こんにちは!生チョコぽん酢です。
今日の関東は春一番かなぁなんて思うほどの南風が入ってきて、一気に暖かくなっています。
花粉がつらいですが、ポカポカしていて気持ちがいいです。
今年も昨年同様に4月頃から真夏日になりそうですねー。
さて、今日は以下の記事の続きになります。
病院による身体拘束が何故許されているのか、その背景について書いた記事なのですが。
最後の方にもっとヤバイ現象が起こっていることについて書きましたがそのお話です。
まず前提として知っておいて頂きたいのは、病院の看護師さん達は本当にいい人が多くて、皆さん人の命を救うために献身的に頑張っていらっしゃいます。
私は看護師さんが大好きです。
私のブログは基本的にあえて悪い部分にフォーカスしている感じなので、その点は誤解のないようにしてください(というかハッピー系の記事ってあまりニーズがない気がするので)。
また、日本全国全ての病院がそうである、という極論ではありません。
私はあくまで、私自身が見たこと体験したことをお話するだけだということをご理解ください。
数年前に担当されていたおじいちゃんがいました。
このおじいちゃんは戦時中は花形の紫電改パイロットで、戦後はアメリカ兵の残飯を食らい、民家の肥溜めを回ってそれを農家に肥料として売る仕事して、最終的に不動産王になった凄い人なのですね。
確か昔この記事の後半で紹介したことがあったかと思います。
ある時このおじいちゃんがA病院に入院することになりました。
治療が終わり退院することになったので、付き合いの長かった私に、自宅までの搬送依頼がきたのですが、
おじいちゃんは元々歩行レベルだったのですが、案の定車椅子での退院になりました。
私はもう見慣れた光景だから特に何の違和感も覚えなかったのですが、息子さんは違ったようで、明らかに顔色が変わったのを覚えています。
無事その日の搬送を終了し、後日通院の依頼がきました。
その時に息子さんから驚くことを聞かされます。
息子さん「(私)さんコレ見てごらん」
私「え?なんですか?」
見せられたのは入院中に服用していたお薬明細です。
私には何が何の薬だかさっぱりわかりません。
しかし息子さんは違いました。
実はこの息子さん・・・医師なんです。
このおじいちゃんは凄い人で、お子さんが3人だか4人だかいるのですが、全員医者にしてしまったというw
更にはお孫さんに至るまで皆医者、おじいちゃんを除くほぼすべての家族が医者なのです。
私はなぜかこの家族にとても気に入ってもらえていて、こんな裏話を聞かせてもらうことになるのでした。
息子さん「この薬はね、かなり強い精神薬なんだけど何で処方するか分かる?」
私「いえ、全然さっぱりわかりません」
息子さん「この量は重度の統合失調症の患者に出すのと同じくらいでね、これを飲ませるとADL落とせるんだよね」
私「はい・・・?」
息子さん「病院って徘徊されたら面倒でしょ?だからこういうの飲ませちゃうの」
私「家族の承諾の上でですよね?」
息子さん「いや、何の断りもなくね。」
私「え!?もちろんリハビリとか、時間と共に治るのですよね?」
息子さん「まずこの薬でADL落ちたら治ることはないね。もう一生歩くことはできないよ」
あちゃーーー
で、これどうなったかというと、息子さん(医師軍団)がA病院を訴える話になりましてね。
なぜだか私が伝令係をする流れになりまして。
A病院に通院時に医師のところに行って、おじいちゃんが治療をしてもらっている横で「息子さんからこんな伝言がありまして」と言って。
逆にA病院の医師の言い分を息子さん方に伝える、みたいな。
こんな体験は後にも先にもこれだけでしょうが、お蔭で色々見えてきた部分があるのです。
A病院の医師の言い分はこうです。
医師「どうせ家帰っても、家中しょんべんだらけになっちゃうだけじゃんw」
(要するにおむつの方があんたらだって楽でしょ、という意味です)
そう言うと、取り巻きの看護師達もクスクス笑っていました。
あーー、なるほどなるほど。
ベテラン医院長クラスの価値観って、こういう感じなんですね。
医療に長く関わりすぎて、福祉のことがなんも分かってない感じです。
また、この会話の時は丁度年末だったのですね。
処置をしながら医師と取り巻きの看護師の会話を聞いていたのですが
看護師「先生!お休みはどこに行かれるのですか?」
医師「僕はね、マカオに行くんだ!」
看護師「へぇ!素敵ですね!どんなことをするんですか?」
みたいな。
あーーーー、なるほどなるほど。
なんか絵にかいたような【お医者様】像です。
まぁ、結局その後、示談になったのか実際に訴訟になったのかは知りませんし、あえて聞いていません。
なぜならおじいちゃんは歩行が出来なくなったから、自宅での介護生活が無理になってしまい、施設に入れることになってしまったから。
以下の記事でお話しましたが、この仕事って患者さんとの繋がりが終わってしまうと、寂しい事に全部終わっちゃうんですよ。
今日紹介したこの経験から、私も少しだけ病院を見る目が変わりました。
私は少し前まで介護施設を経営していたのですが、ご利用者様の退院時に私が立ち会うこともあったのですね。
ある時、病棟から出てくるご利用者様が、明らかに様子が変わっていました。
入院時は歌うのが大好きな陽気な認知症のおばあちゃんだったのですが、明らかにぐったりしているし、傾眠がちになっている。
だからあえてこう聞いてみました。
「眠剤とかって飲ませてましたかー?」
かなり遠回しな言い方ですけどね。
でも、一気に雰囲気が変わります。
看護師同士が顔を見合わせたり、ナースステーションも少しザワザワ。
色々調べてから覇気のない声で「いえ、〇〇さんは飲んでいません」って。
それって飲んでいる方がいるということですが、「わかりました」と言って帰ってきました。
これは別に、看護師さんに牽制したり嫌がらせをする意味ではないのですよ。
例えば施設に戻ってからアカシジアや遅発性ジスキネジアが起こることもあるわけです。
そうした場合、何故こうなったのか?紐づけできないと困るのですね。
もし病院側で入院中に処方していたのでしたら、「あー、入院中に〇〇服用してたみたいですよ」って言えば、関係者だって安心しますでしょ。
そうでもしないと、往診医が「(自分が出した薬でなったのか!?)」とか、紐づけできるまで内心冷や冷やじゃないですか。
また現実的問題としてリハビリにも影響しますから、把握しておくことでプラスに働くことはあっても、マイナスに働くことはありません。
とまぁ、こんなお話です。
基本的にこれは認知症だったり、入院生活の手がかかる人に対してだけに行われる裏話なので、一般患者さんには基本的には無縁のお話ですからね。
ただし
病院で「眠れない」と言えば、驚くほど簡単に精神薬が処方されます。
もちろん薬名は睡眠導入剤のカテゴリになるのですが、眠剤も精神薬です。
以前どこかの記事でも書いたかと思いますが、主たる成分はそこまで多くないんです。
1つの成分の効き方を微調整して、抗不安薬になったり、眠剤になったりします。
入院生活は基本的に運動不足になるし、相部屋の場合は周りの音が気になるしで、基本的に眠れなくなります。
それに、不思議と入院中はせん妄といって、幻覚が見えたり幻聴が聞こえたり、かなりの確率で認知力が落ちる傾向にあります。
平常心ではいられないのは当たり前のことのようですから、精神薬には安易に手を出さないようにしましょうね。
おわり