ラスト前、象徴的に雨が降る以外は何も起こらない。そう、大概の人の人生だってそんなもののはず。スーパーヒーローも絶世の美女も、革命的におもろい事件もおこらない。そんな自分に重ね合わせ、彼らが小さな潤いを見つけていく姿が心に染みる。ババンバなんとかみたいなガキ映画より、こっちを選んで正解。

ちょっと邪魔な雲が…

コロナ禍で何もできなかった2020年の夏、オンラインでスターキャッチコンテストをやった高校生たちのアオハル物語。自分にとっても悪夢だったあの時代に、人生で一番楽しい時期を過ごさねなければなかった彼ら。アイデアと行動力でこぎつけたスターキャッチはすごく爽快。しかも、全国各地から同じ空を見ているという一体感もよかった。でも余計なパートや不必要な表現も多かったなぁ。もっとシンプルにしたほうがスッキリしたはず。

人間怖え!

ホラー映画は苦手でまず見に行かない。でもこの映画、そんじょそこらのホラーよりよっぽど怖かった。子どものウソを発端にしたサイコパスの母親による殺人教師のでっち上げ。事なかれ主義の学校に強要され、謝罪をしてしまったことで、妄想が事実のように流布し大騒ぎに。人生を壊されかけた綾野剛が、裁判で…という話なんだけど、いろいろスッキリはしないまま終わる。冤罪をあおるだけあおったマスコミの責任は?あの家族はどうなった?そこには匿名の有識者の皆さんは興味ないのね。

オヤジ殺しだわ。

ブラッドピット主演で、F1連盟?が全面協力したという映画。カッコいいといっても還暦過ぎてるブラピに演じさせたのは、90年代に活躍したが、事故で離れていた超ベテランドライバー。昔の友に頼まれ弱小チームに加わったが、時代ややり方は違うし、若い力やスタッフからは腫れ物扱い…。おいおい、何だこの既視感は。そんなマニアではなかったけど、セナやマンセル、シューマッハの時代は深夜のフジテレビをよく見ていたし、職場でのここじゃない感に悩まされている還暦手前には刺さる設定。さらにレーサーは2人ながら若者に勝たせるため、老練なアシストに徹するベテランの味わい。年甲斐なく深海に戻ったり、飛行機にぶら下がらなくていい。これが俺たちが待ってたハリウッド大作だ。

長い夏休みやなぁ…

ヨーロッパ企画の上田くんの脚本による尾道舞台のタイムリープ学園もの。未来からやってきた転校生とのたった20日間の恋。未来に帰らないといけないという彼に、それを小説にすると約束して、大人になって作家になった主人公だけど・・・という設定。はじめはベースになっている大林作品風だけど、途中からどんどん発展し、大騒ぎになっていくのはヨーロッパらしい展開だ。もちろんパラドクス以外の矛盾は散見するけど、伏線を回収していく後半は爆笑の連続。夏祭りのシーンとか最高やった。それにしても20日を30数回ということは2年くらいずーっと夏。さすがにしんどかったんちゃう?

そんなうまく行くか?

大学で知り合った「ぶっ飛び女」と「男前隠れゲイ」の数年にわたる不思議な同棲生活の物語。普通ではない2人が、普通の生活って何よ?って悩みながら支えながら生活していく。どちらにもちっとも共感できなくて、しっくりこない。いろいろ都合よすぎて、魔法はでてこないにしてもファンタジーだなぁと感じてしまった。

そうそう、こういうのが映画のおもろさ!

主人公は「生まれつき、体の痛みを感じない」でもそれ以外は普通のさえない銀行員。でも恋した女性が銀行強盗に人質としてさらわれた…特に強いわけでもないし、賢いわけでもない。でも何をされても痛さは感じない。序盤はそれがあまりうまく表現できていなくてダレていた。痛みは感じないだけで、ちゃんとダメージは受けるからどんどんボロボロになっていく。あそれでも頑張る後半は痛くて目を背けるシーンと爆笑の連続。ちゃんといろんな舞台や小道具もそろってた。プロレスを見る感覚に近かったのかもしれない。でも、心の痛みは感じるみたいだから、最後ああなってよかったね。

余裕がないとね…。

主人公は小学5年生の少女。お父さんは末期のがんで、おかあさんも疲れている。そんなつらい状況でもいろんな経験をして大人になっていく…。絶賛されている鈴木唯ちゃんの演技はたしかに素晴らしいけれど、彼女を取り巻く物語がしんどい状況ばかりなので、今の自分には見ているのがつらい。見る側の状況で全然印象って変わるよね…。