ことに、高市政権が押し進める経済財政政策は危うい領域に突入してきた感があります。
7月21日、政府は経済財政運営改革の基本方針2026、いわゆる「骨太の方針2026」を閣議決定しました。
この「骨太の方針」とは「強く豊かな日本」を実現するために官民で累計370兆円もの莫大な投資を掲げ、それに必要な財源を支出するため財政規律を緩めて財政健全化を大きく後退させるというものです。
そのため、借金を減らす目標プライマリーバランスの黒字化を事実上棚上げし、債務残高(対GDP比)の低下を新しい中核目標に据えたのですが、ロイターの報道によれば、財政政策に精通する政府関係者は「非常に不安だ」と漏らし、骨太の方針のリスクを心配しているといいます。
もし想定通りに経済が成長しなければ大借金だけが残るというまさしく賭けなのです。
しかもその勝算は低く、下手をしたら金利急騰、円安進行、インフレ税による国民負担増大という国家と全国民に深刻な影響をもたらし得る危険な政策なのであります。
高市首相は「行き過ぎた緊縮志向と未来への投資不足の流れを断ち切り、国内投資を徹底的にテコ入れする」などと述べていますが、これまで緩和的な政策を続けてきた日本のどこが行き過ぎた緊縮志向なのか理解に苦しみます。
そもそも、日本の企業に十分な投資価値や成長性があるのであれば、政府が大規模に資金を投入しなくても民間資金は自然と集まるはずです。
これまで政府が資金を投入してきた官民ファンドの大半が失敗している事を思えば、今後政府が無理に投資を指導したとしてもうまくいく保障などどこにもありません。
この「骨太の方針」の原案が6月30日に公表された直後、財政悪化の懸念から市場は直ちに反応しました。
2.67%付近だった10年物の国債金利は約30年ぶりとなる2.9%の水準まで上昇し、円相場も162円台へと円安が進行し「骨太ショック」と呼ばれる事態になりました。
この市場の警告にあわてた政府は表面的な表現の修正を余儀なくされましたが、本質は何も変わっておりません。
なぜこれが危険な賭けであるかを少し説明します。
その背景には、アベノミクスの異次元金融緩和が残した深刻な脆弱性があるのであります。
安倍晋三と当時の日銀総裁黒田東彦によるアベクロコンビが始めた異次元金融緩和を10年以上続けた結果、政府の債務残高は1,300兆円を超し、対GDP比は一時先進国で最悪水準の250%にまでなりました。
この政府が発行する債務を事実上日銀が爆買いしてきた事で、日銀はピーク時には600兆円に迫るほどの国債を保有する世界の中央銀行としては極めて異例な状態となりました。
これだけ異常なまでに円を刷った事で円の価値は下がり続け、異次元金融緩和開始時の1ドル=92円台から現在は163円台へと71円、実に4割以上も下落し、輸入物価の高騰を通じて国民生活を苦しめる慢性インフレの主な要因となっております。
この限度を超えた異次元金融緩和の副作用は深刻なもので、インフレを抑えようと日銀が政策金利を上げれば日銀の財務が悪化してしまい、一方で、市中金利が上がれば国債を大量に発行して大借金を増やしすぎた政府は利払い費が急増して財政が圧迫されるという深刻なジレンマに陥ってしまったのであります。
このような状況で再び積極財政政策を押し進めれば、ますます円安とインフレを加速させる可能性が極めて高く、しかもそれを制御する手立てがなくなる恐れがあります。
例えれば、火薬庫の上でマッチを擦るような行為に等しく、極めて危険なものであります。
ところが、高市首相は7月15日の国会で野党の党首から骨太ショックの原因についての認識を問われると「私はまだ閣議決定もしていない政府のただ一つの文章の原案が骨太ショックの原因だとは思っていない」などととんちんかんな答弁をしていました。
市場の警鐘乱打を無視したあまりに無責任な認識と言わざるを得ません。
かつてアベノミクスを理論的に支えたイェール大学名誉教授の浜田宏一や前日銀総裁の黒田東彦でさえ「当時と経済状況が全く異なる今は金融も財政も引き締めるべき」と真逆の忠告をしています。
実際、国内外の市場関係者は1ドル=200円超を想定し始めております。
ドイツ銀行などは「日本円はトルコリラやアルゼンチンペソ並みの世界最弱通貨になった」と指摘しています。
現在の日本円の実質実効為替レートは1ドル=360円の固定相場制だった1970年ころよりも低い水準にあり、先進国でここまで通貨価値が長期的に毀損した例は他にはありません。
実際、高市政権が誕生してからの9ヶ月で円の価値は10%も安くなっている。
このような現実を直視すれば「骨太の方針」と称する無責任な放漫財政がいかに愚かな政策であるかは明らかであります。
財政規律の欠如というのは必ず金利上昇、円安、物価高として国民生活に跳ね返ってきます。
その最悪の結末は財政破綻の危機もしくはハイパーインフレであります。
政府は金利上昇を抑える苦肉の策として年金の積立金の管理・運用を行っているGPIFに国債を購入させる事を検討しているようですが、仮にその効果が見られたとしても一時的で、しかも買い入れには限度があります。
また、長期金利が3%を超えたら政府は日銀に国債買い入れの増額を要請する可能性があるとすら指摘されている。
そうなれば、円の信認はさらに毀損され、制御不能な悪い円安を加速させます。
しかし、高市政権には円安を積極的に止めたくない政治的動機すら存在する。
円安は輸出企業の収益や株価を押し上げ、インフレによるGDP増加は債務の実質的な目減りをもたらすからです。
分かりやすく言うと、GDPが500兆円の時の債務1000兆円というのは対GDP比は200%ですが、仮にGDPがインフレで1000兆円になれば、債務1000兆円の対GDP比は100%に下がります。
しかし、GDPが膨らんで債務比率が下がっても国の借金そのものが減るわけでもない。国民の現預金の価値が削られて相殺されているだけです。
これが「ステルス増税」いわゆるインフレ税のからくりであります。
2025年の税収が過去最高の84兆円を超したのも、実質的に国民の資産がインフレを通じて政府に移転した結果なのであります。
これまで政府が無責任にこしらえた莫大な借金をインフレ税で国民に押し付ける。
そして、ハイパーインフレになれば政府の借金は事実上チャラになり、そのツケを背負わされるのは政治家ではなく全て私達国民なのであります。これこそ、現代における飢渇であります。
これをいざなう高市首相は最低最悪の亡国の政治家であります。
令和8年 7月27日 7月度 総幹部会 浅井会長指導
- 説明
- 学会の凋落の実態
- 一刻も早く三次元免震構造の新御宝蔵建設を
- 日蓮大聖人の御心のままの浅井先生の激闘
- 嘘の履歴でのし上がってきた高市早苗首相
- 高市早苗首相の無責任極まりない実態
- 経済破綻を引き起こす高市政権の愚策
- 中国・ロシア・北朝鮮の対日包囲網
- 広宣流布・国立戒壇建立以外に解決の術はない

