あらゆる人間の社会活動は、
気分に支配されているといって過言ではありません。
気分が悪ければ、仕事も上手くいかず、
対人関係にも何かと支障を来します
反対に、気分が良ければ、元気や意欲が湧き、
仕事も対人関係も上手くこなせるばかりか、
ミスや失敗をしても凹たれなくなります
人間の幸せは、まさに気分次第といって過言ではありません。
幸せになりたければ、気分を良くする事が、
何より先決となるはずです。
今回は、人体の仕組みから気分について考えてみたいと思います。
人間の気分が、日照時間によって変化する事は、
前回の記事で既に述べました。
そもそも、あらゆる人間の活動は、
太陽と地球の位置と角度を元にした
季節と昼夜のサイクルによって支配されています
同様に、このサイクルを元にして
人体の生態リズムが定められているのです。
以上は、人間が効率的な生存と繁殖を果たせるように
予め脳に具わった自動機能と呼べるものです。
これを、我々が直にコントロールする事は出来ませんが、
ある程度の影響を与える事ならば出来ます。
日光は、人間の覚醒と睡眠を促すスイッチとなります。
朝日で目が覚め、暗くなって眠くなるのは、そのためですね。
また、人間の気分が、夏季に高揚し、冬季に沈静化するのは、
日照時間と気温の違いによります。
夏は元気が出ますが、逆に眠れなくなりますよね。
冬は元気が出ないけど、よく眠れます
いずれも、日光と気温(体温)が影響しているのです。
人体の活動を実地に管理しているのが自律神経です。
自律神経は、活動を司る交感神経と
休息を促す副交感神経の2つに分かれています。
交感神経には、元気と体温を高める効果、
副交感神経には、気分を沈静化して、
熱量の放出を抑える作用があります。
いずれも、季節と昼夜で作用が変化し、
気分のサイクルに大きな影響を与えている訳です。
夏季や日中に元気や意欲が出るのも、
冬季や夜は休みたくなって眠くなるのも、
自然の営みなので、我々にはどうにもなりません。
得てして、夜になると何事も面倒くさくなり、
物事を悲観的に考えたりしますが、誰だって同じです
冬に気分が沈むのも当たり前であり、
何も自分が悪い訳ではありません。
問題なのは、夏季や日中なのに元気や意欲が沸かず、
気分が沈むケースです
多くの要因は、生活リズムと自律神経の乱れにあります。
その状態が続くと、何をやっても上手くいかなくなり、
生きる希望がなくなる恐れがあるので、早々と対策を練るべきです。
日中に交感神経が活性化し、夜間に副交感神経が優位になるのは、
誰もが持つ共通の傾向ですが、
両者のバランスや強度には、大きな個人差があります。
それは、生活パターンと心理傾向(性格)が人それぞれ違うからです。
自律神経と性格は、互いに影響を与え合う関係にあります。
つまり、アクティブな生活を送る人は
交感神経の影響で、活発な性格となり、
また、活発な性格の人は交感神経が優位になり、
生活も活動的になる訳です
活動的な生活を送る人(交感神経活発なタイプ)は、
体も心もイキイキして、性格も明るくなります。
ただ、緊張やストレスに晒される事が多くなるので、
人によっては幸せ感が薄いかも知れません
日々、交感神経が優位にある人には、
以下のような思わしくない傾向もあります
・気性が荒い(攻撃的)
・感情的(怒る、泣く)
・せっかちで慌てん坊
・競争意識が高い(負けず嫌い)
・空気が読めない
以上には、「頑張り過ぎる」、「利益や効率を優先し過ぎる」、
「自分と他人を比べてばかりいる」、
…などの個人的な価値観や人格的な癖も関わっています。
恐らく、該当される方は、かなり多いのではないでしょうか
一方、副交感神経が優位にある方には、
以下のような傾向があります
・平和主義
・気が長い
・のんびり屋でマイペース
・欲(意欲)がない
何だか、近年の草食系男子みたいですね。
このタイプは、周囲と衝突しにくく、
個人的なストレスも溜まりにくいので、
それなりに幸せだと思います
ただ、下手をすると、行動力が乏しくなり、
人生が無味乾燥で退屈なものになってしまうかも知れません。
行動力がないと頭脳も活性化しない(育たない)ので、
将来的に認知症になるリスクも高まります
自律神経には適度なバランスがあります。
交感神経が過剰に働くと、精神の攻撃性が強まり、
感情的になり、思考力が鈍るなど、ロクな事がありません
結果、物事が思い通りにいかず、ストレスが溜まり、
また交感神経が過剰になる…、という悪循環になってしまいます。
そんな状態が続けば、行動も性格も荒くなり、
周囲との対人関係も上手くいかなくなるでしょう。
交感神経には、その活動を高めるスイッチが色々とあります。
以下に挙げてみましょう
・速く動く
・気持ちを急がせる(慌てる、焦る)
・緊張する(不安や恐怖)
・興奮する(怒る)
・他人に敵意を抱く
・体が冷える
・酸欠になる
以上に気を付ければ、
交感神経過剰の害悪を防ぐ事が出来るはずです。
また、交感神経は、副交感神経の活性化によって、
活動を抑える事も出来ます。
副交感神経のスイッチは以下の通りです
・動作のスピードを落とす(ゆっくり動く)
・酸素を増やす(深呼吸する)
・体を温める
逆に副交感神経が過剰な人(元気や意欲がない)は、
「体を動かす」、「動作を速める」、「冷水を浴びる」などで、
交感神経を高めればいいでしょう。
具体的には、スポーツや肉体のトレーニングが最適だと思います。
また、交感神経は、単に五感を刺激するだけでも高まるので、
外出したり、趣味や軽作業に打ち込むのも効果的です
人間にとって、自律神経の安定は、
あらゆる面で大きな課題になってくるはずです。
日常を良い気分で過ごしたいのであれば、
交感神経の暴走に気を付けてください。
自律神経のバランスを整えれば、
気分も生活も、人生全てが快適になるはずです