地震兵器?!
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110711/plc11071121050010-n1.htm
「地震や津波を人工的に起こすのは技術的に可能で、国際政治、軍事上で常識化されている」と持論を改めて展開
な・・・なんだこりゃ?いろいろ見ていると、答弁の様子が動画にアップされていました。
http://www.youtube.com/watch?v=7CV_cVUtZo8
国会議員が、しかも復興担当の政務官がこれは・・・。
7/12 22:40追記
しかし、9.11テロ陰謀説・アポロの月着陸捏造説・地震兵器といった、一見して突拍子もない陰謀論に飛びつく人がいるのはなぜなのか、本当に疑問です(これらに比べれば、地球温暖化否定論は、まだ理解できる部分もあるにはあります)。一体、どういう心理が働いて、これらの説を信じてしまうようになるのでしょうか。
私は心理学者でもなんでもないので単なる憶測ですが、要は「責任を他人に押し付けたい」という心理が働いているのでしょうか。
世の中には陰謀が渦巻いている。私たちの力ではどうすることもできない巨大な力による陰謀!自分の生活が思い通りにいかないのはそのせいだ!だから自分は何も悪くない、悪いのは陰謀をたくらむ奴らだ!
・・・とすれば楽だと、無意識に感じているのかな、などとふと思ったのでした。
中国の排出ガス削減への取り組み、逆に温暖化を「加速」
という記事が出ていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110708-00000016-rcdc-cn
一瞬「ん?」と思ってしまう記事ですが、この記事は表現が不親切というか、記者さんは「二酸化硫黄は温室効果ガス」と思い込んでいるのかな、という印象を受けました。
・「中国工業業界が二酸化硫黄(SO2)を含む排出ガスの削減に取り組んだことで、世界的な温暖化のペースが緩まったと見られていたが、逆に地球の気温が再び上昇していると米国の研究報告が指摘している」 とあります。
これでは、「中国がのSO2削減に取り組んだため温暖化のペースが緩まった」すなわち「SO2が温暖化の一因」と読んでしまいそうです。
しかし実際には反対です。以前 も書きましたが、SO2はむしろ気温を低下させる方向に働きます。中国がSO2の削減に取り組んだため温暖化のペースが加速した、と取る必要があるのです。
1750年時と比較した各種気体の放射強制力の変化。SO2は地表付近を冷却する方向に働いてきた。IPCC AR4 WG1 fig.2.21参照より。
次に、
・「大気中のSO2を取り除くことが温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を大気中に長期間残留させることを招いており、その結果、温暖化が再び明確になりつつある」
という文。
SO2が減ったからと言ってCO2が大気中に長期間残留するようになるという話は、私は聞いたことがありません。そうではなく、石炭を燃やした時に排出されるCO2(温暖化を進める方向に働く)とSO2(温暖化をと抑制する方向に働く)のうち後者のみを削減したため、温暖化傾向が顕著になっている、ということでしょう。
「排ガス中のSO2を取り除かれるようになった一方で、温室効果ガスであるCO2はそのまま排出されており、その結果、温暖化が再び明確になりつつある」くらいの表現がより正確なのではないでしょうか。
言うまでもありませんが、SO2排出量を削減するのは非常によいことです。地球温暖化問題は確かに深刻な問題ですが、だからと言ってSO2による健康被害を許容してよいはずはありません。SO2を増やすことではなく、CO2を減らすことによって、温暖化対策は達成されるべきでしょう。
・・・そもそも、1998年~2008年くらいの時期は本当に温暖化のペースが緩まっていたのかという疑問があります。また、例え温暖化のペースが緩まっていたとしても、それが二酸化炭素や二酸化硫黄で説明できるとの考えも、やや疑問があります。
世界平均気温の推移(再掲 )。温暖化が緩まっていたとは見えないが・・・。
なんだかちょっと、もやもやするニュースでした。原文が見つかれば読んでみたいところです。
2011/07/18 07:30追記
「忘却からの帰還 」のHPで詳しく紹介されていました。こちらもぜひ。
2011年4・5月の気温
恒例のを書いてなかったので、2か月分まとめて。
気象庁
によると、2011年4月の世界平均気温は、1981年~2010年の30年平均気温に対し+0.12℃を記録しました。これは観測史上第8位の高温となります。
さて、5月18日から、30年平均気温の期間が変わりました。これまでは1971~2000年を算出基準としていましたが、2010年の気温が確定したことにより、直前30年の範囲が切り替わったのです。
また、グラフの表記も棒グラフから折れ線グラフに変わりましたね。より見やすくなったでしょうか。
次に2011年5月 。こちらは、直前30年の平均気温に対し+0.43℃で、これは観測史上10位の高温にあたります。
電力確保
原子力発電は、次の発電が軌道に乗るまでの中継ぎだろうとは思います(火力や水力などあらゆる発電法が中継ぎとも言えますが)。
次の発電が、例えば核融合のような新規のものになるのか、風力や太陽光などの複合によるのかは分かりませんが、原子力に代わる発電法を検討するのは重要です。
が。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110624/scn11062418380001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110626/scn11062612000001-n1.htm
記者さん、いくらなんでも・・・。
「(科学に関する)基礎的な知識が不足しているかもしれない」自覚があるなら、科学担当記者に同行してもらうか、せめて記事をチェックしてもらうくらいはできなかったのかなあ・・・。
プジェウエ火山
6月4日、チリのプジェウェ火山が噴火しました。
大きな地図で見る
かなり大規模な噴火になっているようです。
http://labaq.com/archives/51671604.html
の写真集など、かなりの迫力です。
この火山、典型的な成層火山のようですが、過去の噴火はどうだったのでしょうか?
global volcanism projectによると、9~10世紀ごろににVEI=5クラスの噴火を起こしているようです。巨大な噴火をもたらすポテンシャルはあるようです。
今回の噴火は、今のところVEI=3程度との報道が多いようですが、一部にはVEI=6に達しているとの記事も見られます。
この情報は検索した限りでは他には見つからず、いささか疑わしいものではないかと思います(噴煙の高さから判断してもVEI=6にしては低いようです)。が、仮にVEI=6クラスとなると、1991年のピナトゥボ火山の噴火に遡ります。この時は噴出したエアロゾルで地球の平均気温は0.5℃ほど低下したと考えられており、世界の気候に影響を与えるレベルになります。
ちょっと気になります。