↑のつづき。


さて、
今回は神社巡りから少し離れて、
『瓢(ヒサゴ)』のお話を。

『瓢』とは「瓢箪(ひょうたん)」のことである。



最近のワタシの愛読書は、
もっぱら『道は阿波より始まる』である。


 

 

その内容を少しずつ咀嚼しながら

深掘りしてみようと思う今日このごろ。


今回は、

『道は阿波より始まる その三』より。



興味深いことが書いてあったので

抜粋してみます。↓


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この島に住みついた海洋民族の源流について

考えてみる事がありました。


天の元山々頂で祀られる神々も龍神、

天御中主命の御神体でさえ

箸蔵寺では「ワニ」として祀られ、

大女王豊玉姫の事を記した

「古事記」の項では

「ワニ」に変身して出産し、

然もその生まれた子供の血脈が

神武天皇になった如く

堂々と記されているのです。


約六千年前程以前に

インドのガンジス川の上流に

「ワニ」より生まれた

「ナーガ族」と云われる民族がいたと

インドでは云われていますが、

この民族がガンジス川の上流で

気候環境の変化が起こったのでしょうか

下流地方に移動をはじめ、

やがてガンジス川の沿岸から消えてしまった

不思議な民族「ナーガ族」に

なんらかの関係があるのではないだろうかな

などと最近思うようになりました。


いづれにせよ「倭国」を支配したのが

海洋民族であった事は

のこされた神事でははっきり

受け継がれ伝えられています。


もっとも大切な即位式

「大嘗祭」はもとより、

天皇に関わりのある神事では

大王、王族は金属を身につけません


中国朝鮮半島の王族は行事の際に

きらきらと輝く金属の冠を

よく用いていますが、

倭王は水に沈む金属は見につけません



水に沈む金物、冠り物などは

大切な神事では身につけることは

タブーにされていました。


また、大王が死すれば

丸木舟にのせて

もがりを行っていました。


「古事記」神功皇后出征の項の中で

天照大御神のお告げでも

「真木の灰を瓢(ヒサゴ)に入れ」とあり、

瓢箪(ひょうたん)が海人族では大切な必需品で、

水を入れ舟に積み、

空(から)になれば

浮き袋の代わりにもなります。


阿波の土俗 阿波踊りでも

腰に瓢箪をつるのも

古代よりの習慣なのです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

抜粋おわり。






ポイントは、

●王族(倭人)のルーツは海人族

●王族は神事で金属はつけない。

 理由は海に沈むから。

●瓢(ひょうたん)は海人族にとって大切。

●阿波踊りでは瓢箪を腰につける。



瓢は海人族の象徴(しるし)、

そして、証(あかし)なのである。



※徳島県の日峰山(山)




雨乞いの儀式

「日本一のひょうたん博士」と呼ばれる
湯浅浩史先生によると、
アフリカやアメリカなど、
干ばつの恐れがある地域では
雨乞いの儀式をする。
そのシャーマン的な儀式には、
瓢箪が用いられているのだそうな。



○ベネズエラのギアナ高地、
サリサリニャーマでは、
水を入れた瓢箪を『トゥクリ』と
呼んでいたようだ。
徳利(トックリ)と酷似した呼び名である。


○イースター島には、
マケマケの神が瓢箪の若い果実の果肉を
こねて人間を創ったという神話がある。


○アメリカで見つかった
約1万年前の瓢箪は、
アジア系のDNAを持っているとのこと。

植物としての瓢箪には系統があって、
アフリカのものとアジアのものとでは、
系統が異なる。

アメリカの先住民
ホピ族の持つ瓢箪のタネを
DNA鑑定すると、
やはりアジア系であったらしい。

湯浅浩史先生曰く、
瓢箪を調べれば、
古代の民族がどのように移動していったかが
わかるのだそうな。



そしてもちろん、日本でも…


例えば、

出雲大社の爪剥祭の神水献供で用いる柄杓は、
生の瓢箪を半円形に切り
の柄を付けたものを使用する。


ちなみに、
湯浅浩史先生は神戸の長田生まれで、
戦争で焼け出されて疎開した先が、
徳島県鳴門市だった😵




伏羲と女媧の洪水伝説

伏羲と女媧は、古代中国の神話に登場する、
人類を創造したとされる
兄妹または夫婦の神。

大昔に天下に大洪水が起きるが、
瓢箪の舟によって二人は生き残り、
人類の始祖となった。

この場合の瓢箪は『ノアの方舟』である。




新羅国

三国史記の新羅本記によると、
新羅の建国時代の重要人物であった
瓠公(ここう)』は、
元々倭人であり、
瓠(ひさご)を腰に下げて
海からやってきたことから、
その名がついたとされている。

また、
初代新羅王『赫居世居西干』の姓
』は「瓠」を意味しており、
瓠公と同一人物か、
または同族とする説もある。

いずれにせよ、
瓠(ひさご)を腰に下げて
 海からやってきた」のは、
倭国の海人族の特徴であり、
神功皇后出征のエピソードや、
阿波踊りなどとも繋がる。


※ちなみに、
神功皇后の諱(イミナ)は
『息長帯比賣(おきながたらしひめ)』。

「息長」とは「海に潜っている息が長い」、
つまり、潜るのが上手な海人族のこと。
古代倭(阿波)出自の海人族である。

また、
「帯(たらし)」とは、
阿波特有の古代からの言葉で、
海の中でつける、身体よりも長い布のこと。

つまり「ふんどし」のことである。



柄杓(ひしゃく)


さてさて、
神社には心身を清めるために
手水舎が設置されている。

そして、手水舎に置いてあるのは、
水を掬うための『柄杓(ひしゃく)』。


現在では、
柄杓は曲物に柄を付けたものが一般的だが、
昔は、瓢箪を加工した柄杓が用いられていた。

一説によると、
「柄杓(ひしゃく)」の由来は、
瓢(ヒサゴ)」が転訛した言葉なのだそうな。

ヒサゴは元は濁らずに「ヒサコ」。

ヒサコ⇒ヒサゴ⇒ヒサク⇒ヒシャク

と、いうワケである。



北斗七星

北斗七星の「斗」は柄杓の形を意味する。


北斗七星は柄杓の形をしているからである。




元伊勢 籠(この)神社

丹後國一宮である籠神社は、
『匏宮(よさのみや)』と称されていた。

「匏(ヨサ)」とは『瓢(ヒサゴ)』のことである。

水筒の役割を果たす瓢は、
上部分を「蔓(ツル)」、
下の水を入れる部分を「甕(カメ)」と呼ぶ。

神社の社名と相まって、
が統べった
『カゴメカゴメ』との繋がりは、
すでに有名な話である。

また、
伊勢神宮外宮の祭神豊受大神は、
元々、籠神社の奥宮の真名井神社に
祀られていたのだそうな。

そして、
「籠神社」という名の由来は、
彦火明命が竹で編んだ籠船に乗り、
海神の宮に行ったという故事によるもの
だと云われている。

代々、宮司を務めているのは
彦火明命の子孫である海部氏

つまり、海人族である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみに、徳島県南部の海部(かいふ)郡は、
海部族の一大拠点だったことを
お忘れなきよう。

また、丹後国の阿波国の繋がりに関しては
参考になります↓


丹後の天女(豊受姫)の伝承が残る

神社には、阿波特有の五角形『地神塚』が

遺されている。




※阿波市の式内社『事代主神社』の地神塚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


丹後國風土記などに残されているように、
豊受大神は、舞い降りた八人の天女の一人。

天の羽衣を隠されて帰れなくなった女神。

他の七人の天女は帰ってしまった。

まるで、
北斗七星と離れた場所で光る
北極星のようだなぁ…と思うのは
ワタシだけだろうか。

※中世の伊勢神道において、
豊受大神が天之御中主神と同一視されたのも、
北極星と北斗七星の位置関係が
関連しているのかもしれない。

ちなみに、
天之御中主神は
神仏習合の際に
北極星の神格化である妙見菩薩と
習合されたのである。

※星田妙見宮


水の女神

宗像三女神の一柱である市杵嶋姫命と
同一視されるのが七福神の『弁才天』。

インドの女神『サラスヴァティー』の
仏教バージョンの名である。

サラスヴァティーとは、
サンスクリット語で
(湖)を持つもの」を意味する。

水の神格を持つ
芸術・学問・知恵の女神。

手に持つのは『琵琶』。

琵琶のルーツは瓢箪

トルコから中央アジアにかけて、
様々な瓢箪の弦楽器がある。

ちなみに、
インドのシタールも瓢箪である。

そして、
奈良県吉野郡天川村の
瓢箪のような形の琵琶山の上に、
天河大辨財天社が鎮座している。



日本書紀

日本の文献に瓢箪が現れたのは
西暦720年に成立した『日本書紀』。

仁徳天皇11年、
茨田堤を築く際、
水神へ人身御供として捧げられそうになった
茨田連衫子なる人物が、
瓢箪を使った頓智で難を逃れた。

水神と瓢箪。

やはり、瓢箪と水は密接な関わりを持つ。



瓢箪のは…


さてさて、まだまだ瓢箪の逸話は
日本どころか世界中に存在する。

このお話の着地をどうするか
と、いうことだが、

もうすでにおわかりの通り、

瓢箪(ヒョウタン)はもともと、
一文字で瓢箪を表す「瓢(ヒサゴ)」が
用いられていた。

では、瓢箪の『』はなにかというと、

箪』は元々、
ご飯などを盛り付ける器の意味であり、
それは、を編んだ だった❗

食事の時間、
で飲み物を飲み、で食べ物を食べていた。

それがワンセットで語られるうち、
いつしかは、『瓢箪』と
呼ばれるようになったのである。


つまり、瓢箪という言葉は、
食物を司る名称だった❗




日本神話において、食物の神と言えば、

トヨウケヒメ
ウカノミタマ
ウケモチノカミ
オオゲツヒメ

上記の四柱は、同一視されている…



まとめ

と、いうことでキーワードを並べてみる。


瓢(ヒサゴ、ひょうたん) ⇒匏の宮
箪(竹を編んだ籠) ⇒籠神社
(瓢箪の上が、下が) ⇒カゴメカゴメ
海人族 ⇒海部家
北斗七星 ⇒七人の天女
北極星 ⇒トヨウケヒメ(天之御中主)
食物 ⇒トヨウケヒメ、オオゲツヒメ等


~~~~~~~~~~~~~~~~~~
伊勢神道の根本経典と言われる
『神道五部書』の
『豊受皇太神御鎮座本記』には
こう記述されている。

天村雲命伊勢大神主上祖也。
神皇産霊神六世之孫也。
阿波國麻植郡座忌部神社、
天村雲神社、
二座是也

つまり、豊受大神は阿波から還座された。

※天村雲神社

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

と、いうワケで
阿波の祖神『オオゲツヒメ』と
同一視されている伊勢神宮外宮の神
『トヨウケヒメ』は四国の神であり、
倭(阿波)がやってきたことがわかる。


また、
三重県伊勢市の伊勢神宮外宮の
敷地にある山域の総称「高倉山」。

その山域で最高峰の山は、
『日鷲山』である❗

天日鷲命は阿波忌部の祖神



人形劇

さてさて、
瓢箪といえば、
人形劇『ひょっこりひょうたん島』。

その島のモデルは好評されておらず
諸説あるのだが、
そのうちのひとつが、
瀬戸内海に浮かぶ無人島。
広島県と愛媛県の県境にある『瓢箪島』。

※Google Mapより

位置的には、
広島県の生口島と愛媛県の大三島との
中間に位置する。


また、
『ひょっこりひょうたん島』の
物語の設定として、

なんとこの人形劇の登場人物たちは、
実は「死んだ子供たちによる物語」。



そして、作中には
「霊場物語」(四国八十八箇所)も
登場するのである。


さらに、
四国自体の形も、
真ん中が窪んでおり
瓢箪に見えなくもない。

※Google Mapより

ひょっこりひょうたん島には
暗号が隠されていたのである。




最後に、

瓢(ヒサゴ)』を数字で表すと…

135(ヒサゴ)』、



言い変えると…




『135(ヒミコ)』❗


そして、豊受姫は『台与(壱与)』❗


瓢箪島があるのは愛媛県、

『伊予(イヨ)国』なのだ。





瓢箪にはとんでもない暗号が
隠されていた。

※伊豫神社(祭神 月読尊 愛比売命)




だから、ワタシは登りたいのです。


『剣山(鶴亀山)』に❗

剣山の山頂から南西方面にある山は
『次郎笈(じろうぎゅう)』と呼ばれ、
剣山は別名『太郎笈』である。

「笈(ぎゅう)」とは、
修験者などが仏具や衣服等を入れて
背負う箱のことで
「竹で編んだ籠」のこと。


大切なモノを入れてあるのだ。


つづく。


ではまた❗



●オマケ

実は、
中央がくびれて上部と下部に
丸いふくらみのある独特の
「ひょうたん型」の形は
突然変異なのだそうな。

瓢箪が各地の人類創造神話に
登場するワケは、
『瓢箪』も『人間』も
突然変異した生き物ですよー

という真実を暗に示しているのかもしれない…


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