アショカ財団続報と、原丈人さんのこと
このブログを検索する方のキーワードを調べてみたら、
なぜか「アショカ財団」が一番だったんですね。
社会起業家を支援する、アメリカ本部の財団です。
関連エントリー
http://ameblo.jp/nibbaana/entry-10406079718.html
「アショカ」という名前以外、仏教と関係ないのですけれどもねぇ。
いや、世界の人を少しでも幸せに、というのは「菩薩行」だし、
お釈迦さまは「持ってるなら分け与えよ」と説いているので、
思想は近いのかもしれないけど。
前に「アショカ財団が日本支部長を募集中」と書いたので、
その後どうなったかと調べてみたら、まだ発表されてないようですね。
応募締め切り12月末だったのに、難航しているのでしょうか。
「エゴンゼンダー」という、スカウト会社が協力しているようです。
エゴンゼンダーは、ずっと前に取材したことがある気がするのですが、
外資系のトップクラス候補を、日本企業から引っこ抜くような会社です。
http://www.egonzehnder.co.jp/ourfirm/news/091208.html
ということは、アショカ財団が求める人材も、
夢見るトッポい兄ちゃんじゃなくて、
シビアなビジナス感覚を持ち合わせた
本気汁がほとばしる人なのでしょうかね。
もしできることなら、
原丈人さんとかが日本支部をリードしたら面白いと思うのですが。
半分は日本にいないそうだから無理でしょうかねぇ。
もしかして、アショカ財団・本家代表より大物なのかもしれないし。
原丈人さんを、ご存知の人はご存知と思いますが、
日本が誇るベンチャーキャピタリストで、
「公益資本主義」を唱えかつ実行している人です。
めんどうなのでウィキ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E4%B8%88%E4%BA%BA
原さんは、マイクロクレジットを開発したNGO「BRAC」を株主にして、
バングラディッシュの学校をブロードバンドでつなぐプロジェクトをやったり、
アフリカでスピルリナを栽培する事業をやったりしているそうです。
15年くらい前に、一度だけ原さんと電話でしゃべったことがあります。
ベンチャー起業について取材しようと思って、
「グロービス(日本版・MBAスクール)の堀さんとか、どうかな?」と
詳しい人に相談したら、
「原丈人さんにしなよ。堀さんの100倍ぐらい”本物”だよ」と言われました。
で、原さんに電話して、お断りされたのが、ただ1回の接近遭遇です。
当時、ほとんどメディアに出ずに、本業に邁進してたんですね。
最近になって、『21世紀の国富論』という本を出したり、
NHKスペシャルに出ているのを見て、
「あ、原さんは、本当に本物だった」と思ったわけです。
その原さんが、「ほぼ日刊イトイ新聞」で
糸井さんと対談していて、これが面白い。
http://www.1101.com/hara/index.html
卒業後、エルサルバドルで考古学研究をしてて、年収60万円だったそうです。
その後、スタンフォードに行ったり、国連に勤めたりするのですが、
「スタンフォードのビジネススクールは『ソロバン教室』ですね」と断言。
半端なエリートとは違う、日本を愛する骨太な大阪人なのでありました。
もちろん、ベンチャーキャピタリストで生き残ってるのですから、
相当にエグいことだってやってるでしょう。
貧困撲滅の”菩薩行”と、利益を出すという徹底した合理主義を両立する、
これって意外とお釈迦さまに近いかも?
と強引に仏教に関連づけて、おしまいです。
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お釈迦さまが悪魔に負けちゃった「散陀那(サンダーナ)経」
上座仏教の初期仏典「長阿含経」におさめられた
「散陀那(サンダーナ)経」を読みました
(『現代語訳 阿含経典』第2巻 平河出版)。
これは、ほのぼのするお経でしたよ。
ニグローダというバラモンがいます。
ニグローダは、500人の梵志たちと大声で1日中議論しています。
国の政治、戦争や武器のこと、大臣や庶民のこと、
衣服・飲食・女性のこと、山海や亀のことなど(なぜ亀?)、
どうでもいい話「真理をくらます議論」を行っていました。
そこに、お釈迦さまに帰依した居士サンダーナが現れ、
「そんなくだらない話を騒々しくすることを、
お釈迦さまは好まない」と言います。
するとニグローダは、
「あんたの先生=お釈迦さまは、へんぴなところでひとりで
座っているだけだ。なぜ偉大な知恵があるなどとわかるのか?
私は釈迦を、一言で追い詰めて、沈黙させることができる」
と言い放ちます。
2人の議論を神通力で知ったお釈迦さまは、その場に出向いて、
ニグローダに「あなたの実践(バラモンの修行など)は、
どれも卑しいものだ」と言い、論争になります。
たとえば、供養・尊敬されるために、人前でだけ禅定する、
などの行動を、お釈迦さまは批判します。
論争のすえに、ニグローダと500人の梵志たちは考えを改め、
ニグローダはお釈迦さまの足に頭をつけて敬礼するのです。
ところが!
これを知った悪魔・波旬が、
「釈迦の教えに納得した彼らの心を破壊しに行きたい」と思いました。
「そのとき、悪魔はすぐに自分の力で彼らの心を乱した。
そのとき、世尊はサンダーナに告げた。
『この五百人の梵志の弟子は、きちんと心を正して私から法を聞いた
が、天魔・波旬が彼らの心を乱した。
今、私は帰ろうと思うが、あなたも一緒に立ち去りなさい』」
と言って、虚空に乗じて帰ってしまいましたとさ。
えっ、お釈迦さま、悪魔に負けてあっさり帰るんですか!?
というのも、初期仏典だから、
お釈迦さまがまだ超人化されてないんですね。
このへんが、絶対的な神を立てない仏教らしくて、私は好きです。
解説を読むと、
現実的に、人間・釈尊が外道との論争で負けることもあっただろうし、
「率直でおもしろい」と書かれていました。
『本気!(マジ) サンダーナ』というヤクザ漫画が存在するのだが、
なぜサンダーナなの? 誰か教えてください。
ところで私は雑誌編集者ですから、ニグローダたちのような
政治・飲食・衣服など、「真理をくらますどうでもいい議論」で
ご飯を食べているわけで、ほんとすみませんね、という感じです。
亀については議論しないですけれどね。
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お釈迦様の誕生祝、4月の「花祭り」と5月の「ウェーサーカ祭」
もうじき、お釈迦さまのお誕生日、灌仏会(かんぶつえ)です!
中国や日本などの北伝仏教国では、旧暦4月8日が誕生日だという伝承をもとに、
原則4月8日に行われます。
日本では桜の季節なので、「花祭り」と呼ばれてますね。
最初に灌仏会が行われたのは、推古天皇時代(606年)の元興寺だそうです。
4月4日(日曜)にやったお寺も多いようですが、
で、甘茶で子どもたちが吐くという事件も起こったようですが、
やはりお誕生日は、その日に祝いたいもの。
なので、東京在住の私は、4月8日に行う増上寺に
行ってみようかな、と思っています。
一方、スリランカやタイなどでは、5月頃に「ウェーサーカ祭」を行います。
南伝仏教では、お釈迦様の誕生・成道(悟りを開いた)・入滅(涅槃に入った)
3つとも、5月(インド暦のウェーサーカ月)の満月日に起きたと伝えられています。
この日の、上座仏教国の盛り上がりは、たいへんなものらしいです。
日本では・・・・あのA.スマナサーラ長老の
日本テーラワーダ仏教協会が、ちゃんとお祭りをやってくれます!
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5月8日(土)12:30開場 13:15-18:00(予定)
国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟大ホール
http://www.geocities.jp/msrwp662/
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さっそく参加申し込みしました。
去年も行ったのですが、なかなか面白いですよ~。
テーラワーダ仏教と日本仏教のお坊さんたちが、
花を撒きながら行列する仏賛法要や、
スマナサーラ長老の法話もあります。
今年は、原始経典の研究や翻訳を長らくやってこられた
東洋大学名誉教授・森章司先生の講演も
<「釈尊伝の研究」を通して見えてきたブッダの真実>
も、よだれが出るほど楽しみです。
(去年は、前田恵学先生でした)
会場は760人ぐらい入る大ホールですが、
去年は8割以上埋まっていたと思います。
スマナサーラ長老の本がベストセラーになってる今、
行きたい人は早めに申し込まないと
定員いっぱいになっちゃうかも。
しかし、お釈迦さまの誕生日に、
大乗・上座、2回も行く私は、節操なしですね。
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