ラズFIP発症
去年春生まれで保護された、
真っ白姉妹のラズ&ベル。
ちょうど1歳になったばかり。
(オッドアイがラズ)
ラズは保護時パルボを発症し、
命も危うい状態から見事に完治し、
無事成猫になることが出来ました。
パルボになって生き残る可能性は
およそ5分の1と言われていますが、
完治した後には一生涯抗体を持つとも
言われています。
奇跡を見せてくれたラズちゃんですが、
6月に高熱と酷いふらつきの症状が出て
病院で検査を受けたところ、
ドライタイプ(神経症状が出る)
FIPの可能性が高いとの診断を受けました。
せっかくパルボをやっつけたのに…。
FIPこそ、不治の病と言われています。
近年、診断・治療をする
獣医さんも増え、治せる病気として
認識されてきていますが、
未だに100パーセントの治療法は
確立されてはいません。
FIPについては、
拓也♂、ゆうひのブログ
すず︎︎ ♀のブログでも
触れています。
シト♂、ゆうひ♂は
すんなりワンクールの投薬を終え
すっかり元気なため、あまり
記録していませんでした💦
シェルターではこれまでに、
4匹のFIP治療を試みました。
拓也♂
(FIP発症前にカリシ発症と酷い結膜炎)
ゆうひ♂
(FIP発症前に結膜炎と風邪症状)
シト♂
(FIP治療中傷からの感染、足が腫れる)
(FIP発症前、一時的な広範囲の脱毛、
カリシも発症)
すず︎︎ ♀
もとは野良猫で、神経症状で
歩けなくなったところを
保護されました。
※それぞれFIP発症前に見られた異常も
記していますが、それが
FIPに関与するかは分かりません。
あくまで主観ですが、
体質が弱い?免疫の低下?のような
症状が共通しているような気がします。
…
保護したばかりで環境が変わり
ストレスで体調を崩すことも考えられるので
一概には言えませんねm(_ _)m
治療の成果
↓↓↓
拓也とすずは残念ながら、
治療の甲斐なく、、亡くなりました。
拓也はウェットタイプ(腹水が溜まる)
とドライタイプ(神経症状)の複合型。
神経症状の特徴としては、暗いところでも
瞳孔が細いままになっていました。
投薬は長期に及びます。
ワンクール84日間。
再発しなければ完治、
再発すれば追加投与します。
拓也は投薬後みるみる熱やら
食欲などが回復したように思えました。
途中、他の猫たちと遊びだすほど
元気な姿を見せてくれましたが、
投薬開始2週間ほどで停滞。
そこからはどんどん病状が悪化し、
衰弱し、亡くなりました。
すずは、ドライタイプ。
腹水はなく、手足がこわばり
歩行困難が続きました。
保護主さん宅でワンクール84日間投薬し
順調に回復していたため
投薬を中止したところ、症状が再発。
シェルターで引き取ることになり、
ツークール目投与を始めましたが、
歩けないまま少しづつ衰弱し
亡くなりました。
一方、完治したゆうひ、シトは
どちらもウェットタイプ。
神経症状はありませんでした。
完治した2匹の共通点としては、
とても食欲があったことです。
発熱や、腹水があるにもかかわらず
毎日よく食べていました。
投薬の副作用で
便が緩くなることはありましたが、
薬もペロリと綺麗に舐めとってくれたので
投薬に苦戦することがありませんでした。
2匹ともワンクール投薬を終え、
それぞれ、ゆうひは2年以上、
シトは1年3ヶ月、再発はなく
元気に暮らしています。
これまでで、シェルターでのFIP治療は
2勝2敗、といった結果になっています。
ラズは、シェルターで治療する
FIP事例としては5匹目。
腹水はなく、ドライタイプ。
現在、投薬25日目。
投薬を始め、ふらつきと食欲不振、
発熱はなくなりました。
(FIP発症前、首周りを掻き壊す)
(FIP発覚時、結膜炎も起こしていた)
もともと栄養失調で保護したこともあり
パルボの治療中も食欲がなく、
子宮の発育不全や、後足のもつれ
(モンローウォーク)、
高いところに昇れず失敗しやすい、
などがあり、
体質が心配なところもありますが、
普段通りの元気を取り戻しています。
現在、気になる点としては、
体重が数グラムずつ減っていることです。
よく食べていますが、減っていく傾向。
そして、姉妹のベルも
7月頭と中旬に40度の発熱、、、
消炎剤と解熱剤で落ち着きましたが
要観察です。
今後もFIPの治療の様子と、
症例の記録をしていきますので
応援してくださると嬉しいです。
👑
このように、
西那須野いぬねこ里親会では、
FIPの治療にも積極的に取り組んでいます。
(代表は獣医です。)
TNRはもちろん、
FIPの治療についてのご相談、
また、診断のある場合の
治療薬の処方も受け付けております。
(診断ができても、薬の在庫を
置いていない病院も多いので…)
気になる方は
お問い合わせフォーム、または
お電話にて、ご相談ください。
猫たちをご自身の手で助けたい方の
お力になれれば幸いです。
木下