猫なでにき -22ページ目

カポーティという物語

『CAPOTE(カポーティ)』を観たのは劇場公開時だった。ふとあいた時間に、目に入った看板に誘われるように、一人で映画館へ入った。一人で観て、正解だと思った。この映画は、いつもの、鑑賞後の他愛のないお喋りには向かない。観た後に、個人的な時間が必要な映画というのが、たまにある。これはそういう類のものだ。

こまかい内容についてはさておき、圧巻だった。映画の中のカポーティは、あらゆる嘘をついているように見える。また、逆に不必要なほど真実を語っているようにも。
いずれにしろ、聴衆は(友人であったり仕事仲間であったり、パーティの客であったり……)魅了されその場から離れることはできない。

また彼は、自分に嘘をつき続けているようにも見える。自覚していてか、または無意識にか。

カポーティ
小説を書くため、取材源である「実際の殺人犯」と対峙し続けるカポーティ。真実を語り嘘を塗り込め、目を、心をのぞき込み、心を掴み、「彼」の友人としてふるまうカポーティ。なんという欺瞞。なんという詐欺。
しかし、そんなことよりもっと大切なことは、殺人犯たる「彼」にとっては、カポーティは既に唯一の友であるということ。他に誰も、残忍な罪を犯した彼に振り向く人はいなかった。家族でさえ、彼に会うことを拒んだ中、鉄の檻の中へやってきてくれるのは、カポーティだけだった。


もちろんこれは映画だ。事件もそれに関わった人々も既に過去のものであり、画面に写るのは本人ではない。

しかし、決して派手でないこの演技者の表情ひとつ、手の動きひとつが、カポーティの狡猾さ、繊細さ、憔悴、苦しみを、スクリーンからにじませる。

フィリップ・シーモア・ホフマンという、ハンサムでも、スマートでもなく、一見地味な顔の……この俳優——とんでもない男だと思う。

スクリーンの前の私たちは、カポーティの話術の魅力にとらわれその場を離れられないパーティ客と同じだ。その幸福も、その不幸も、全ては彼が与えてくれる物語の中にある。

フィリップ・シーモア・ホフマンが次にどんな顔を見せてくれるのか……どんな罠に落としてくれるのか。楽しみで……少し、こわい。


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きのうは献身されたみたい(BlogPet)

きのうは献身されたみたい…
だけど、まっちょは料理しないです。

*このエントリは、ブログペットの「ふぉいくと」が書きました。

極上バターを作ろう

前回に引き続き、バターの話。

バターがなかなか手に入らなかった時、まあ大抵はガマンしてたのだけど、どーーーしてもバターが欲しい!という時があって、手作りバターでその場を凌いでいた。
バターはなくても、生クリームなら売っているのだよね。

というわけで、レッツチャレンジ。バターを作ってみよう!

バーミックスのビーター
まずは道具。
一番簡単なのは、瓶とかペットボトルとかに材料をいれてひたすら振る方法だのだけど、腕がだるくなるのと、結構時間がかかるので、我が家ではバーミックスのビーターを使った。

こんな形の、平べったいアタッチメント。マヨネーズとか作る時に使うものと同じだ。

材料はこれだけ
材料は、3%食塩水40ccと、生クリーム100cc。

食塩水の濃度は好みなので、少し塩気が強い方がよければ4~5%に。無塩バターにしたければ、ただの水でOK。

このコップで…
この蛙コップ(深さ10センチ、口径8センチ)が丁度よかったので、この中で作る。
口径が広すぎると、効率よく攪拌できにくいので、このくらいのが一番なのだ。

材料いれて、バーミックスのスイッチをON(強の方で)♪

できたてばたー
鼻歌でもうたいながら、2分ちょっとコップの中で、ガーーーッと回し続けてると、突然感触が変化する。ゴロッ!とカタマリが出来て、分離するのだ。

それをガーゼにとって、水分を絞ったのがこれ。計ってみたら45gあった。充分な量が出来た!

一回で作るのはこれくらいが丁度いい。もっと欲しかったら、また同じ作業をする。どうせ大して時間かからないし。

出来たてのバターは、風味格別!
意外に簡単、しかも味は極上なのだ。

バターが店頭にない時の緊急手段なんだけど、そうでなくてもすこしリッチにバターを楽しみたい時は、いいかも。普通に買うバターの倍くらい高くつくんだけどね!(^^;

もちろん、バーミックスのない場合は、瓶に入れてシャカシャカ、でもちゃんと美味しくできるので、是非一度楽しく作ってみてほしい。案外ハマるかも…。


あ、そうそう!
生クリームは、脂肪分45%以上のものを使うこと! コーヒー用のフレッシュクリームは、35%くらいなので、作れないのだ。お間違えない様に。



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輝かしきエースと献身のアシスト

ロードレースの話題を出したので、日本のロードレース選手が主人公の、この小説を紹介しようと思う。

近藤史恵のサクリファイスだ。
今年の本屋大賞第二位の作品でもあるので、店頭でみかけた人も多いかもしれない。

サクリファイス
主人公は、国内のとあるチームのアシスト選手。「アシスト」とは、一人のエースの為に力を尽くし、エースの消耗を少しでも回避する為に風を受け、ボトルを運びもする。よほどのことが無い限り、チームのエースを差し置いて、レースで勝ちを狙いにいくことはない。

しかし、アシストがいるからこそ、エースは輝くことが出来る。レースは、エースとアシストたちとのチームワークで、初めて勝利を得ることができるものなのだ。


ヨーロッパではともかく、日本では馴染みの薄い競技である。選手達は、いずれは外の世界へ出たいと願っている。その為には、今あるレースに勝って、ポディウムに乗らなければならない。しかし、椅子取りゲームの椅子の数は限られている…。

あるレースの最中、ひとりの選手が命を落とした。それは、突然のことだった。何故、それは起こったのか。何故、そうならざるを得なかったのか。主人公はその謎を解き明かすうちに、ある真実にであう…。

ロードレースならではのルール、人間関係、組織、薬物問題、将来にむけての希望と葛藤、それらを無理なく物語に織り交ぜ、見事なタペストリーに仕上がっている。物語を読み進むうちに、知らず知らずにロードレースを観ているような感覚にすらなる。この作者の手腕は見事なものだ。

タイトルの「サクリファイス」とは、単にアシストの献身を指したものではない。それが真に示すものこそ、この作品に光を与えている。

現実の日本のロードレース界も、この本の読後のような希望や可能性に充ちたものであるように…願わずにいられない。


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明日、宇都宮行き。

10月25、26日と、宇都宮の森林公園で、第17回ジャパンカップサイクルロードレースが開催される。

と言っても、殆どの人がなんのイベントかご存じあるまい。残念なことに、日本ではサイクルロードレースはマイナースポーツだから。
「自転車レースの観戦に行く」といえば、すぐさま「競輪?」という反応が返ってくるのが、まあ通常の反応だろう。

しかし、サイクルロードレースは、ヨーロッパを中心に親しまれている、歴史あるスポーツなのだ。
サイクルロードレースとは、公共の道路を使って、ロードレーサーという自転車を使って速さを競う競技だ。ワンデイレースと呼ばれる、その日一日で優勝者が決まるレースと、ステージレースと呼ばれる、何日にもわたって様々なコースを走り、一日ごとの優勝者と、総合の優勝者を決めるレースとの、2種類のレースに分けられる。ステージレースの代表格はツール・ド・フランスジロ・デ・イタリアヴェルタ・エルパーニャだろう。この三大レースは、グラン・ツールとも呼ばれる。宇都宮のジャパンカップは、ワンデイレースに当たる。

ロードレースの優勝者は選手個人なのだが、ただし、これは個人の戦いではない。ロードレースとは、チーム競技なのだ。

ロードレースのチーム人数は通常5~9人だ。レースによって違うが、たとえばグラン・ツールでは9人だが、ジャパンカップでは5人のチームで走る。

チームはレースの優勝を狙う一人の「エース」と、その選手を勝たせるために走る「アシスト」で構成される。
つまり、今回のレースでいえば、13チーム65人が選手として出走するが、事実上、優勝を狙うのはチームの数と同じ、13人なのである。

アシストは、エースの為にペースを作り、風除けになり、“仕事”を終えると集団後方へ下がっていく。

もちろん、エースにアクシデントがあれば、アシストもトップを狙える可能性がある。しかし、それはチームにとってはあくまでも「アクシデント」なのだ。

しかし、アシストは単なる捨て駒ではない。ファンは知っているのだ。その選手がどんな仕事をしたか。彼が辛い登りでエースをどんなに助けたか。だから、ファンはアシストに惜しみなく声援を送る。
その声に押されて、また足を踏み出すことができる。

それが、ロードレースの観戦をし、選手とのつながりを感じる、ファンの一番の喜びでもある。

仲良しベルトリアーティ夫妻
昨年、宇都宮のジャパンカップに観戦に行ってきた時、サウニエル・デュバルというチームのルーベンス・ベルトリアーティ選手夫妻に会った。
彼もまた、すばらしいアシスト選手で、尊敬すべきキャリアの持ち主だ。

2002年のツール・ド・フランスにおいては、ステージ優勝も果たしている。ステージレースでは、その日の地形やコンディションによって、アシスト選手でも優勝を狙えるチャンスがある。彼はその数少ないチャンスを手にした、偉大な選手。

この写真を撮った時は、もうレースを終えたあと。宇都宮のレースは、シーズン最後のレースでもある。この後は、もうのんびりと観光してオフシーズンを楽しむだけだ。

明るくお茶目な奥さまは、日本でお買い物をしたいからと、ルーベンスのチームジャージやキャップを、路上で売っていた(^^)

実は、これは観客の毎年の楽しみでもある。シーズンを終えて帰国する選手達は、自分の持ち物を売ってしまって手荷物を軽くし、またお小遣いを少しでも手にするために、「露天商」と早変わりすることが多いのだ。

しかし、奥さんが、というのはちょっと珍しかったかもしれない。微笑ましい光景だった。

この絵は、ご夫婦へのプレゼントに、私がその時描いたもの。現物はお渡しし、そのコピーにサインをいただいた。

プレゼント似顔絵

後日友人を介してご連絡いただいたのだが、この絵は昨年のクリスマスカードに使ったそうだ。気に入っていただいたようで、私も嬉しかった。

さあ、今年もいよいよ宇都宮だ。
観光も兼ねて、明日から宇都宮入り。金曜はチームプレゼンなどがあるようなので、それも楽しみ。

そして、駅前あたりで普通にうろうろしている選手達に遭遇するのもまた、毎年のこと。今年は誰に会えるだろう?
楽しみは尽きない、秋の宇都宮。楽しんでくるとしよう。




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