1つには、原発災害の事でありまするが、世界最大の福島原発事故を起こしながら今だに放射能は空中にばら撒かれている。
そして、汚染水は止めようがないんですよ。遮水壁を作ってもこれは失敗で「成功の見込みはない」というんですよ。それが全部海水となって太平洋に流れているんでしょう。
世界中がその事で騒いでいるのに彼は何と言ったか。「アンダーコントロール」「完全ブロック」と平然と言ってのけているわけであります。これは、ペテンであります。
そして、原発再稼動をこれからするという。恐らく、九州の川内原発が再稼動するかもしれない。
全部財界・大企業の利益のためにこれを進めている。けしからん話ですね。
それから、国民一人一人が給料の時に一番大きく引かれるのが厚生年金でしょう。個人営業ならば国民年金ですよ。
これを、30年から40年間積み立てて、やっと老後になってもらえるという大事な積立金です。これを国家が預かっている。
この額が130兆円もあるんですが、これを今度はいよいよ株価対策として株式市場に投入する。
実は先月(こういう声が耳に聞こえたのかどうか知りませんけれども)やめるという事になったんです。一度それが決まったんです。
ところが、安倍首相の肝いりでもって「何としてもやりなさい。株価が下がったら年金積立金を株式市場に投入する。それで株価を維持する。株価が維持できなければ内閣が危なくなる」という事で投入がなされようとしている。
これも、内閣の支持率と政権維持のために国民の老後の命ともいえる厚生年金・国民年金を株式市場という博打場につぎ込もうとしている。
もしこれがなくなってしまったら誰が責任を取るんですか。こういう事をもしやったら大きな詐欺でしょう。
みんなが「国家だから」と安心して10代の若い時から年金積立金を積み立てていくんです。
そして、60過ぎてからの定年まで真面目に積み立てて、それがもし「くれない」という事になったならこんな大きな詐欺はない。
だけど、大きな詐欺は一般には分からないですね。
もう一つ、今度は「経済成長の決め手として日本国中にギャンブルのカジノを作るんだ」という事で北は北海道の函館から南は沖縄まで建設が決まっていたが、これも先月にやめる事になった。
ところが「いよいよ今年中に法案を決定する」というような事を安倍首相は言い出してきた。
国民をギャンブルに巻き込んで人々の心を狂わせて、そして、犯罪を起こさせて家庭を破滅させる。
このような事をさせて経済成長なんてやって何をするのか。全て価値判断の狂いから来る悪政であります。
しかし、私は『悪政の最たる物はアベノミクスの経済政策と今の集団的自衛権の問題である』と思っております。
アベノミクスというのは「異次元の金融緩和」と称して通貨の番人と言われる日銀にお札を膨大に刷らして、それを市場につぎ込む。そうすれば株価が上がる。やがて不動産も上がってきます。
そうすると、一部の大企業が潤ってくる。景気がよくなったように見える。
そして、マスコミが安倍内閣にお世辞を使ってそれをみんな「景気がよくなってきました」なんて事をテレビや新聞でやるものだから、国民がみんな騙されちゃうんです。
「何か景気がよくなってきたんじゃないか」「これから先もう少し経ったら凄い景気になるんじゃないか」と国民は信じ込んでいるが、これは、麻薬に騙されてその夢を見ているんですね。
こんな事をやって簡単に日本経済が良くなるんだったら馬鹿でもやるじゃないですか。
日銀にお札を刷らせてばら撒いて、それで国家財政が良くなるんだったらば誰でもやる。
ところが、白川前日銀総裁は「そんな事をやったら国が破産してしまう。真面目に働いて国の借金を返す以外にはない」という事でやらせなかった。
日本には1千兆を超す大借金があるんです。それを見ようともしないでもって、お札ばかり刷らせているならば、やがて国債も円も株もトリプルの大暴落をする。
そして、悪性インフレが始まって、国民は塗炭の苦しみを受ける。奈落のそこに沈む。
ですから、この今のアベノミクスはまさに国家的な悪政の最たる物です。
平成26年 7月8日 浅井先生指導