何回かに分けてオプションについて説明していきたいと思う。数学的知識を使わずになるべくわかりやすく説明していきたい。もちろん数学的知識を全く排除することは不可能だが・・・

まずは本題に入る前にオプションとは何かというところの基本を押さえよう。一旦金融から離れてサッカーW杯に喩えて説明しようと思ったが、トーナメントよりはリーグ戦の方が説明しやすいから、英プレミアリーグを例に出すことにする。

ここであるブックメーカーが今年のプレミアリーグの優勝チームを当てようという企画をしたとする。見事当てた人は賞金100万円をゲットできる。
サッカーフリークのAくんは熱狂的なマンチェスターユナイテッドファンだったが、今年はアーセナルに宮市という有望な若手が入ったこともあり、アーセナル優勝に賭けてみた。

(プレミアリーグは各チーム年間40試合行うこととする。)
35試合消化した時点でアーセナルは2位マンチェスターユナイテッドに勝ち点差6をつけて首位に立っている。しかし、アーセナルはラスト5試合で強豪チームとの対戦を多く残している一方でマンチェスターユナイテッドのラスト5試合の相手は格下チームばかりだった。

ここでAくんは1つのオプションを使うわけだが、その前に状況を整理しよう。

Aくんは今アーセナルが今年のプレミアリーグで優勝することに賭けていて、残り5試合を残してアーセナルは首位につけている。つまりこのままアーセナルが首位を守ればAくんは100万円をゲットする権利を持つことになる。
しかし、Aくんは、もしかしたら残り5試合でアーセナルがマンチェスターユナイテッドに抜かれてしまうのではないかという懸念を抱いている。

ここでAくんは1つのオプションを使った。

Aくんは、アーセナルの優勝を信じて疑わないがなぜかこの企画に応募し損ねたBくんに「アーセナルが優勝したら100万円もらえるという権利を50万円で売却した」のだ。

こうすればAくんは、懸念していた通りもしマンチェスターユナイテッドが逆転優勝してしまっても50万円を手にすることができる。
アーセナルが優勝すると信じて疑わないBくんは、もともと企画に応募していなかったにも関わらず、さらに残り5試合でアーセナルが首位という絶対的有利な状況からアーセナル優勝に賭けることができる。もちろんアーセナルが優勝したら100万円もらえるわけだから、差し引き50万円の利益になる。

これら一連のアーセナルが優勝したら50万円もらえるという「権利の売買」をオプション取引というのだ。(もちろん金融マーケットではプレミアリーグの優勝チームを当てるのではなく、例えば半年後にドル円を85円で買う権利などを売買する。)

オプション取引の厳密な説明をするためには、この例ではかなり抜けていたり、おかしな部分があるが、ざっくりイメージするだけならこんなところでいいだろう。

次回からはもう少しレベルを上げていこうと思う。




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