「マラウィ食紀行」-パンプキン編-
NICCOンコタコタ事務所の疋田です。
約2週間前、いつものようにマーケットを歩いていた時、
今まで見かけたことがない新しい野菜に出会いました。
「見た目はカボチャのように見えなくもないけど、
細長い物もあるし、一体何だろう?」
お店の人に尋ねると、
「パンプキンだよ」と。
やっぱりカボチャだったのか。
「どうやって食べるの?」
マラウィではどう料理するのかわからなかったため聞いてみたが、
英語が全く通じない。
その辺を歩いている人をつかまえて、通訳をお願いした。
「半分にカットして、ボイルする。」
「味付けは?塩?それとも砂糖?」
「何も使わないないけど、自分の国で料理しているようにやればいいんじゃない?」
「えー、ほんとに?だってカボチャの種類が違うよ。皮は食べられるの?」
「皮は食べない。」
「じゃあ、いつ皮は取り除くの?」
「さあ・・・。」
そんなに英語が喋れる人ではなかったため、
ここまでの情報を引き出すのも一苦労。
結局、日本のカボチャと同じように砂糖と醤油で煮てみたが、
若干水っぽかったものの、味はそれほど悪くなかった。
ただ、皮があり得ないほど硬くて食べられなかった。
その約1週間後、今度は日本のカボチャに見た目がそっくりなカボチャを発見。
料理の仕方を聞きだし、1個50クワチャという破格の値段で購入。
家に帰って、早速料理開始。
言われた通り、味付けは何もせず、水だけでゆでてみた。
何も味がしないんじゃないかと心配したが、
カボチャ自体に自然な甘さがあり、結構おいしかった。
でも、やっぱり皮はあり得ないほど硬くて、
スプーンですくって食べなくちゃならなかった。
ここ最近、本当にカボチャを見る機会が増えてきたし、
今が時期なんだろうなと思います。
季節物はやっぱりおいしいし、今の時期にいっぱい食べておかなくちゃ。
「マラウィ食紀行」-茹でピーナツ編-
ブログ:「マラウィ食紀行」-茹でピーナツ編-
NICCOンコタコタ事務所の疋田です。
マラウィは今、収穫の時期です。
本当にたくさんの種類の野菜や果物がマーケットに所狭しと並んでいます。
となると、私の食に対する興味もとどまるところを知らず、
次から次へといろんな野菜や果物を買ってしまいます。
なかでも、最近の私のお気に入りは「茹でピーナツ」。
1盛り10クワチャとかなりお手頃な値段のため、お昼に、おやつにと、
ほぼ毎日のように買っては食べています。
一生分のピーナツを、ここで食べ尽くしているような感じです。(笑)
日本では、ローストしたピーナツが一般的だと思いますが、
マラウィでは茹でピーナツの方が頻繁に見かけます。
もちろん、日本のようにローストした後に塩味を付けたピーナツも売っていますが、
私は茹でピーナツの方が好き。
ピーナツの自然な甘さが出ていて、いくら食べても食べ飽きない。
私がいつも茹でピーナツを食べているのを見た現地スタッフが、
「生のピーナツもマーケットで買えるよ。そっちの方が安いし、
自分で茹でて食べるからおいしいよ。」とアドバイスをくれました。
「えー。生のピーナツなんて売ってるの?知らなかった。どこで買えるの?」
「マーケットの入口に、大きな袋を持った人がいるでしょ。見たことない?」
「あー、そういえば、そんな人がいたかも。今度見かけたら買ってみる。」
早速その日の夕方、マーケットで「生ピーナツ売りのおじさん」
を探してみたが、見つからなかった。
「今日はもう売り切れだって。」
「そうなんだ。残念・・・。」
週末、今度は昼間に「生ピーナツ売りのおじさん」を探してみた。
「バケツ1杯550クワチャ!」
10リットルバケツからあふれんばかりの生ピーナツを、
たくさんの人が並んで買っていた。
みんな、これを茹でてマーケットで売る人たちばかり。
私は家で食べるだけだから、こんなにいらないんだけどな・・・。
「4分の1でいいんだけど、買える?。」
4分の1とは言っても、すごい量になった。
早速、家に帰って同じ事務所の森さんに大量のピーナツを見せてみた。
「いっぱいあるから、頑張ってピーナツ食べてね。まあ、ウチらが食べきれなくても、
事務所に持っていけばいいし、犬もいるし、大丈夫だね。」
こうしてまた、一生分を超えるピーナツを食べ続けることになりました。
マラリア啓蒙キャンペーン
先月、ムワザマ地区で1週間マラリア啓蒙キャンペーンを行いました。
現地スタッフのアチュペレが指揮を取り、
マラリアについての正しい理解を求めるのと同時に、
正しい蚊帳の使い方、マラリアにかかった際の正しい処置の仕方などを
地域のヘルスセンターの人にも参加してもらって村人に訴えました。
また村人によるドラマ、コメディ、ポエム、歌と踊りで
多くの村人をキャンペーンに呼び寄せ、
笑いながらマラリアについての理解を深められるような催しを行いました。
乳幼児に対するマラリアの感染率も高く、死亡率も高いことから、
キャンペーンには多くの女性が参加し、関心の高さが感じられました。
蚊帳の正しい使い方をドラマで表現
村人参加型のキャンペーンを催しました。
直接、参加してもらうことによってマラリアに対する理解を
深めてもらうのが目的です。
収穫期の前にある雨季の間のハンガーシーズン
(みんながお腹をすいて十分に食べられない時期)には、
蚊帳を釣り網として使用する村人もいます。
蚊が多く発生する雨季なのに、蚊からマラリアを予防する蚊帳が
食べていくための道具として使われています。
蚊帳の正しい使い方を伝え、マラリアを予防することもできるんだと言うことを
村人にちゃんと理解してもらうことが、このキャンペーンの目的の一つです。
エコサントイレの導入によって今年ムワザマ地区で発症したコレラがゼロだったように、
今回、村人に配布した蚊帳が正しく使用され、ムワザマ地区のマラリア発症が
一日も早くゼロになることを願います。
<動画>
サリマ事務所の現地スタッフ、アチュペレがマラリアについて熱弁しています。
自ら自分を「ムワザマのビック・ママ」と称し、
ムワザマ地区の村人が健やかに暮らせるように啓蒙活動を続けています。
「マラウィ食紀行」-アボカド編-
NICCOンコタコタ事務所の疋田です。
ここ最近、マーケットでアボカドを見かける機会が多くなりました。
マラウィのアボカドは、日本のスーパーマーケットでよく見かける表面が黒くて
ゴツゴツしたアボカドとは種類が違うため、初めて見た時、
それがアボカドだということには気付かず、マンゴーだと思っていました。
しかし、よく見るとマンゴーとは色も形も若干違うため不思議に思い、
お店の人に尋ねると、「英語名は忘れた・・・。」との返事が返ってきました。
「もしかして、これアボカドじゃない?」
「そう、それ。アボカドだよ!」
「えー。だって、アボカドにしては色が黒くないし、表面はツルツルしてるし、
何と言っても柔らかすぎる。こんなの食べられないでしょ?」
「そんなことないよ。今がちょうど食べ頃だよ。」
「絶対熟しすぎてるよ。」と思いながらも、できるだけ硬めの物を選び、
早速その日の食卓へ。案の定、柔らかすぎて
形をとどめたまま食べるのは不可能で、
仕方なくマヨネーズと和えて食べることに・・・。
でも、同じ事務所の森さんの反応はそれほど悪くなかった。
現地職員のチノンバさんに、マラウィ人のアボカドの食べ方を聞くと、
皮をむいてそのまま食べるか、パンに塗って食べるとのこと。
「なるほどね。ペースト状にしてパンに塗って食べるなら、
あのぐらい柔らかい方がいいのかもね。」
サリマ事務所の五味さん曰く、「アボカドのシーズンは、だいたい1か月ぐらい。」
もともと私は、そんなにアボカドが好きなわけではないけれど、
やっぱり日本人、「期間限定」というのに弱い。
それ以来、アボカドをみかけると必ずと言っていいほど買うようになりました。
ただ、ンコタコタは断水することもしばしばで、せっかくアボカドを買っても、
料理ができないことがあります。
そんな時は諦めて冷蔵庫の中へ・・・。
「もともと柔らかいアボカドなのに、日にちを置いたら
さらに柔らかくなっちゃうじゃん!」
一人で突っ込みを入れながら、日々楽しく(?)マラウィ食材と格闘しています。
サクセスストーリー~チポンデさんの場合~
数年前に夫を亡くし、女手一つで子どもたちを育ててきたチポンデさん。
自分の畑を耕しつつ、自家製のカチャーソ(伝統的なお酒)を出す、
小さな村の酒場を開いていた。
だが、今年は大事な主食であり、しかもお酒の原料でもある
メイズの成長が芳しくない。
だからといって、肥料を買うお金はない。
困り果てて、常連客のとなり村の村長に相談した。
エリヤ村のチロワ村長は、最近行われたワークショップで
尿の効用を学んでいた。
そこで彼は、尿が化学肥料の代わりとなること、
そして尿の適切な施肥の仕方について彼女に説明した。
チポンデさんは自分の酒場のトイレにタンクを置き、
酔ったお客さんにそこで用を足してもらうことにした。
酔ってトイレの近くなったお客たちのおかげでタンクをいっぱいにするのは
それほど難しいことではなかった。
そして彼女は集めた尿を、村長に言われた通り畑に与えた。
最初は尿が肥料の変わりになるなんて信じられなかった。
しかも他人の尿を自分の畑に撒くなんて。
でもほかにどうする当てもなく、信じてやってみるしかなかったという。
それから数ヶ月・・・
収穫期を迎えた今、チポンデさんの畑には、
辺りの畑よりも一回りも大きなメイズがたわわに実っている。
立派なメイズをたずさえて村長にお礼に来た彼女。
自分の助言でうまくいった彼女が自慢の種の村長は、
会う人会う人にうれしそうにこの話をする。
チポンデさんはNICCOの事業地外の村に住んでいるが、
できればワークショップに参加しエコサントイレを建てて、
もっともっと農業を学びたいと抱負を語ってくれた。
外からのちょっとのサポートと、村人のちょっとのアイデアから生まれた、
一人の女性の小さな成功体験でした。