熱海土石流災害現場
7月24日（土）～25日（日）の活動報告です。
今回は急遽現地入りメンバーがお仕事になってしまったため、電車で向かい熱海駅でIちゃんと合流。
くすのき様到着後、代表の那須さんと迷子捜索の打合せ。
①前の週に依頼のあった白黒（薄）ハチワレロン毛の「ロクくん」。
飼い主さんがお仕事中に家ごと流されてしまい行方がわからなくなってしまったそうです。
左鼻脇に黒いマークがあるロン毛の特徴のある子です。
性別：♂
去勢：済
耳カット：なし
年齢：1歳半から2歳くらい
②活動前日に迷子捜索の依頼が来た「キョンちゃん」。
一階は土石流が入ってきたが、二階は残されているとのこと。
なんとか二階に逃げてくれていれば・・・
柄：サビ
③もう一件は、わかっているのはお宅の名前と猫ちゃんの名前が「しまこちゃん」であること。
性別：♀
年齢：10歳
一階が流されて柱だけがあり、二階は残っているとのこと。
④活動初回よりずっと気になっている猫ちゃん・・・
一階は土砂が流れ込み、二階はかろうじて残っている状態。
二匹残されていた猫ちゃんのうち、腰の不自由な子は前の週に飼い主さんによって保護され、白茶のロン毛のチャチャちゃんがまだ見つかっていない。
前の週に捕獲器をかけた時に茶色のロン毛が中に付いていて、それがチャチャちゃんの毛であれば・・・
⑤継続している避難時に逃げられてしまい一緒に避難できなかった「みーこちゃん」の捜索。
今回は上記5件の捜索と情報収集。
まだまだ暑い時間帯のため、捕獲器の準備を行い、まずは新規相談案件の情報収集や場所の確認を行うことに。
人の出入りの多い公民館や災害ボランティアセンター、近所の釣具屋さんに貼紙と「ロクくん」の情報提供のお願いを行う。
「ロクくん」の貼紙のお願いをさせていただいた後は、猫ちゃんたちが居付いている場所の餌場の確認。
きれいなお水とドライフードを用意。
たくさん食べてね！
今回も地元の住民の方が同行してくださっています。
Hさん、ありがとうございます！
避難時に逃げられてしまい一緒に避難できなかった「みーこちゃん」宅。
初回の活動時、訪問した際に、門からこの子ともう一匹の猫ちゃんが出てきて、その後、捕獲器チェックに向かったところ、対象のお宅の室内で毛繕いをしていて、その時は名前もわからないまま、なぜか「みーこちゃん」と呼んだら振り向いた。
この子がトイレの窓から出入りしていたのを確認。
翌日、見かけていた子と一緒に保護。
しかし、首輪の色と猫ちゃんの柄が違うとのこと・・・
その後、出入りしていたトイレの窓に置き餌をしても、室内に捕獲器を設置しても餌は手つかずで動物が出入りしている様子が感じられない。
首輪もしているし、早く飼い主さんと再会できたら良いのに・・・
なぜかとっても気になっていて、戻るお家が無ければ我が家に迎えようかと・・・
「飼い主さん見つかりましたか・・・？」
すると、「もしかしたらもう会えないかもしれないと・・・」
「えっ、なんで？」
保護したあとにメディカルチェックのため病院に搬送していただき、そのまま入院しているが状態がとても悪いとのこと。
甚大な土石流の災害をまのがれて保護できたというのに、飼い主さんに会うことが叶わないなんて悲しすぎる・・・
とにかくこの子に心当たりのある方はいらっしゃいませんかということで写真を添えて呼びかけてほしいとお願いし、SNSにアップしていただきました。
すると、翌日、直ぐに飼い主さんのご親族の方より問い合わせがあり、7月25日に病院で確認をしていただいたところ、捜索依頼のあったお宅の猫ちゃん「みーこちゃん」で間違いないとのこと。
病院で手厚いケアをしていただいていた「みーこちゃん」ですが、飼い主さんがわかって三日後の28日の朝方、お空へと旅立ったそうです。
ギリギリだったけれど、ご家族を見つけてあげることができて、「みーこちゃん」としてお空に旅立たせてあげることができてよかったと思うしかない。
くすのき様、手厚いケアを行ってくださった動物病院のスタッフの皆さま、レスキューした者として心より感謝申し上げます。
そして、「みーこちゃん」のお庭には大小の金魚さんもいましたが、今回、活動に参加してくださっているIちゃんと、くすのき様のSさんが頑張ってレスキューを行ってくださり、今はIちゃん宅で一時預かりをしてくださっています。
ありがとう、Iちゃん！
近隣には今まで見たことのない子の姿も・・・
少し行くと餌やりさんの家があるので、そちらでご飯をもらっているのか・・・
近付くと逃げてしまう。
新しい案件の「しまこちゃん」の家には近づくことができません。
そのため教えていただいた別ルートで近い場所に捕獲器を設置。
「みーこちゃん」宅の周辺も通り道になる可能性があるので、その場所にも捕獲器を設置。
活動日前日に捜索依頼が入った「キョンちゃん」。
どうすれば、その場所にたどりつけるか・・・
地図を手に持ち、高台に上がり、おおよその場所を確認。
地元住民の方に先導していただき着いた場所は、そこから先へ入れない。
どうするか・・・、
もう一本道があるということで、そちらに向かってみると、なんと住民の方が洗車されていた。
午前中までは、ご自宅のあるこの場所も立ち入りができなかったそうですが、午後から入れるようになり戻ってこられたとのこと。
事情を説明すると、「キョンちゃん」の家をご存知だということで案内してくださるとのこと。
夕闇も迫っているので、お言葉に甘えさせていただき後を付いていくと・・・
途中でキジシロちゃん二匹と遭遇、この子達は飼い主さんが戻られてお世話をされているとのこと。
更に進み目的のお宅の近くへ到着。
辺りを見渡していたIちゃんが「サビちゃんがいる！」と。
確認すると間違いない！
サビちゃん！！！
辺りが暗くなってきているので、捕獲器を2台設置して、このまま入るまで粘ることにして、案内してくださった住民の方には先にお帰り頂くようにお話をするも、わかりづらい場所なので、一緒に待機してくださると！
確かに辺りは街灯もなく真っ暗闇・・・
祈りながら待機していると、1台の捕獲器に頭を入れては出たり入ったり・・・
もう1台に近づくと奥まで入り、やっと捕獲器に入った！
みんなの想いが届いた瞬間！！！
道案内をしてくださった住民の方も、「猫が好きなわけじゃないけど、保護できると嬉しいね！」と満面の笑みを浮かべて仰ってくださった。
「キョンちゃん」を保護できたのは、住民のHさんと急遽案内してくださったNさんのおかげです。
感謝しかありません。
真っ暗闇の中、急遽案内してくださったNさんのご自宅の前まで引き返し、次の現場の場所確認。
みんなで地面に地図を広げて、携帯の灯りを頼りに道の確認です。
いつのまにか、「キョンちゃん」宅の道案内を申し出てくださったNさんも、ラストの現場までご一緒してくださることになり、4人で出発。
4台の捕獲器を設置していると、お腹を空かせていたキジトラちゃんが直ぐに入る。
こちらの現場のすぐそばの方のお話によるとKさんというお宅が流されて、飼い主さんもまだ見つかっておらず、白ベースの茶色、グレー、キジの3匹の猫ちゃんがいたはずだと。
くすのき様に戻り、代表の那須さんに写真と保護してきたサビちゃんを見ていただくと「キョンちゃん」に間違いないとのことで飼い主さんにご連絡をしていただきました。
「キョンちゃん」土石流発生から20日以上も本当によく頑張っていたね！
関わってくださった全ての皆さまに感謝です！
最後の現場で保護したキジちゃん、飼い主さんが見つかりますように！
翌日は最後の現場の捕獲器の撤収です。
茶白ちゃん、グレー系シロちゃん、ミケちゃんの3匹を保護。
くすのき様に搬送し、涼しい場所へ。
前日、給餌した場所のフードの状態を確認に向かうと、餌場が荒らされていて、野生動物が出ているよう。
活動に同行してくださっているHさんに餌場のチェックのご協力をいただくことになりました。
そのあとは、前日、貼紙をさせていただいた公民館、災害ボランティアセンター、釣具屋さんに「ロクくん」の写真を貼らせていただく。
公民館では、前日にご対応くださったTさんが写真を持ってきたかー？とお声掛けくださったり、災害ボランティアセンターでは、ここの方が目立つからこっちに貼った方がいいよ！などと、出会う方々、みなさん協力してくださって、これも社協さん主催のボランティア団体の情報交換会のおかげです。
情報交換会は平日行われることが多く、お仕事のために参加できませんが、しっかりと情報を共有してくださっているので本当に助かっております。
今回の活動も、住民の方、警備されている方、災害ボランティアさん、くすのきさまのスタッフの皆さまのおかげで無事に活動を終えることができました。
二日間の活動で保護できた子は5匹です。
飼い主さんがご無事でありますように、保護した子たちの飼い主さんが見つかり再会を果たせますように。
最後になりましたが、今回の熱海土石流災害の活動にとご支援いただきました一般社団法人ワタシニデキルコト様、横浜わんニャンの会様には、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
今週末、8月7日（土）、8日（日）、9日（月）:予備日は熱海での活動を予定しております。
台風が心配ですが、ご支援いただきました監視カメラを活用して、迷子捜索に尽力してまいりたいと思います。
できることをつなげて、足りないところを補い合いながら、より多くの命をつなぐために最善を尽くしてまいります。
一般社団法人民間災害時動物救済本部（CDCA）
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