先日、同道公祐(どうみちこうすけ)がPhatSlimNevaehのメンバーらと演奏禁止看板の前で、路上演奏を行い、その動画をTwitterで公開したことで炎上した。経緯としては以下のようなものである。

 

 ・デカデカと書かれた路上演奏禁止看板の前で、これ見よがしに路上演奏。

 ・その後、演奏動画をTwitterにアップロード。

 ・リプライや引用ツイートの批判コメントには一切反応せず。

 ・数日後、動画を消して証拠隠滅。謝罪もせず本件についてダンマリ。

 

 こんなセッションはずっともちょっともしてはいけないのである。今回は本件の問題点と、公序良俗を乱すツイートの炎上のリスクについて解説しよう。

 


1.路上演奏者の実態


 まず、問題点の指摘に入る前に、路上演奏の実態について簡単に説明する。そもそも、路上演奏は法律(道路交通法)では禁止されている。これには理由があって、「通行人の邪魔になる」からである。道路は公共のものであるため、私的に占有してはいけないという考えは容易に理解できるだろう。そして、路上演奏を合法的に行うには、警察に許可を取らなければならないが、殆ど許可がおりないことから、殆どの路上演奏者は許可をとっていないのが実情である。

 

 

 しかし、路上演奏者は警察に見つかり次第、取締まられているわけではない。通行の邪魔にならないこと、それに加えて近隣住民へ音量の配慮していること、通報がないことを勘案し、悪質でなければ警察も黙認している。つまり、路上演奏行為自体はグレーということである。まぁ、これは野島がわざわざ説明しなくても今まで散々語りつくされているので、路上演奏問題を詳しく知りたい場合はにググって各自調べてみてくれ。

 


2.同道公祐の問題行為


 ここからが本題である。前述では路上演奏は違法行為だが、節度を守れば警察から黙認されるため、グレーであると説明した。しかし、本件は演奏禁止とデカデカと書かれた看板の前で、大衆に見せつけるかのように演奏し、それを動画としてインターネット上に公開した。社会に対してなんとも挑戦的ではないか。これは完全にブラック(犯罪行為)としか言いようがない。

 

 

 こうした風潮を是認すれば、行きつく先は倫理崩壊だ。動画の誤ったメッセージを受け取り、「なんだ、やっていいのか。俺もやろ」と勘違いしたアホが続々と続くのである。結果、路上演奏者への警察の締付けも、世間の風当たりも強くなる。演奏許可をとっている、許可はとっていないが節度を守っている路上演奏者にとってこれほど迷惑な話はないだろう。

 


3.不誠実な事後対応


 そして、本件の一番の問題点は謝罪がないことである。実はこの騒動は、かなり早い段階で問題の主旨が変わっている。路上演奏だとか、違法行為だとか、看板がどうとか、そういうフェーズは一瞬で通り過ぎているのだ。だって、同道公祐が悪いことをしているのは明らかなのだから、物議を醸すことすらないのである。

 

 

 本当に問われているのは、自らの過ちを認めることが出来るのか?という大人として備わっていなければならない人間性であり、社会人としての良識である。そして、その回答が証拠隠滅&ダンマリだ。本件自体は「ごめんなさい。目立ちたいがために軽率な行動をとってしまいました。今後は気をつけます。」で済む話である。その程度の話なのだが、その謝罪ができない。つまり、悪いとすら思っていないし、絶対に謝りたくないのである。冒頭での経緯に行動原理を当てはめると以下のように解釈できる。

 

 

 ・デカデカと書かれた路上演奏禁止看板の前で、これ見よがしに路上演奏。

  ⇒俺達は特別な存在なので、違法行為をしても許される。

 

 ・その後、演奏動画をTwitterにアップロード。

  ⇒違法行為をしても許される、特別な俺達を見てほしい。

 

 ・リプライや引用ツイートの批判コメントには一切反応せず。

  ⇒俺達を批判するのは、ただのアンチのため相手にする必要はない。

 

 ・数日後、動画を消して証拠隠滅。謝罪もせず本件についてダンマリ。

  ⇒言われなき批判の相手をするのは面倒だ。Twitterのアホ共はすぐに忘れるから、ツイ消ししとけば問題ない。謝罪の必要はない。なぜなら、俺達は一切悪くないから。

 

 

 何か不都合なことがあれば証拠を握りつぶして、ダンマリ決め込めば解決できるという魂胆がミエミエである。本来は何かしら納得できるよう釈明すれば、大して問題にもならなかったし、誰もが3日経てば忘れてくれていたはずである。しかし、その釈明するチャンスをむざむざドブに捨てている。これは完全に悪手であり、「謝罪もできない信用するに足りない人間」であると自ら証明したようなものである。

 


4.公序良俗を乱す系ツイートの炎上リスク


 現代の一般企業はCSR(企業の社会的責任)や、コンプライアンス(法令順守)の観点から、公序良俗を乱す行為にはかなり五月蝿くなっている。多くの利害関係者が絡む一般企業にとって、法律を犯してミソのついた奴らと関りを持つのはリスクでしかない。

 

 

 音楽家が将来的に大きな展望、可能性を望む場合、広告は必要不可欠である。そして、その広告は一般企業の出資によって成り立っている。つまり、公序良俗を乱す行為は、飛躍の足掛かり、可能性を自ら潰す行為なのである。

 

 

 正直、損するからやめろみたいなアプローチで犯罪抑止について啓蒙したくないのだが、まとめると「公序良俗を乱す系の炎上は本当に誰も得しないのでやめておけ」ということである。また、過ちを犯し、炎上の当事者となってしまった場合は、何がいけなかったかを分析するとともに、速やかな謝罪が重要である。注意しよう。

 

 

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