大和国の佐保めぐり⑫ ~水谷神社~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

春日大社(かすがたいしゃ)
本殿回廊から

南にくだっていくと
若宮15社があり

北にのぼっていくと
水谷9社があります。




総宮(そうぐう)神社
一言主(ひとことぬし)神社
龍王(りゅうおう)社
水谷(みずや)神社
浮雲(うきぐも)神社
聖明(せいめい)神社
愛宕(あたご)神社
天(てん)神社
船戸(ふなど)神社

これら9社をまわるとこを
「水谷九社めぐり」
というようです。

若宮十五社めぐり
神社的要素が強いとするなら

水谷九社めぐりは
仏教的要素が強いかもしれません。
 

明治の神仏分離によって

ふもとの寺院から切り離され

遷座してきた社が多いようです。

また、水谷めぐりは

龍神信仰に支えられている
ともいうようです。




総宮神社は、かつて
興福寺(こうふくじ)五重塔の
鎮守神だったといいます。

建築や住まいの

御利益があるといい

 

近隣のおおくの神々が

合祀されているようです。

なかには、

善女竜王(ぜんにょりゅうおう)
いらっしゃるようです。

 



一言主神社もまた
興福寺・南円堂(なんえんどう)
鎮守神だったようです。

 


龍王社は、僧侶の修行場
「安居屋(あんごのや)」にあった

祈祷所に祀られていたといいます。

 

いまでいう、

御祈祷所のあたりに

あったようですね。

 



春日山には
鳴雷(なるいかづち)神社があり

雨乞いの池といわれる
龍王池を祀っているようです。

龍王社は、鳴雷神社の
里宮でもあるようですね。

 

 

ここもまた、

春日大社における龍神信仰の

中心的なお社だったようです。

 



浮雲神社は、かつて

興福寺の子院・四恩院の
鎮守社だったようですね。

春日大社のご神体山である
御蓋山(みかさやま)の頂上は
浮雲峰といわれるらしく

浮雲神社に参拝することは
浮雲峰の本宮神社を参拝するのと
おなじご利益なのだといいます。

ご祭神は、
天児屋根命(あまのこやね)ですから
まさに、カスガの尊(かみ)ですね。

 



聖明神社と

愛宕神社と

天神社もおなじく


興福寺・四恩院(廃寺)に
祀られていたようです。

聖明神社には
聖明神という謎の神が

祀られているようですが、

京都・平野(ひらの)神社
今木神(いまきのかみ)と
同一神ともいうようです。

天神社は
北野天満宮(きたのてんまんぐう)

勧請だといいますが、

ご祭神は、原初神・
天常立尊(あめのとこたち)
だといいますから、

北野の地主神だったという
天神地祇が勧請されのでしょう。

 



船戸神社は、かつて
興福寺の塔頭だったといいます。

船戸屋(ふなどや)といわれた
「大乗院」の祈祷所の
鎮守社だったようです。



こちらが、

水谷九社めぐりの中心である
水谷(みずや)神社です。

春日大社に61あるという
摂末社のなかでも筆頭であり

本社・若宮に次ぐという

格式高い社だといいます。


春日大社の境内をながれて

佐保川(さほがわ)へと合流する

水谷川(みずやがわ)は、

 

神の山である

春日山を水源として

 

奈良盆地をうるおす

生命の水だといいます。


この、水谷川の水は
本殿へ供える水としても
使われていたそうです。

 


 

禁則地とされている

春日山には、

 

水谷川の水源地に

上水谷(かみみずや)神社が

祀られているといいます。

 

水源地にはかつて

7つもの社があったようで

 

春日四座大神

若宮大神

水谷神三前

猿田彦大神

瀬織津姫神

大物主大神

 

などの神々が

祀られていたようですね。

いまでは、ひとつの社に

集約されているようですが

 

気になるのは

水谷神三前(みずやかみみまえ)

でしょうか。

 

水谷神社は、
水源地・上水谷神社の
里宮にあたるそうですから

 

水源地の水谷神を

水神・龍神として祀ったのでしょうか。

 

水谷神社の祭神は

 

素戔嗚尊(すさのお・ソサノヲ)
奇稲田姫命(いなだひめ)

大己貴命(おほなむち)

 

だといいますが、

 

これももともとは

水谷神三前だったのでしょうか。

 

平安時代以降

明治時代の神仏分離までは

 

京都・八坂(やさか)神社の

牛頭天王(ごずてんのう)

が祀られていたようです。

 

奈良の水源地を守ることが

奈良の疫病封じにも

つながったのでしょうか?

 



社格のたかい社だけあって、
不思議なものもたくさんあるようです。
 

こちらは
「水谷神社の寄生木(やどりぎ)」
といって

イブキという木が
杉を包み込んでいるそうです。

また、
子授石(こさづけいし)という
磐座もあるといいます。

もっとも気になるのは、
社殿のしたには
 

漆喰で塗り固められた
クリスタル(水晶?)のような

磐座があるというのです。

これはまたいずれ
見物にゆかなければですね。

また、これと同じようなものが

春日大社本殿のあたりにも

あるのだといいます。

 

こちらは、

特別公開でもないかぎり

拝見できないようですね。

ちなみに、

禁則地とされる春日山には
春日奥山五社といって

高山(こうせん)神社
鳴雷(なるいかつち)神社
神野神社
上水谷(かみみずや)神社
大神(おおみわ)神社

があるといいます。

 

 

特別に許可をとらなければ

参拝できないそうですが、

 

御蓋山の禁則地

本宮(ほんぐう)神社とあわせて

いつか参拝したいですね。

 

 

大和国の佐保めぐり⑬ へ つづく

 

 

 

↓よければクリック

↓お願いします。


神社・お寺巡りランキング

 

 

☆佐保めぐり全記事リスト☆
大和国の佐保めぐり① ~源九郎稲荷神社~
大和国の佐保めぐり② ~垂仁天皇陵~
大和国の佐保めぐり③ ~菅原天満宮~
大和国の佐保めぐり④ ~率川神社~
大和国の佐保めぐり⑤ ~開化天皇陵~
大和国の佐保めぐり⑥ ~月日神社~
大和国の佐保めぐり⑦ ~隼神社~
大和国の佐保めぐり⑧ ~猿沢池~
大和国の佐保めぐり⑨ ~興福寺~
大和国の佐保めぐり⑩ ~春日大社~
大和国の佐保めぐり⑪ ~春日~
大和国の佐保めぐり⑫ ~水谷神社~
大和国の佐保めぐり⑬ ~手向山八幡宮~
大和国の佐保めぐり⑭ ~東大寺・二月堂~
大和国の佐保めぐり⑮ ~佐保姫神社~