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映画「雪風 YUKIKAZE」
10時55分~13時10分の回を観にTOHOシネマズ上大岡へ。太平洋戦争期に於ける日本海軍の駆逐艦「雪風」については、消耗の激しかった駆逐艦群の中にあって、開戦当初から主要作戦には殆ど参加し、その都度帰還して「海軍一の幸運艦」として語り継がれてきたことはかねてより承知していましたが・・・・。
若干史実と違うのではといったところもあり(映画の冒頭ミッドウェー海戦で「雪風」が多くの乗員を救助した重巡洋艦「三隈」は実際には生存者は無かったと聞いている)、また派手な戦闘シーンを安易に期待していた客層には肩透かしだったかも知れませんが、寺澤艦長(竹野内豊)の沈着冷静な判断や早瀬先任伍長(玉木宏)の鼓舞のもと、極限下の戦場に於いて沈没に瀕した僚艦や輸送船の乗員の救助等の様々な任務を着実に果たし、いつしか生きる希望となっていく「雪風」の姿が印象的でした。それぞれリアルタイムでの視聴が叶わなかった、広島平和記念式典及び長崎平和祈念式典の模様を、遅ればせながらの感はありますがNHK+で視ました。
日本フィルコンサート
に引き続き、まずは先に「木の上の軍隊」から。
1944(昭和19)年に防空上の重要拠点として位置付けられた伊江島で、守備隊の指令のもと土地を接収され満足な機械もない状態で飛行場建設に従事させられ竹槍での軍事教練にも駆り出される島民。その飛行場も活用が困難となると敵に奪われる前にと爆破させられ、1945(昭和20)年の米軍上陸と共に苛烈な戦闘に巻き込まれ・・・・。
激しい攻防戦で次々と守備隊が壊滅していく中、沖縄出身の新兵安慶名セイジュン(山田裕貴)と宮崎出身の厳格な上官山下一雄少尉(堤真一)との、ガジュマルの樹の上での奇妙な共同生活が始まり・・・・。
詳細を記すのは控えますが、極限状態に追い込まれたときの人間の在りよう、戦争で侵された島民のアイデンティティひいては島の在りよう等、胸に刺さるものがありました。
漸く家族の元を目指そうとした矢先に悲運に遭ってしまったセイジュンが最期に目指そうとした処は、またその想いを察した山下は・・・・。
そして・・・・「長崎~閃光の影で~」。
空襲による休校を機に、郷里長崎へ帰郷した看護学生の主人公田中スミ(菊池日菜子)・大野アツ子(小野花梨)・岩永ミサヲ(川床明日香)の3人。大村線や長崎本線旧線の列車の車窓から見える海を望む美しい景色にはしゃいだり、少女期ならではの他愛のない話に興じたり・・・・。
その日常が、8月9日11時02分を境に地獄絵図へと。
看護学生としての責務を懸命に果たそうとする一方で、家族・友人・恋人への想い、更には医薬品不足に加えてまだ明らかになっていなかった原爆の真の怖ろしさに伴う救えなかった夥しい命に対する悔しさ・無力感、それら一切合切に係る3人の魂の相剋が、声高ではなく抑制された筆致ながらも痛切に描き出されていました。
冒頭と終盤の美輪明宏の語りが、やはり重い説得力を以て響いてきました。
エンドロールに於ける、主演3人による福山雅治「クスノキ」の歌唱。勿論福山本人に比べれば拙さは否めなかったけれど、その清冽な趣が胸に迫りました。
5月に観劇した北村総一朗さん演出の「フツーの生活 長崎編」、
とともに、前日に聴いたフェスタサマーミューザKAWASAKI2025の日本フィルコンサートに於ける、