今年4月以来のBCL史です。もしかすると、これが最後になるかもしれませんが、過去の経験をこれまでとは違った視点でまとめなおすことも考えています。
一方、「SWL日記」は現在進行形として、もう少し書き込みを増やそうとも思っています。
ということで、今回の日記は旧ソ連邦の放送で聴いた曲、ソウルのKBS国際放送で聴いた曲に続く、音楽の話題で、国際放送のインターバルシグナルやオープニングミュージックに使われた行進曲です。
行進曲というと、軍隊を想起させ、あまりよい印象を持たれないこともありますが、それはそれで横に置き(笑)、私などは退屈な道を歩く時などに頭で奏でながら進んだりします。私が最も好きな行進曲はカール・タイケ作曲の「旧友」です。ジョン・フィリップ・スーザの「海を越える握手」も好きです。両方とも中間部(トリオ)がいいですね。
日本で広く知られている行進曲はウィーンフィルが毎年行うニューイヤーコンサートの最後に奏でられる「ラデツキー行進曲」や夏の高校野球のテーマミュージック「栄冠は君に輝く」などでしょうか。
国際放送でも、インタバルシグナルやオープニングミュージックにしばしば行進曲が使われました。その中から思いつきで拾ってみました。
私にとっては「思い出の行進曲」ですが、ヤンキー・ドゥードルは今でも使われています。
YouTubeから音源を拝借しましたので、お聴きになってみてください。
【米国】
アメリカの声(VOA)のインターバルシグナルはアメリカン・パトロール(American Patrol)です。
フランク・ホワイト・ミーチャムが民謡等をもとに書き上げた行進曲です。
<VOA日本語放送*受信証(QSLカード)と放送開始25周年記念切手>
*日本語放送は1970年に廃止されました。
この曲の冒頭部分はNHKテレビ「みんなの歌」1967年2・3月に「ゆかいな行進」というタイトルで取り上げられていました。
<NHKテレビ「みんなのうた」1967年2、3月楽譜>
また、最後の部分、速足で奏でられるのはヤンキー・ドゥードル(アルプス一万尺)です。
これも、みんなのうたで取り上げられています。
私の手許にあるヤンキー・ドゥードルの指揮者用スコアには Coda とは書いてありませんが、直前は冒頭部分の繰り返しで、そろそろ終わりだなと思わせ、突然ff (フォルテシモ~最強に)で現れ、しかも最後の音符にはアクセント記号(>)とスタッカート(・)が付いていますから、聴く側としてはコーダあるいはコデッタのようです。
<NHKテレビ「みんなのうた」1961年8、9月楽譜>
放送開始、あるいは終了時にはよく、「コロンビア,大洋の宝(Columbia, the Gem of the Ocean)」や「ヤンキー・ドゥードル(Yankee Doodle)」が流されます。
下のYouTubeでは1分13秒頃に「コロンビア・大洋の宝(Columbia, the Gem of the Ocean)」が、最後、3分33秒頃に「ヤンキー・ドゥードル」が入っています。
【ハンガリー】
今はもう短波放送はありませんが、かつてラジオ・ブダペストで、インターバルシグナルとしてポルガー(T.K.Polgár)の「組曲1848」がトランペットで奏でられ、次いで放送開始音楽として使われたのは「ラコーツィ行進曲(洪:Rákóczi-Induló;英:Rákóczi March)」です。
<ラジオ・ブダペスト**受信証(QSLカード)>
**ラジオ・ブダペストは2007年6月30日をもって、英語を含む外語放送を終了しました。
この曲の作曲者はよく知られていませんが、中世にハンガリー領だったトランシルヴァニア(現在は大部分がルーマニア領)のラコーツィ・フェレンツ2世のお気に入りだったようです。
近世に入り、多くの作曲家の作品に取り入れられましたが、ラジオ・ブダペストのラコーツィ行進曲はエクトル・ベルリオーズの「ファウストの功罪」で「ハンガリー行進曲」として使われたオーケストラバージョンです。音楽開始の頭から使われました。
【英国】
英国ロンドンにあるBBCの国際放送はいくつかのインターバルシグナルやオープニングミュージックを持っていましたが、日本向け日本語放送のオープニングに使われたのはレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲の海の歌(The Sea Songs)です。
<BBC受信証(QSLカード)***と往年の快速帆船ティークリッパー「カティーサーク」のピンバッジ>
***BBCの日本語放送は1990年に廃止されました。また、BBCは現在受信証を発行していません。
3部形式の行進曲で、BBCで使われていたのは「ポーツマス」と呼ばれる中間部、いわゆる「トリオ」にあたる部分です。下のYouTubeでは1分20秒頃から聴かれます。
ロンドンから直接、あるいはシンガポール経由でフェージングを伴いながら届くこの曲を聴くと、なんとなくホッとしたものです。
BBCの開始音楽としてはもう聴くことができませんが、私には今でも頻繁に懐かしく思い出されます。
海外放送と音楽にまつわる話はまた思いついたら書くことにしますが、冒頭にも書いたように、いつのことになるやらわかりません。
これまでのBCL史はこちらをご覧ください。
地域別インデックスも用意しましたのでご利用ください。
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