こんにちは!TOOLBOXの室本です。
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2017年3月19日
車種:トヨタ MR-S
型式:TA-ZZW30
年式:平成15年式
作業依頼内容:時々走行不能
常連さんのMR-Sです。
いつもありがとうございます!
通勤途中で走行不能になってしまったとの事でお預かりです。
しかし、預かった段階では絶好調・・・
まぁよくあるパターンですね(笑)
以前も一度走行不能になった事があったのですが、その時と症状が似ているとの事。
早速、スキャンツールを繋いでみると、
ミッションコントロール系統
P0942:HPU蓄圧系統
というコードが出ていました。
実はこの車はシーケンシャルミッション車で、以前のトラブルの際もシーケンシャルECUの不調でエンジンが始動しなくなっていたんです。
ECUがシーケンシャル系統に異常を検出すると、安全を見てエンジンを始動できなくする様です。
・・・なかなか迷惑なシステムです。
実は前回の修理の際に、
「多分すぐにポンプやアクチュエータも悪くなりますよ」
などと商売臭い(?)事をディーラで言われていたのですが、どうやら現実に起こってしまった様です。
しかし、本当に悪い箇所は違うところにある可能性もありますので、まずはシステムを確認して、現状の情報を基に修理箇所を特定します。
まず今回故障コードがでている内容ですが、
HPU(ハイドロリックポンプユニット)の内圧に異常があるという内容なのですが、この時点では圧力が高すぎるのか低すぎるのかは分かりません。
しかし、圧力をモニターしているセンサーは一つだけなので、規定圧より高くなる可能性は限りなく低く、モーターが異常駆動しない限りなり得ません。
まぁこの場合はポンプユニット交換となりますね。
逆に油圧が低くなる可能性ですが、
蓄圧されている個所は正常なら囲みの中だけ。
この系統の油圧保持ができないとなると、
・チェックバルブ
・クラッチ油圧ソレノイド
・マスタ油圧ソレノイド
の不良の可能性が考えられます。
しかし、ソレノイドの不良で油圧が下がっているのなら、恐らくンミッションが誤作動するはずです。
後は外部へフルードが漏れている可能性もありますが、その場合は油圧保持できない位の漏れがあった場合は復旧はあり得ません。
実際のフルード残量も、
減ってはいますが空ではありませんでした。
現在の数値自体は普通なようで、時々不調が起こる事を考えると電気系統の不調の可能性がある様に思いますが、
配線はいたってシンプル。
・ポンプASSY
・ハーネス
・ECU
この中のどこかです。
ソレノイド系統は先述のとおり誤作動を起こすはずなので無いと仮定すると油圧センサ系統がやはり怪しいです。
そしてECUは前回交換していますので大丈夫と仮定すると残りは、
・油圧センサ
・ハーネス
という所まで絞れてきます。
今どきの国産車でハーネスの断線というトラブルは、ノーマルで普通に乗っている車では皆無なトラブルです。(エンジンハーネスなどの熱の影響をモロに受ける所は別ですが)
通常この様な状況の場合、作業が安上がりな油圧センサー交換をまず行うのですが・・・なんと単体部品の供給は無くポンプユニットのアッセンブリ交換との事。
・・・結果的にはディーラーの言うとおりになりますね。
予算の都合等を説明してお客さんと相談した結果、ポンプユニット交換を行う事に。
早速作業開始です。
ポンプユニットはエアークリーナ下に付いていますので、まずはインテーク周りをバラします。
ポンプユニットはボルト4本で固定されているだけなので、比較的簡単に取り外せるのですが、
この3本のホースを抜き取るのがなかなか大変・・・
取り付け部に砂が詰まっているのかなかなか抜けてくれません。
なんとか一本は抜けたのですが、残り2本はどうにも抜けてくれません。
どうにもならないので純正の特殊工具を手配。
驚き価格でした・・・
しかしこの工具をもってしてもなかなか抜けてきません。
買ったばかりの工具が壊れそうになりましたが、格闘の末なんとか取り外せました!
ようやく取り外せました。
ポンプのラベルを見てみると・・・なんとLUK製!
デンソーじゃないんですね。
これじゃあ圧力センサー単品は供給されませんね。
新品のポンプです。
やはり英語の説明書が入っていました。
フルードは充填済みで、そのまま取付けできる様です。
高圧ホースを接続前に砂やゴミを清掃。
Oリング部にはシリコングリースを塗布して取り付け。
インテーク回りを組み立てて作業完了です。
今回の作業なら必要無いかもしれませんが、クラッチストローク量の初期化も念の為ディーラーにて行ってもらいました。
MR-Sのシーケンシャルミッションは古くなるとよく壊れる様で、
・シーケンシャルECU
・ポンプユニット
・アクチュエータユニット
とどれをとっても高額な部品ばかり・・・
ディーラーでは3つとも同時交換を薦められているそうですが、この3つを同時交換すると、
中古車でもう一台買えてしまう!
普通なら修理は断念されてしまいますが、今回の車両は作業を同時に行っていない為、一気に出費す
ることなく乗れています。
ある意味賢い乗り方なのかも?
もちろん高額修理をせずに乗り換えるのもアリですが、オーナー曰く
「欲しい車が無い」
との事。
今どきの車よりちょっと古いこの位の年代には楽しい車がよくありましたからね♪
修理としては高額になってしまいましたが、少なくともこれでポンプユニットは新車と同等になりましたので、当面の故障の心配はいりませんからね。
一気に新車を購入するのも良いかもしれませんが、気に入った車をチョットづつ修理しながら乗られても新車をローンで購入するほど費用はまず掛かりません。
「修理代=車のローン」と捉えて大事に乗ってあげてくださいね!
444-1222
愛知県安城市和泉町大海古3-12
くるまの修理屋さんTOOLBOX
TEL:0566-55-4015
E-mail:muro.gnomise@gmail.com
URL:http://www.muro-gnomise.com/
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