NICCO@マラウィ~国際協力日記/アフリカ編 -世界をフィールドに~ -6ページ目

マラウイの現地スタッフの話【その2】

4月よりアフリカ・マラウイに派遣されているスタッフ・杉尾の
ンコタコタ記・その4をお送りします!(毎週火曜・金曜更新!)


事業地(村)からの帰り道。
青々と生い茂る木々に今にも埋もれてしまいそうなガタガタ道を車で帰っていると、
スタッフが車からポイッとペットボトルを捨てた。
「ポイ捨てする人は好きじゃない」と笑いながらも怒ってみると、
「あのペットボトルを拾って使う人がいる。ペットボトルを欲しがる人は多いから、
マラウイでは問題ないんだよ。自分は良いことをしているんだ。」と返された。
なるほど確かに、村を訪問すると、「ペットボトルをちょうだい」とねだる子どももいる。
これぞ、リサイクルというものか、異文化に戸惑う私がいる。

グルグル

4月よりアフリカ・マラウイに派遣されているスタッフ・杉尾の
ンコタコタ記・その3をお送りします!(毎週火曜・金曜更新!)


マラウイの現地スタッフの話。

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マラウイの問題は、「産業がないこと。」だから、人々はお金がない。人々にお金がないから、適切な教育が受けられない。教育が受けられないから、家族計画もなされず、どこの家庭にもたくさんの子どもがいる。たくさん子どもがいるから、やっぱり貧しいままで、病気や飢餓が蔓延する。

「何が問題かそこまでよくわかっているなら、マラウイの中から良くしていこうという人はいないの?」という私の問いかけに、
「マラウイを良くしようと政府で勤める人もいる。でもお給料も待遇もいいから、働いているうちになぜ政府で勤め始めたのかその志を忘れ、貧しい人のことを振り返らなくなる人が多い。」との答えが返ってきた。

グルグル回るマラウイの問題。いったい、どこで歯止めがかけられるのか。聞けば聞くほど、知れば知るほど、途方にくれそうになる。

Problem

4月よりアフリカ・マラウイに派遣されているスタッフ・杉尾の
ンコタコタ記・その2をお送りします!(毎週火曜・金曜更新!)


勤務二日目。
エコサントイレに屋根をつけ、完成させる予定のこの日、張り切って起きたが、
土砂降りの雨に出鼻をくじかれた気分になった。

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さらに、エコサントイレの屋根をつけるぞ!と
同じくやる気を見せていたインターン生が来ない。
それでもめげずに、とりあえず必要な資材を探してみると、
見つかったのは壊れたトンカチだけ。
“We have a problem.” 「まずはトンカチを探そう。」

心を折ってなるものかと、鳥の鳴き声や自然の音に耳を傾けひと呼吸し、
釘を買ってトンカチ探索に出発すると、しばらくたってからドライバーが、
「あれ?そういえば、車の中に・・・」とトンカチを発見。(早く言ってよ!)

トンカチと釘を携えようやくエコサントイレの建設現場に到着すると、
ビルダーが近所の人から釘を借り、
すでにエコサントイレの屋根の装着は完了していた。
(えー)

振り回される私のやる気は、これからどこへ向かうのだろう。

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アフリカ到着

4月よりアフリカ・マラウイに派遣されているスタッフ・杉尾の
ンコタコタ記・その1をお送りします!(毎週金曜更新!)


ケニア・ナイロビ空港でのトランジット。

約9時間の待ち時間に、早速何かおなかに入れようと野外フードコート(お店は1軒のみ)に立ち寄った。けだるそうに新聞から顔を上げ、わざとゆっくり歩いているのでは?と思うほど、のそのそとレジに向かう女性からキッシュとダイエットコークを買い、とにかくがっついた。

すると、ズカズカとすごい勢いでテーブルの下をモップがけする掃除担当の女性。さらに、突如現れ、断りもなく同じテーブルに座り話しかけてくる男性。人の気持ちなんてお構いなしすぎる登場人物たちに、とにかく心の笑いが止まらない。


そして、ようやく到着したマラウイ。
京都本部を午後7時過ぎに出発しドーハとケニアを経由して、夜中の12時過ぎに、マラウイの首都・リロングウェ空港に降り立った。合計20時間におよぶ長旅の後、リロングウェで一泊し、翌日の夕方、NICCO事業地のンコタコタに到着した。


NICCO@マラウィ~国際協力日記/アフリカ編 -世界をフィールドに~

事業地までの約3時間半のドライブの中、照りつける太陽と輝かしい緑に感動を覚えながらも、視力の良いマラウィアンたちが車の窓越しに投げかけてくる、刺すような視線が気になった。好意的に手を振る子どもたち、大人たち、「なんだこいつ」と言わんばかりににらみつけてくる若もの。車に乗っているだけでも流れ込んでくる彼らの感情を、私はどのように受け止め消化していくのか。これから待ち受けている全てのことに、ワクワクする。
マラウイでの日々は、乞うご期待。

「ンコタコタ事務所奮闘記」-母子保健事業編(3)-

NICCOンコタコタ事務所に勤務する助産師の疋田です。

「ンコタコタ事務所奮闘記」も今回で3話目。やっと(?)自分の中で定着してきたような感じがします。(笑)奮闘したくなくてもせざるを得ないここマラウィでのプロジェクト。それでは、今日も聞いてくださいな、私の苦労話。

「伝統的産婆の新しい役割」ができたことに伴い、TBA(伝統的産婆のこと。要はお産婆さんです。)による分娩介助は禁止されましたが、今度はTBAの持っている知識や経験を活かすため、また、妊婦さんへの教育を徹底することで妊娠中の異常を減らすため、母親学級を開催することにしました。
とは言っても、TBAの現在持っている知識では、政府のお役人さんや助産師等の医療関係者を納得させるだけのクラスを開催することは到底できないため、まずは徹底的に(?)TBAを教育することにしました。また、母親学級を監督してもらうため、ヘルスセンターに勤務するHSA(保健調査員)も一緒に教育することにしました。

妊娠初期・中期・後期に分けて妊婦管理講習会を開催することにしましたが、それぞれの時期の妊婦の身体的、精神的特徴が理解しやすいように、また、わかりやすく、そして楽しく学べるような講習会にしたいと思いました。

講習会の最初と最後に同じ問題を出し、講習会でどれだけきちんと学べたかをテストしようと思ったのですが、TBAのほとんどは文字の読み書きがでません。
「テストに代わる知識を確認する何かいい方法はないだろうか?」と考えた結果、○×クイズなら読み書きができないTBAでも答えられるし、それに、なによりも楽しいのではないかと思い、○×クイズを実施することにしました。

早速、○×クイズ用の札を参加者14人分作ることにしたのですが、そうは言ってもここはマラウィ。買いたくても物が売ってない!日本だったら、画用紙やセロハンテープ、のりといった文房具類がどこでも簡単に手に入りますが、私が住んでいるンコタコタは首都から遠く離れた田舎町なので、物を手に入れようと思ってもそう簡単にはいきません。

結局、「画用紙は100枚単位でしか売れない。」と言われたので、仕方なく1袋(100枚入り)を購入し、セロハンテープの代わりにマスキングテープを使用し、札の持ち手は自転車のスポーク(タイヤのフレームの中にたくさん入っている細い棒です。)を使用することにしました。

どんなものでも、近くにあるものを代用するのは、マラウィアンの得意中の得意分野。
私もなんだかんだでマラウィアンになりつつあるような気がします・・・。

講習会終了後に○×クイズを実施しているところ
$NICCO@マラウィ~国際協力日記/アフリカ編 -世界をフィールドに~

つづく