植物が群生する理由は他の生命エネルギーが必要だからだ。
多くの草木は茎と幹で重力に逆らいながら上へと延びる。
植物が陸へ進出する前の海暮らしではその必要もなく海水は多くの生命エネルギーで溢れ、いくらでも手に入った。
しかも無重力なのだから丈夫な茎や幹は必要ない。
海水がない陸へ上がった彼らは海の仕組みを持つ表土を築き上げた。
岩に固定するだけだった「仮根」は水とエネルギーを吸い上げる為に土中に根を伸ばしたが、海と異なり足りないものがある。
それが生命のエネルギーであり、他のエネルギーを得る為に密生、上にも茎や幹を伸ばし枝葉を広げた。
海の生物が陸へ進出するにあたり障害となるものは、表土の水、大気中の酸素、有害紫外線、それと重力。
藻類が長年海から出し続けた酸素が、正常な大気だけでなくオゾン層も形成して紫外線の難問もクリアー、後は保水出来る表土の構築と昆虫などの動物族と協生出来る生態系の構築。
この生態系の構築の最大の妨げが重力であり、植物族は一斉に丈夫な茎と幹を考案して空を目指した。
短命の草が長寿の木へと進化、茎は幹に変わり数十mの高さまで表土の領域を広げた。
樹木の地上部の枝葉に集まる微生物・昆虫、鳥類などのエネルギー水は枝と幹を伝い根元に集まり、あるいは直接ヒゲ根に滴るようになっている。
この普遍の道理から、雨量が十分な地で草原がいつまでも草原であることなどあり得ない。
人間の農地、あるいは手を加えた場所しか草原はない。
弱肉強食、生物多様性がない草原の生命エネルギー量は森と比較にならず、多くの植物は十分に育つことが出来ない。
わずかな表土まで耕起の名のもとに破壊された地は、さらに手を加えなければ植物は十分に育つことが出来ない。
そうして「肥料・堆肥」などは農業の必需品となったが、自然界とは何ら関係がない加工食品を作るようなもの。
いくら「自然界の産物」「大地の恵み」「無農薬有機」「無肥料」を唱えよう、野菜果物は自然界とかけ離れた加工食品には変わりなく、地球が全ての生き物に与えてくれた食べ物とは全く異なるのだから、生命の維持が出来るはずもない。
市販される食料の大半が人間独特の養殖なのだから病不調は増える一方だ。
干潟の緑藻から進化を続けた緑の葉っぱは、海の時代同様に太陽光のエネルギーで光合成をして有機物を生産、それと多くの昆虫などの動物を集める為のコロニーが必要だった。
これらの動物も海藻の後を追って海から陸へ進出した生き物。
森を住まいとし、食を得て彼らと共に生きたのは協生しなければ生きることが出来なかったからだ。
草食昆虫もまた植物性エネルギーによって生を繋いでいる。
胃液で植物の消化など出来るはずもなく、栄養分も必要とせず、体を通してエネルギーを得た後のフンに動物性エネルギーを加えて植物にお返ししている。
緑藻から進化した植物は海同様に、彼ら動物のエネルギー無くして生きては行けず、繁栄も出来ない。
植物の心身の維持・制御には、動物性の電気エネルギーが不可欠。
植物が活動する為の動力エネルギーは、動物同様に大気中の一般電気。
一般電気を動力として十分な成長には動物性エネルギー。
光合成により自らの体だけでなく、養う動物達に必要な有機物を生み出す必要があった。
海から陸へ、立体からほぼ平面になった表土に「海を再現」したのが森だ。
森を、生命の領域であるその空間を支え続けているのは植物の幹と茎。
長い時間をかけて彼らが築き上げた自然林を伐採・・
生態系の破壊が何を招くのか、理解出来ただろうか。
人間の都合で植樹した森はお金に変わり個人の役にしか立たず、植林もまた根こそぎ生態系の破壊であり、規模が大きければ修復も不可能、保水力は失せ、水もやがて枯渇する。
次回 つる性植物の仕組みと頭脳
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