熱海市伊豆山土石流災害現場仔猫ちゃん緊急レスキュー | 一般社団法人民間災害時動物救済本部(CDCA)
熱海市伊豆山土石流災害現場
三毛仔猫ちゃん緊急レスキュー
2021年8月29日(日)


8月27日(金)の夜からの活動最終日の29日(日)、活動現場から撤収した捕獲器を車に積み込んでいた時のことです。

当会が着用しているボランティアベストのロゴを見て、住民の方が声をかけてこられました。
熱海の現場だけでも、ロゴを見てお二方からレスキュー依頼がありました。
ロゴもしっかり活動をサポートしてくれています。
ロゴを作成してくださったKさん・Uさんに改めて感謝です!

前日の28日に、発災後はじめて自宅に戻ったところ目が開いていない仔猫が敷地内にいて、どうしたら良いか困っていたそうです。

メンバーが午後から仕事のため、時間はいっぱいいっぱいですが、目が開いていないと言うことは乳飲児なのか、状態が悪く癒着しているのか、とにかく捕獲器を積み込んだ後に向かう約束をする。

場所は土石流が発生した現場ギリギリの場所にあるお宅で、警備員さんに止められてしまいましたが、上から手招きをして依頼者さんが呼んでくださったので、事なく到着。


仔猫ちゃんがいたという納屋を見たが姿が無い。

しばらくして鳴き声が聞こえてきたので、声のする方に足を進めると枯れ葉の溜まった上に一匹の三毛の仔猫ちゃんがいた。
乳飲児ではない。
やはり、猫風邪なのか状態が悪くて目が癒着している。

その子を抱き抱えて納屋に戻り、入る大きさの箱を用意していただき、愛ちゃんに抱っこをお願いする。



さらに納屋の奥に同じ三毛の仔猫ちゃんがいる。
人に気づいて奥へ奥へと入ろうとする。

わたしの体なら入っていける。
納屋の奥へ入り手を伸ばして隙間に入り込もうとする子を何とか捕まえることができた。

捕まえることができたその子をメンバーに託すと、もう一匹白黒の仔猫ちゃんがいる。

引き出そうとしても、納屋の棚を支えている杭とブロック塀の間に頭が挟まったまま動かすことができない。
その子は既に息絶えていた…
まだ、そんなに時間が経過しているようには思えない。

何かの事情で母親とはぐれてしまい、3匹でこの場所で身を寄せ合っていたのでしょう。
野生動物も多い場所です。
何かに追われ必死に逃げようとして挟まってしまったのかもしれない。
助けてあげれなくてごめんね…


気づけば熱海を後にしなければならない時間に…




くすのきさんに仔猫ちゃん2匹を緊急レスキューしたこと、直ぐに医療が必要な状況をお伝えする。

まだ、動物病院も開いていない時間帯のため第3シェルターへ搬送。

途中、神奈川から毎週シェルターワークに入ってくださっているIさんから着信があった。
折り返すと、タイミング良く間もなく熱海に到着するとのこと。
今回の熱海の災害現場から保護した仔猫ちゃんの受け入れをしてくださっているIさんも一緒に来られているとのこと。

緊急レスキューした仔猫ちゃん2匹を病院が開き次第搬送をお願いしたところ、2時間待ちで出直されて再度向かってくださったそうです。


ノミだらけで脱水が酷い状態で、一日3回の補益と5回の点眼が必要とのことで、今までも仔猫ちゃんを受け入れてくださったIさんがご自宅に連れて帰ってお世話してくださることになりました。



病院受診後はミルクもたくさん飲んで離乳食も食べてよく寝ていたそうですが、21時過ぎに連絡があり状態がガクンと落ちて獣医さんと連絡を取り合いながら高酸素を作って対応してくださっていると…

それでも改善できず、一時は意識が無かったそうですが、同じ町内の飯舘村の子供たちを応援してくださっいるモモちゃん&サクラちゃんのママが紹介してくださった動物病院に駆け込み今は快方に向かっているそうです。




間に合わなかった黒白ちゃんの分まで元気になって幸せになってほしい。



熱海の活動に入る際、当会の預かり様や飯舘村や熊本で活動を共にした清川しっぽ村さん、飼い主不詳猫ちゃんの問題でアドバイスさせていただいた瀬谷猫さんや横浜市H地区南のボランティアの皆さま、災害が発生する度にワンちゃん何頭なら受け入れ可能ですとご連絡をくださり、今回は毎週くすのきさんのシェルターワークに入ってくださっているIさん、Iさんとご一緒くださり仔猫ちゃんたちを受け入れてくださっている同じくIさん、仔猫ちゃんのために動物病院をご紹介くださったモモちゃん&サクラちゃんのママのkiki⭐️さん、
そして、当会の活動にご賛同くださり、一面識も無いのに預かりのお申し出をくださった皆さま、


捕獲器を貸し出していたボランティアの皆さまからは、活動にと養生テープやバスタオルなどをご支援いただき、活動されているからこそのご支援の内容にグッときてしまいました。

活動経費にとご寄付を託してくださった皆さま、様々な形で活動を支えてくださっている皆さまへ

本来であればお一人お一人に御礼を申し上げるのが筋ですが、この場をお借りして御礼申し上げます。

レスキュー活動には生々しいくらいの悲しいできごともあります。

先週末のしまこちゃんの亡骸を目にし、この一週間仕事で抑えてきましたが、昨夜は涙を堪えきれず、泣きながら寝落ちしていました。

わたしも、当会のメンバーも人間です。
感情を抑えてレスキューに入っていますが、今回の熱海は精神的にキツ過ぎます。

今日はいつも被災現場の活動を共にしているメンバーが午後から仕事になり熱海に来れませんが、飯舘村の活動を何年も共にしてきた愛ちゃんが参加してくださることになり間もなく熱海に到着します。

しまこちゃんの死を無駄にしないように、未だ行方がわからないロクちゃんとにゃーこちゃんの情報収集に今日、明日と努めたいと思います。
愛ちゃん、今回も宜しくお願い致します!