ビニール袋は、ほぼ全てビニール製ではない
野菜ソムリエ中級(現在の野菜ソムリエプロ)講座で、
エビデンスという言葉を習いました。データに基づく根拠や論拠という意味です。
曖昧な情報や個人の体験談はエビデンスにはなりません。
さてタイトルのビニール袋についてですが、
一般的にビニール袋と呼ばれる取っ手付きの袋・いわゆる手提げや、
ごみ袋、小松菜等の野菜が入っている袋などは、何でできているのでしょうか。
ひとつ言えるのは、「ビニール製ではない」ことだけは確かです。
総じて「ポリ袋」と呼べばOK
手提げの原料は主にハイデンポリエチレン(高密度ポリエチレン、HDPE)、
ごみ袋もHDPEが多いです。
ホウレン草や小松菜が入っているパリパリした透明度の高い袋は
2軸延伸ポリプロピレン(OPP)です。
というわけで、ポリ袋と呼べばOKです。
「ポリ」はギリシャ語で「たくさん」という意味で、
エチレンやプロピレンの分子がたくさんつながっているということを表しています。
ビニールとポリエチレンではフィルム成形方法が全く違ってきますが、
それはいずれ「農業用ハウスの被覆資材・農ビと農PO」にて触れたいと思います。
青年部主任流 食レポの書き方
現在私は、4年以上続いたベジフルインフォネットの終了を残念に思い、
メルマガ・ブログを継続し皆様のお役に立てる情報を発信し続けていきたい一心で
文章を書いています。
さて文章の中でいちばん書きやすく見られやすいのは、「食レポ」ではないでしょうか。
SNSでも気軽に投稿しやすいジャンルです。
美味しそうな写真を添えて「美味しかったです」と食べた感想を書けばいい、
と皆様はお考えのことでしょう。それでもいいのですが、
日本野菜ソムリエ協会の福井理事長は自著で
「(野菜ソムリエは)おいしいという言葉を使わずに、おいしさを伝える」
と書いています。
野菜ソムリエ的には、どんな美味しさだったのかをわかりやすく伝える必要があるのです。
私は個人的に12年にわたり食レポ中心のブログを書いていましたが、
そこで得た経験をもとに、皆様に書き方の一端をお伝えしたいと思います。
(写真はイメージです)
① 季節感、自分の状況
窓の外、隣のテーブルの客の会話や、自分のおかれた状況を書いてみましょう。
歩道がイチョウの葉で黄色に染まる、昼時を過ぎて空腹が激しい・・・それだけで十分です。
また店内BGMと自分の気持ちの同調を書いてもいいでしょう。
曲の転調のたびに自分の箸のピッチが上がった、
ゴスペルのライブ音源が流れていて満腹感とともに心まで晴れやかになった、などなど。
② 見た目を伝える (視覚)
総合的な味覚において、視覚情報は9割といわれています。
素材の色、つや、形、大きさ、食器の形、大きさ、模様。
いろんな情報の中から取捨選択して、とりわけ特徴的なことを書きます。
賑やかな伊万里焼の器に鎮座する麩やしいたけの煮しめ、
赤ちゃんの握りこぶし程度の大きさの小木ビオレー、などなど。
③ 触感、擬音 (触覚、聴覚)
「ザリッ」「ふわん」等、舌や歯で感じた触感や音を、思い切って言語化してみましょう。
シズル感が演出され、読者が文章により一層入りやすくなります。
ありきたりなものでもいいですが、オリジナリティを入れてみましょう。
もぬん、ずろずろろ、こきゅっ、耳は口よりもよく食べます。
④ 味には触れなくていい
ここまで書けば、五感のひとつである味覚には一切触れなくても
十分な文章量が確保できていますので、これで終わっても問題ありません。
添付された写真や個々人の人生経験で得た情報により、
読者はだいたいの味は想像できます。
よほどの濃い味・薄い味を強調するのでなければ、想像どおりの結果を書くのは野暮で、
文章の質を落としかねないと私は考えています。
味には触れなくてもいいですが、食後どんな気分になったか、
満たされてどんな状態になったかは、ぜひ書いてください。
以上、クセが強いかもしれませんがが、
皆さんの「美味しさを伝える力」の一助になれば幸いです。
(野菜ソムリエプロ 青年部主任 本間)