アパッチ野球軍
スポーツ漫画は格闘技物しか読まない自分だが、
唯一好きなのが「アパッチ野球軍」。
過去再放送を見た記憶があったが、
カラテの友人に薦めらたきっかけに、
再度アニメを見直した。
プロ野球選手になれるはずだった実力者
堂島剛は、
飲んだくれて金に目がくらんだ父の為、
自分の腕を犠牲にして野球入団をあきらめるが、
夢を捨てきれず、
恩師に言われるまま野球を教えに部落にやってくるが・・・
という内容。
序盤からいきなり部落だのキ●ガイだの、
今では問題になる発言や差別用語連発する。
そもそもタイトルからして
ならず者だらけだから「アパッチ村」
と呼んでいる時点でインディアンを差別している。
漫画ではサブタイトルで「部落」という
露骨過ぎる差別用語も用いられている始末・・。
差別用語ではないが
アニメ第二話タイトル
「よそ者は刺せ」というのも印象的だ。
差別は嫌いだが、極端な言葉狩りで規制された
言葉を連呼するのはこうも笑えるのかと
自分の神経を疑ってしまう。
物語の展開もすごい。
癖のあるキャラクター達の所為で
メンバーが揃うまでに異常に時間がかかる。
やっとメンバーが揃ってきたら今度は
村の揉め事の解決が優先され
(ダム工事、野球部の運営費問題、村長の選挙戦等)
ほとんど野球をしない。
この村の揉め事の所為で
アニメはなんと物語後半までこないと
まともに野球をしない。
やっと野球練習をしはじめたと思ったら
ジャガイモをボール代わりにしたり、
キャッチャーの顔面ガードに料理用のザルを用いたりと
およそ練習のできる環境ではなかった・・。
そして、なによりこの作品を
秀逸なものにしているのがメンバーのネーミング。
まず本名で呼ばれることが無い。
お父さんが刑務所帰りの
「あばしり」
アニメでは、村の子供という設定にも関わらず、
声が「デビルマン」で悪魔王ゼノンや
「仮面ライダーストロンガー」のゼネラルシャドウを
やっている生粋の悪役大御所声優
柴田秀勝氏なのがすごい。
見た目は完全におじさんである。
きこりの子供で怪力の
「材木」
旦那を亡くしたショックでおかあさんはきち●い。
なお材木は初登場時、女教師をレイプしようとしていた。
いつも材木の肩に乗っている小男
「モンキー」は、幼い頃サルに育てられた。
「人殺しは嫌いだ!」の台詞から
最低限の常識はあると思いきや、
初登場時は材木と共に恩師をレイプしようとしたり、
先生に託された野球道具のお金を
パチンコに使い全てスッてしまった。
ダイナマイト管理人の息子
「ハッパ」。
小心者の設定にもかかわらず、
転任してきた野球教師の主人公を受け入れられず、
当初はダイナマイトで殺害しようとした。
「オケラ」は、
ものすごく貧乏で上半身に衣類は一切見につけず、
作業用ヘルメットを常備着用。
工事現場のおっさんスタイルで授業を受けている。
一見良い人間だが金や食い物に弱く、平気で裏切る。
「ダニ」は見た目40代で土木作業員風だが、村の子供。
OPでは顔面でボールを受けながらも投げ返す。
他にも「モグラ」「コウモリ」「ダイコン」「大学」等
すごいセンスのあだ名をもつ子供達が登場する。
ここまで書くと非常に荒唐無稽な作品に聞こえるものの、
内容はスポコン漫画としてとても良く出来ており、
感動も味わえるので機会があれば是非一度見ていただきたい。
アパッチ野球軍(1) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

¥1,260
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アパッチ野球軍(2) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

¥1,260
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アパッチ野球軍(3) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

¥1,260
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アパッチ野球軍(4) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

¥1,260
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アパッチ野球軍(5) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

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アパッチ野球軍(6) オンデマンド版 [コミック] (HIT COMICS)/花登 筐

¥1,260
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アパッチ野球軍 DVD-BOX/野田圭一,坪井章子,富田耕生

¥26,250
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唯一好きなのが「アパッチ野球軍」。
過去再放送を見た記憶があったが、
カラテの友人に薦めらたきっかけに、
再度アニメを見直した。
プロ野球選手になれるはずだった実力者
堂島剛は、
飲んだくれて金に目がくらんだ父の為、
自分の腕を犠牲にして野球入団をあきらめるが、
夢を捨てきれず、
恩師に言われるまま野球を教えに部落にやってくるが・・・
という内容。
序盤からいきなり部落だのキ●ガイだの、
今では問題になる発言や差別用語連発する。
そもそもタイトルからして
ならず者だらけだから「アパッチ村」
と呼んでいる時点でインディアンを差別している。
漫画ではサブタイトルで「部落」という
露骨過ぎる差別用語も用いられている始末・・。
差別用語ではないが
アニメ第二話タイトル
「よそ者は刺せ」というのも印象的だ。
差別は嫌いだが、極端な言葉狩りで規制された
言葉を連呼するのはこうも笑えるのかと
自分の神経を疑ってしまう。
物語の展開もすごい。
癖のあるキャラクター達の所為で
メンバーが揃うまでに異常に時間がかかる。
やっとメンバーが揃ってきたら今度は
村の揉め事の解決が優先され
(ダム工事、野球部の運営費問題、村長の選挙戦等)
ほとんど野球をしない。
この村の揉め事の所為で
アニメはなんと物語後半までこないと
まともに野球をしない。
やっと野球練習をしはじめたと思ったら
ジャガイモをボール代わりにしたり、
キャッチャーの顔面ガードに料理用のザルを用いたりと
およそ練習のできる環境ではなかった・・。
そして、なによりこの作品を
秀逸なものにしているのがメンバーのネーミング。
まず本名で呼ばれることが無い。
お父さんが刑務所帰りの
「あばしり」
アニメでは、村の子供という設定にも関わらず、
声が「デビルマン」で悪魔王ゼノンや
「仮面ライダーストロンガー」のゼネラルシャドウを
やっている生粋の悪役大御所声優
柴田秀勝氏なのがすごい。
見た目は完全におじさんである。
きこりの子供で怪力の
「材木」
旦那を亡くしたショックでおかあさんはきち●い。
なお材木は初登場時、女教師をレイプしようとしていた。
いつも材木の肩に乗っている小男
「モンキー」は、幼い頃サルに育てられた。
「人殺しは嫌いだ!」の台詞から
最低限の常識はあると思いきや、
初登場時は材木と共に恩師をレイプしようとしたり、
先生に託された野球道具のお金を
パチンコに使い全てスッてしまった。
ダイナマイト管理人の息子
「ハッパ」。
小心者の設定にもかかわらず、
転任してきた野球教師の主人公を受け入れられず、
当初はダイナマイトで殺害しようとした。
「オケラ」は、
ものすごく貧乏で上半身に衣類は一切見につけず、
作業用ヘルメットを常備着用。
工事現場のおっさんスタイルで授業を受けている。
一見良い人間だが金や食い物に弱く、平気で裏切る。
「ダニ」は見た目40代で土木作業員風だが、村の子供。
OPでは顔面でボールを受けながらも投げ返す。
他にも「モグラ」「コウモリ」「ダイコン」「大学」等
すごいセンスのあだ名をもつ子供達が登場する。
ここまで書くと非常に荒唐無稽な作品に聞こえるものの、
内容はスポコン漫画としてとても良く出来ており、
感動も味わえるので機会があれば是非一度見ていただきたい。
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¥26,250
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ジャックケッチャム オフシーズン
ジャックケッチャムとは、
現代を代表する鬼畜系小説作家。
いろいろな意味で「嬲る」事が主体の作品が多い。
エロ小説のように女を性対象として
SM的に肉体陵辱を専門としているわけではない。
どちらもやる。
どちらもやるというのは
登場人物に外的な傷を負わせるという事と、
内面の傷、「心の部分」の傷も描写するのだ。
結果、読み終えた読者にも
少なからず心の傷を負わせる。
また、文章構成が非常にうまいので、
読めば読むほど次の展開が気になるようにできている。
そして展開が進むにつれ
登場人物たちのシチュエーションがどんどん悪くなり、
それに比例して次の展開が気になっていくのが怖い。
気分の悪い描写が多く読みたくなくても
あっという間に読ませてしまうパワーがあるのだ。
◇オフシーズン
古典ホラー度★★★★★
ケッチャムの1作目。
ニューヨークから休暇をとり田舎にきたカーラ。
他5人の友人達が到着する前に借家の掃除を始めていた。
その様子を外から監視する謎の男。
一夜の惨劇が始まる・・
映画「サランドラ(リメイクのヒルズハブアイズの方が近い)」
の小説版のような話。
食人族VS都会族
単純明快な古典ホラー物だが、
登場人物の精神状態や描写が秀逸で
シチュエーションが簡単に脳に飛び込んでくる。
絶望的なだけでなく、
「もしかしたら」という希望も沢山あるので
めまぐるしい展開が楽しい。
スプラッターに慣れている人であれば
描写が残酷なだけで
精神的にはそこまでダメージを受けない。
2作目「襲撃者の夜」もどうぞ。
オフシーズン (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム

¥660
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襲撃者の夜 (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム

¥800
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現代を代表する鬼畜系小説作家。
いろいろな意味で「嬲る」事が主体の作品が多い。
エロ小説のように女を性対象として
SM的に肉体陵辱を専門としているわけではない。
どちらもやる。
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登場人物に外的な傷を負わせるという事と、
内面の傷、「心の部分」の傷も描写するのだ。
結果、読み終えた読者にも
少なからず心の傷を負わせる。
また、文章構成が非常にうまいので、
読めば読むほど次の展開が気になるようにできている。
そして展開が進むにつれ
登場人物たちのシチュエーションがどんどん悪くなり、
それに比例して次の展開が気になっていくのが怖い。
気分の悪い描写が多く読みたくなくても
あっという間に読ませてしまうパワーがあるのだ。
◇オフシーズン
古典ホラー度★★★★★
ケッチャムの1作目。
ニューヨークから休暇をとり田舎にきたカーラ。
他5人の友人達が到着する前に借家の掃除を始めていた。
その様子を外から監視する謎の男。
一夜の惨劇が始まる・・
映画「サランドラ(リメイクのヒルズハブアイズの方が近い)」
の小説版のような話。
食人族VS都会族
単純明快な古典ホラー物だが、
登場人物の精神状態や描写が秀逸で
シチュエーションが簡単に脳に飛び込んでくる。
絶望的なだけでなく、
「もしかしたら」という希望も沢山あるので
めまぐるしい展開が楽しい。
スプラッターに慣れている人であれば
描写が残酷なだけで
精神的にはそこまでダメージを受けない。
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オフシーズン (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム

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襲撃者の夜 (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム

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からて VS A君 その2
A君の頭に自分の蹴りが入った。
しばらくして、起き上がるA君。
彼の顔は青ざめてた。
その後もしばらく組み手を続けたけど、
出す攻撃、狙う技、殆どの自分の攻撃があたるので、
手加減が必要だった。
「A君今日はさ、ちょっと暗いし、運転して疲れてるから
もうやめようよ」
ようやく切り出す理由を見つけられた自分の一言で、
彼とのスパーリングは終わった。
気まずい雰囲気が続き、
A君は車で自分達を家に送ると、無言で帰っていった。
しばらく、なんとも釈然としない自分がいた。
釈然としない理由は・・・
ここからは、
生意気に思われる気がするので
あまり気がすまないけど
ありのままに書きます。
そう、理由はひとつ。
自分でもその理由には気付いていた。
本来はきっとうれしい理由の筈。
A君と自分の差が、そこまで開いてしまっただけだった。
かたや怪我や恐怖と闘いながら、道場に通い続けた自分。
かたや自分で決めたメニューを信じて鍛えていたA君。
格闘技は個人競技のようで、実は違う一面がある。
それは、練習だ。
根性も体力も技術も、一人では殆ど鍛え上げることが出来ない。
相手がいて、教えてくれる人がいて、初めて技術は向上する。
自分ひとりで、ちょこっと経験した技術や本を元に練習して
強くなることは可能でも、それは素人や格下相手の話。
実戦経験のある相手には殆ど通用しない。
鍛えることと、闘うことは別物。
先輩の怖い攻撃を受け続け、
自分の攻撃を当て続けを繰り返した結果、
1年ほどで技術レベルが全然変わってしまった。
本来であれば喜ぶべき事、
自分を褒めれる事であったが・・・
A君に自分の技をぶち込みまくり、
自分の強さを改めて確認した!
という気分にはとうていなれなかった。
アメリカに来て自分にカラテを教えてくれたり、
きつい稽古の中励ましてくれたり、
色々な技術を教えてくれたA君。
なにより、自分がカラテを始めたきっかけを作ってくれたのは
A君に他ならない。
彼に自分の力が勝る、それもカラテで。
それは決して気持ちのいいものなんかじゃなく、
自分の中の、
なにか信じていたものが崩壊するような、
すごく嫌な感覚だった。
格闘技を追及する人たちからすると、
「その程度でなにが」と笑われるかもしれないが、
その時の自分の心情は、
本当にカラテをする目標を失ってしまったくらい
大きな出来事だった。
しかし、そのショックからわれに返ると、
自分には救いがある事に気付いた。
既に自分にとってのカラテには、
A君だけではなく
道場の先輩、後輩という新しい仲間が出来ていたという事。
自分のカラテ道にはA君以外の居場所があった。
なにかひとつの事を続けるのは、
なんて幸せなことなんだろう。
改めて実感した。
しかしA君はすごく落ち込んだんだろう。
自分より格下だと思っていた相手に負けるときほど、
悔しいものは無い。
それ以来、
毎週のように遊んでいた彼からぱったりと連絡がなくなり、
しばらく音信不通になってしまっていた。
自分も何故こんなことになったんだろうと、
激しく後悔していた。
それから3ヶ月程たったある日・・・・
A君から連絡があった。
「またどっか遊びに行こうぜ」 という連絡だった。
彼との付き合いは続いたけど
この時からお互い、カラテの話は極力避けていた洋に思える。
5年程たった。A君とカラテの話をする機会は無かった。
自分は道場に通い続け、
指導を任してもらう立場になっていたそんなある日。
自分の道場に入門者が来た。
A君だった。
A君は、「一緒に極真カラテをやろう」という約束を
忘れていなかった。
そして、A君は自分の後輩になった。
格下の相手に負けたこと、
過去自分が教えていた人間の後輩になること、
開いた差は中々埋められないこと。
自分ではとても耐えられないような状況。
そういう状況になる事をA君が理解した上で入門したのは知ってる。
今は週2回、仲良く彼と練習をしている。
A君は、今でも尊敬できる親友の一人だ。
ありがとう。
押忍。
しばらくして、起き上がるA君。
彼の顔は青ざめてた。
その後もしばらく組み手を続けたけど、
出す攻撃、狙う技、殆どの自分の攻撃があたるので、
手加減が必要だった。
「A君今日はさ、ちょっと暗いし、運転して疲れてるから
もうやめようよ」
ようやく切り出す理由を見つけられた自分の一言で、
彼とのスパーリングは終わった。
気まずい雰囲気が続き、
A君は車で自分達を家に送ると、無言で帰っていった。
しばらく、なんとも釈然としない自分がいた。
釈然としない理由は・・・
ここからは、
生意気に思われる気がするので
あまり気がすまないけど
ありのままに書きます。
そう、理由はひとつ。
自分でもその理由には気付いていた。
本来はきっとうれしい理由の筈。
A君と自分の差が、そこまで開いてしまっただけだった。
かたや怪我や恐怖と闘いながら、道場に通い続けた自分。
かたや自分で決めたメニューを信じて鍛えていたA君。
格闘技は個人競技のようで、実は違う一面がある。
それは、練習だ。
根性も体力も技術も、一人では殆ど鍛え上げることが出来ない。
相手がいて、教えてくれる人がいて、初めて技術は向上する。
自分ひとりで、ちょこっと経験した技術や本を元に練習して
強くなることは可能でも、それは素人や格下相手の話。
実戦経験のある相手には殆ど通用しない。
鍛えることと、闘うことは別物。
先輩の怖い攻撃を受け続け、
自分の攻撃を当て続けを繰り返した結果、
1年ほどで技術レベルが全然変わってしまった。
本来であれば喜ぶべき事、
自分を褒めれる事であったが・・・
A君に自分の技をぶち込みまくり、
自分の強さを改めて確認した!
という気分にはとうていなれなかった。
アメリカに来て自分にカラテを教えてくれたり、
きつい稽古の中励ましてくれたり、
色々な技術を教えてくれたA君。
なにより、自分がカラテを始めたきっかけを作ってくれたのは
A君に他ならない。
彼に自分の力が勝る、それもカラテで。
それは決して気持ちのいいものなんかじゃなく、
自分の中の、
なにか信じていたものが崩壊するような、
すごく嫌な感覚だった。
格闘技を追及する人たちからすると、
「その程度でなにが」と笑われるかもしれないが、
その時の自分の心情は、
本当にカラテをする目標を失ってしまったくらい
大きな出来事だった。
しかし、そのショックからわれに返ると、
自分には救いがある事に気付いた。
既に自分にとってのカラテには、
A君だけではなく
道場の先輩、後輩という新しい仲間が出来ていたという事。
自分のカラテ道にはA君以外の居場所があった。
なにかひとつの事を続けるのは、
なんて幸せなことなんだろう。
改めて実感した。
しかしA君はすごく落ち込んだんだろう。
自分より格下だと思っていた相手に負けるときほど、
悔しいものは無い。
それ以来、
毎週のように遊んでいた彼からぱったりと連絡がなくなり、
しばらく音信不通になってしまっていた。
自分も何故こんなことになったんだろうと、
激しく後悔していた。
それから3ヶ月程たったある日・・・・
A君から連絡があった。
「またどっか遊びに行こうぜ」 という連絡だった。
彼との付き合いは続いたけど
この時からお互い、カラテの話は極力避けていた洋に思える。
5年程たった。A君とカラテの話をする機会は無かった。
自分は道場に通い続け、
指導を任してもらう立場になっていたそんなある日。
自分の道場に入門者が来た。
A君だった。
A君は、「一緒に極真カラテをやろう」という約束を
忘れていなかった。
そして、A君は自分の後輩になった。
格下の相手に負けたこと、
過去自分が教えていた人間の後輩になること、
開いた差は中々埋められないこと。
自分ではとても耐えられないような状況。
そういう状況になる事をA君が理解した上で入門したのは知ってる。
今は週2回、仲良く彼と練習をしている。
A君は、今でも尊敬できる親友の一人だ。
ありがとう。
押忍。
カラテ VS A君 その1
A君は、高校で出会った大切な親友だ。
今でも親友だ。
彼のおかげでカラテというひとつの生きがいに出会えた。
前にも書いたけど、道場に通うのが辛くて
何度も辞めたくなった。
その度に彼に相談し、励ましてもらった。
汁が胴着に付いた糞を洗っている間、いよいよその時が来た。
A君が構えた。
顔は、おもいっきりぶつかって来い!という感じで、
良い意味で笑みがこぼれてる。
自分は、A君を満足させられるほど、はたして強くなったのか?
認めてもらえるのか?
色々なきつい練習が脳裏をよぎった。
よく、格闘映画なんかできつかった練習シーンを思い出すカットが
入ったりする演出があるけど、その時はそんな感じだった。
胸を借りるつもりで、思いっきりいった。
最初に出したのはワンツーパンチからの、上段蹴りだ。
コンビネーションの内容は、
ボディへの軽い左のジャブ、
ジャブの引きを利用して体重の乗ったボディへの右ストレート、
その流れのまま最後に右の足を振り上げる。
そこまでが一瞬。
蹴りは、普通に蹴るだけでは反射的にかわせる場合が多いので
中々あたらないが、初動にパンチをあわせることで
相手は一瞬パンチをかわす事に意識が行き
膝を横にたたんで抱えた位置から出る
「回し蹴り」が顔の真横、死角から飛んでくることになるので
最初は殆ど見えない。
ワンツーから繰り出す蹴りの技は、カラテの最も初歩的な攻撃。
フルコンタクトカラテ等、立ち技の経験者ならまずかわせる。
そう思ってた。
バコッ
というすごい音がした瞬間、A君は頭を抱えて座り込んだ。
頭を抱えている腕の間からは、ううう・・・・といううめき声。
一瞬何が起きたのか、よく分からなかったけど、
自分の蹴りが直撃したのは明白だった。
A君はしばらく頭を抱えていたけど、
立ち上がった時には
「あぶねえあぶねぇ、油断して蹴り見てなかったわ」
と笑顔だった。
「よしゃ!」
と気合を入れて、構えなおすA君。
今度はA君が攻撃してきた。
まっすぐな突きや蹴り。
大柄なA君の攻撃は、さすがに威力があった。
けど、何か違う。
なんだろう?道場でのスパーリングの感覚とは全く違う。
攻撃が、単発過ぎる。
通常、自分のやってきた稽古では、単発攻撃というのはあまり無い。
コンビネーション、
小さな技から大きな技につなぐのがセオリーだ。
受けの練習をしていくうちに、体が勝手に技に反応するようになる。
なので、相手をだまさなくてはいけなくなる。
それがコンビネーションだ。
小さな技がフェイントになり、最終的に大きな技を当てる。
しかし、A君の攻撃にはコンビネーションは無く
狙いすました、1個1個の技が来るだけだ。
技の切れは、素人とは比較にならないけど、
むしろ技がしっかりしすぎていて、
これじゃあ素人のムチャクチャパンチの方があたる。
でも、もしかして、これはフェイント?
と思った自分は、もう一度A君に攻撃をしてみた。
さっきと同じパターンの、ワンツーからの上段蹴り。
ガツン、とまたA君の頭にあたった。
今でも親友だ。
彼のおかげでカラテというひとつの生きがいに出会えた。
前にも書いたけど、道場に通うのが辛くて
何度も辞めたくなった。
その度に彼に相談し、励ましてもらった。
汁が胴着に付いた糞を洗っている間、いよいよその時が来た。
A君が構えた。
顔は、おもいっきりぶつかって来い!という感じで、
良い意味で笑みがこぼれてる。
自分は、A君を満足させられるほど、はたして強くなったのか?
認めてもらえるのか?
色々なきつい練習が脳裏をよぎった。
よく、格闘映画なんかできつかった練習シーンを思い出すカットが
入ったりする演出があるけど、その時はそんな感じだった。
胸を借りるつもりで、思いっきりいった。
最初に出したのはワンツーパンチからの、上段蹴りだ。
コンビネーションの内容は、
ボディへの軽い左のジャブ、
ジャブの引きを利用して体重の乗ったボディへの右ストレート、
その流れのまま最後に右の足を振り上げる。
そこまでが一瞬。
蹴りは、普通に蹴るだけでは反射的にかわせる場合が多いので
中々あたらないが、初動にパンチをあわせることで
相手は一瞬パンチをかわす事に意識が行き
膝を横にたたんで抱えた位置から出る
「回し蹴り」が顔の真横、死角から飛んでくることになるので
最初は殆ど見えない。
ワンツーから繰り出す蹴りの技は、カラテの最も初歩的な攻撃。
フルコンタクトカラテ等、立ち技の経験者ならまずかわせる。
そう思ってた。
バコッ
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頭を抱えている腕の間からは、ううう・・・・といううめき声。
一瞬何が起きたのか、よく分からなかったけど、
自分の蹴りが直撃したのは明白だった。
A君はしばらく頭を抱えていたけど、
立ち上がった時には
「あぶねえあぶねぇ、油断して蹴り見てなかったわ」
と笑顔だった。
「よしゃ!」
と気合を入れて、構えなおすA君。
今度はA君が攻撃してきた。
まっすぐな突きや蹴り。
大柄なA君の攻撃は、さすがに威力があった。
けど、何か違う。
なんだろう?道場でのスパーリングの感覚とは全く違う。
攻撃が、単発過ぎる。
通常、自分のやってきた稽古では、単発攻撃というのはあまり無い。
コンビネーション、
小さな技から大きな技につなぐのがセオリーだ。
受けの練習をしていくうちに、体が勝手に技に反応するようになる。
なので、相手をだまさなくてはいけなくなる。
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小さな技がフェイントになり、最終的に大きな技を当てる。
しかし、A君の攻撃にはコンビネーションは無く
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むしろ技がしっかりしすぎていて、
これじゃあ素人のムチャクチャパンチの方があたる。
でも、もしかして、これはフェイント?
と思った自分は、もう一度A君に攻撃をしてみた。
さっきと同じパターンの、ワンツーからの上段蹴り。
ガツン、とまたA君の頭にあたった。