下のチャートを見てほしい。
S&P500の株価指数の長期チャートである。
アメリカは1990年代半ばまで実に堅実に成長してきたことがわかる。
しかし、1990年代半ば以降からはITバブルを形成し、そのバブルは2000年半ばにはじけてしまう。このITバブルで現在一大勢力となっているGoogleやAmazonが誕生している。
ITバブル崩壊を救ったのはアラン・グリーンスパンだ。彼はバーナンキの前任のFRB議長である。
バーナンキは経済危機を救うための「魔法の杖」などは存在しないと言った。
しかし、グリーンスパンはまるで魔法の杖を使ったかのように、ITバブル崩壊で崩れ落ちた経済を救い上げた。
しかし、それは住宅バブルを形成して、サブプライムショックという大きな崩壊を引き起こしてしまった。
サブプライムショックによってリーマンブラザーズが破綻し株価が底割れすると、今度はバーナンキ議長によるQEによって過剰流動性が生み出されて、株価は再度上昇した。
しかし、所詮は過剰流動性によるバブル、今回もそのバブルは消えてしまい、株価は下落トレンドに入ろうとしている。
※ ①のブラックマンデーは2000年代のバブル崩壊時の株価下落幅の大きさと対比させるために掲載した。
さて、こうやって株価を振り返ってみると、1990年代のS&P500の1000ドル付近までの上昇はアメリカの潜在成長率の上昇の賜物によるものだが、1000ドルより上の上昇はバブルによるものだったのではという疑問が浮かんでくる。
一度目のバブル、つまりITバブルが崩壊した後、グリーンスパンは何をして株価を上昇させたのか。
グリーンスパンが取った行動は、現在のバーナンキと同じく「低金利政策」である。
もちろん、住宅価格の上昇を経済に流動性をもたらすために規制緩和したことも大きい。
バーナンキが同じことをしても経済は上向いていない。グリーンスパンが株価を上昇させることができたのは、ITバブル崩壊時に負の遺産が残らなかったからかもしれない。
ITバブルでは非常に多くのIT企業が誕生したが、バブル崩壊によりその多くが倒産に追い込まれた。
生き残った企業はGoogle,Amazon,e-bayなどの優良企業だけだ。いわばダーウィンの自然淘汰説のように時代にそぐわない企業は淘汰されて消えていってしまったため、大きな傷が残ることはなかった。
そのため、足かせのないアメリカ経済は住宅というエンジンを手に入れて力強くバブルという名の成長を遂げることができたのではないだろうか。
では現在はどうだろうか。
バーナンキの不幸なところは、住宅バブル崩壊が多大なる負の遺産を残していってしまったことかもしれない。
上のチャートはアメリカの住宅ローン残高である。
下のチャートはケースシラー住宅価格指数である。
このチャートを見れば分かるとおり、住宅ローンはピークから微減に留まっているが、住宅価格はピークから暴落してしまっている。
アメリカ、特にロサンゼルスなど日本人が憧れる美しい街並みの一部を形成している住宅は、見栄えだけよく、実態はまだ返されていない借金で作られており、しかもその価値が暴落してしまっている負の遺産なのだ。
そもそもS&P500指数の1000ドルより上の成長はバブルという名のエンジンで成しえたものであり、潜在成長率という本来のエンジンではない可能性がある。
その上、さらに見てくれだけ美しい住宅という負の遺産が残っているアメリカ経済を救う手段はあるのだろうか。
あるとすれば、本物の魔法の杖か、もしくは、2000年代に経験したあの輝かしい時代は錯覚だったと受け入れる心かもしれない。
※ チャートの出所は全てBloomberg
iPhoneからの投稿
S&P500の株価指数の長期チャートである。
アメリカは1990年代半ばまで実に堅実に成長してきたことがわかる。
しかし、1990年代半ば以降からはITバブルを形成し、そのバブルは2000年半ばにはじけてしまう。このITバブルで現在一大勢力となっているGoogleやAmazonが誕生している。
ITバブル崩壊を救ったのはアラン・グリーンスパンだ。彼はバーナンキの前任のFRB議長である。
バーナンキは経済危機を救うための「魔法の杖」などは存在しないと言った。
しかし、グリーンスパンはまるで魔法の杖を使ったかのように、ITバブル崩壊で崩れ落ちた経済を救い上げた。
しかし、それは住宅バブルを形成して、サブプライムショックという大きな崩壊を引き起こしてしまった。
サブプライムショックによってリーマンブラザーズが破綻し株価が底割れすると、今度はバーナンキ議長によるQEによって過剰流動性が生み出されて、株価は再度上昇した。
しかし、所詮は過剰流動性によるバブル、今回もそのバブルは消えてしまい、株価は下落トレンドに入ろうとしている。
※ ①のブラックマンデーは2000年代のバブル崩壊時の株価下落幅の大きさと対比させるために掲載した。
さて、こうやって株価を振り返ってみると、1990年代のS&P500の1000ドル付近までの上昇はアメリカの潜在成長率の上昇の賜物によるものだが、1000ドルより上の上昇はバブルによるものだったのではという疑問が浮かんでくる。
一度目のバブル、つまりITバブルが崩壊した後、グリーンスパンは何をして株価を上昇させたのか。
グリーンスパンが取った行動は、現在のバーナンキと同じく「低金利政策」である。
もちろん、住宅価格の上昇を経済に流動性をもたらすために規制緩和したことも大きい。
バーナンキが同じことをしても経済は上向いていない。グリーンスパンが株価を上昇させることができたのは、ITバブル崩壊時に負の遺産が残らなかったからかもしれない。
ITバブルでは非常に多くのIT企業が誕生したが、バブル崩壊によりその多くが倒産に追い込まれた。
生き残った企業はGoogle,Amazon,e-bayなどの優良企業だけだ。いわばダーウィンの自然淘汰説のように時代にそぐわない企業は淘汰されて消えていってしまったため、大きな傷が残ることはなかった。
そのため、足かせのないアメリカ経済は住宅というエンジンを手に入れて力強くバブルという名の成長を遂げることができたのではないだろうか。
では現在はどうだろうか。
バーナンキの不幸なところは、住宅バブル崩壊が多大なる負の遺産を残していってしまったことかもしれない。
上のチャートはアメリカの住宅ローン残高である。
下のチャートはケースシラー住宅価格指数である。
このチャートを見れば分かるとおり、住宅ローンはピークから微減に留まっているが、住宅価格はピークから暴落してしまっている。
アメリカ、特にロサンゼルスなど日本人が憧れる美しい街並みの一部を形成している住宅は、見栄えだけよく、実態はまだ返されていない借金で作られており、しかもその価値が暴落してしまっている負の遺産なのだ。
そもそもS&P500指数の1000ドルより上の成長はバブルという名のエンジンで成しえたものであり、潜在成長率という本来のエンジンではない可能性がある。
その上、さらに見てくれだけ美しい住宅という負の遺産が残っているアメリカ経済を救う手段はあるのだろうか。
あるとすれば、本物の魔法の杖か、もしくは、2000年代に経験したあの輝かしい時代は錯覚だったと受け入れる心かもしれない。
※ チャートの出所は全てBloomberg
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