大阪市内で心理カウンセラーしておりますノジと申します。
不登校になった子供が学校に復帰する!
そのために親ができることはたくさんあります。
その中で最も優先的に意識しなければならないことは「子供が復帰に向かう動きを邪魔しないこと」です。
「子供が復帰に向かう動きを邪魔する!?そんなことは間違ってもしない!」
そう思う親御さんも多いと思いますが、これは単純な話ではありません。
邪魔するつもりはなくても無意識で邪魔してしまっている親御さんが非常に多く、そのことが子供の学校復帰を妨げているケースが大変多いのです。
子供は何らかの形で学校復帰に向けて動き出す
あえて極端に言えば、子供は放っておいても学校復帰に向かいます。
どんな不登校の子供でも「学校に行かないより行ったほうがいい」と頭ではわかっていますから、子供は何らかの形で学校復帰に向けて動き出すのです。
もちろん学校を完全に拒絶している子供もいますが、そういう子供でも学校復帰に向かう可能性がゼロになっているわけではありません。
子供の心は些細なことがきっかけで大きく変わります。その「些細なこと」が起きたとき、今まで学校を完全に拒絶していた子供が学校を肯定し始め、そこから学校復帰に向けて動き出すケースはよくあることです。
ですから、極端に言えば、親が子供のことを放っておいても子供は学校復帰に向かうものなのです。
ところが、大半の親御さんは子供を放っておくことができません。不登校の我が子のことが心配で心配で、余計な口出しをしたり、余計なことをやってしまったりします。
だから放っておけば自然と学校復帰に向かうはずの子供が、逆に学校復帰に向かわなくなるのです。
こうして、親が子供のサポートをしようとすればするほどそれが“邪魔”になり、子供の状態が悪化し、不登校が長期化に向かう悲劇が起きてしまいます。
なぜ、多くの親が我が子の不登校を悪化させてしまうのか? 長期化させてしまうのか?
その原因の一端がお分かりいただけたでしょう。
多くの親御さんは子供が学校復帰に自然に向かう動きを無意識に邪魔しているのです。
親の発言が子供の主体的な動きの邪魔になる可能性
もう少し具体的に説明しますね。
例えば、学校に行かなくなってから一ヶ月以上経っている子供が、こんなことを考えていたとします。
「そろそろ学校に行かないとなぁ」
その思考から「学校に行けるようになるためにどうすればいいんだろう?」「朝起きれるようになるために何をどう変えればいいんだろう?」……などと思考が広がっているとしましょう。
その場合、親が子供のことを(良い意味で)放っておいたら、子供は学校復帰に向けて動いていますよね。
しかしそこで、親がこんなことを子供に言ったらどうなるでしょうか?
「学校のこと、どう考えてるの?」
この言葉に対する子供の反応は、その子によって異なるでしょう。学校に関して考えていることを素直に話してくれる子供もいるでしょうし、なんだか問い詰められているように感じてイライラしながら「わかんない」と答える子供もいるはずです。
その反応は一様ではなくバラバラ。
それは子供の置かれた状況も個性も様々なので当然のことです。
ただ、明らかに言えることは、親の発言が子供の主体的な動きの邪魔になる“可能性”があること。
そしてその可能性が高い、ということです。
どうして邪魔になる可能性が高いのか?
理由は2つあります。
1つは、子供自身が不登校という出来事に直面し、センシティブになっている可能性が高いから。
もう1つは、不登校になった直後に親子間の信頼関係にヒビが入っているケースが多いからです。
自分自身が不登校になったという出来事は、子供にとってショックの大きい出来事です。
すごく大きなショックを受けたとき、人は感情が揺れやすくなりますよね。
感情が揺れやすい状態だと、周りの人たちの発言や行動に過敏になります。
ですから、不登校によって大きなショックを受け、不安定な感情で周囲の人たちの発言や行動に過敏になっている不登校の子供は、親のさりげない一言にも過剰に反応し、結果として親の発言が“邪魔”になってしまう可能性が高いのです。
それに加え、不登校の子供の多くは不登校になった直後に親に対する不信感のようなものを強めてしまっています。
「学校に行かなくなった頃、親は『学校に行け』と言うばかりで自分の気持ちをわかってくれなかった……。自分(子供)の話をよく聴いてくれなかった……。親の価値観を押し付けてくるばかりだった……」
こんな気持ちが生じていて、次のようなイメージが出来上がっています。
親=子供の気持ちをわかってくれない人
親=親の理想に当てはめるように子供を動かそうとする人
親=学校に行かない選択肢を理解できない人
ですから、親が何かを言うとそれを悪く取られる可能性が高く、結果、親の発言が“邪魔”になる可能性が高いです。
今、これを読んでいるあなたは目が覚めたはずです
大半の親御さんは、自分のサポートが邪魔になっているなどとは思っていません。むしろ子供の力になれているはずだと信じていて、その盲信が子供の状態をどんどん悪化に向かっているのです。
今これを読んでいるあなたは、目が覚めたはずです。
「今まで自分がサポートだと信じてやってきたことは、実は子供の邪魔になっていただけなのかもしれない」
そんなふうに考えられるようになったはずです。(=思考が柔軟になったはず)
その柔軟な頭をキープしながら、今後は子供の邪魔をしないように極力気をつけてみてください。
その意識を持つだけでも、子供の状態が良くなる可能性がぐんと高まります。
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経歴
西淀川特別支援学校卒業後、 自立生活支援センター等で二年間支援業務に従事
財団法人 関西カウンセリングセンターにて上級心理カウンセラー取得
そして現在はいじめ問題等抱える中高生のメンタルサポート等にも力を注いでいる。
フリースクール等での傾聴ボランティア。
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ノジ