愛機
初めて手にした一眼レフ。ミノルタSRT101、昭和四十年代発売の大衆向け機種。
もちろんプロの写真家にも愛用されたカメラだ。
デジタル時代に今更なのだが、プライベートの撮影はフィルムカメラを使う。
だから、古い機材でも一向に構わない。
ニコンやキヤノンの一眼レフの硬い感触とは異なり、どこか柔らかく女性的である。
しかも、今やフィルムカメラの中古市場は底を打っているからミノルタ製のカメラは安い。
様々あるけど、やはりミノルタの一推しは『SRT101』だ。
製造過程で凝った部品や構造を有していてお洒落』にまとめてある。
本機の後継機である『SR505』は、その視点で眺めると構造やデザインには変化はないのだが、手にしてみると一ランク落ちた製品となってしまった。
ミノルタのカメラ開発が、ニコンやキヤノンに引き離されてゆく前夜の存在でもあるのか。
使用しているレンズはミノルタロッコールMC55mm f1.7。
普通にシャープに写る性能だが、ピントが合焦した周辺の描写が良いレンズだと思う。目で見た記憶通りに写っている。
以前は、それを『空気感』などと表現する言い回しもあった。それも、遠からずだろう。
今や旧式なレンズではあるけど、ポートレートや旅行などのスナップには勝負出来る一本だと思う。
厚岸駅の牡蠣飯
寝台列車『北斗星』が重厚な響きを残して走り去った。
夕方の上野を出発して、夜を駆けて札幌を目指す。
一晩、寝れば北の大地に着く。
以前、仕事を辞めて、明日より朝から何もしない日々が続くと思った夜、ちょうと『北斗星』が入線してきた。
このまま、乗って北海道を放浪しようか…そんな妄想にかられた。まとまったお金もあったから、しばらくは暮らせるだろう。
本気で実行しかけたが、季節は真冬。
東京暮らしの服装では、札幌に降り立った時点で極寒に瞬殺される。
思い止まったが、今に思えば、私は行くべきだった。行って考えれば良かった…と思う。
そんな記憶を辿りながら『北斗星』を見送った後、駅弁売り場を見たら『厚岸の牡蠣飯』があるではないか。
いつ、買う?
…ぇえ、買いましたよ。
あっさりとした醤油味。牡蠣の風味が良かった。
自分で調理した牡蠣しか滅多食べないんだけど、確かに名残の冬を偲んだ。
そして、下ネタ
『STAP細胞はあります』抵抗する意思とは裏腹に、幼い声だった。
しかし、この台詞が脳内転換されてしまい、今や『下ネタ』になり始めている。
まずい…下品すぎる。
先年、日本列島における旧石器時代を巡って発掘偽装事件が発生、偽装被害は東北地方一帯に広がった騒動があった。
一人の調査員が自己保身の目的で、自作自演で石器を埋めていた…新聞社の一大スクープとして話題になった。
それは古代史に多大な悪影響を及ぼしたのだが、私は今回の一件が同様な結末に至らないで欲しいと
願うばかりだ。
もし、細胞がないのならば、それは仕方のないことだろう。
人類史に幾多の失敗や錯誤はある。
ケチな見識や意見で
研究がなされなくなるのが、一番に惜しい。
人の知識とは、森羅万象の真実を追うために用いるものだ。
そういう現世であって欲しい。



