けものフレンズ 海外との温度差 後追いまとめ視聴と初期から毎週見ていた人との差 | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

 

 海外のリアクションyoutuberで、初期から継続し11話まで視た人はどうも2名だけである。このすばを見直す際には、必ず一度リアクション動画も確認していた。このすばは、海外でも非常に人気でリアクション動画も多く、その面子も個性豊か。日本人なら気付く笑い所や細かい仕草などに、海外の人は気づくだろうかと楽しんでいた。

 

 

アニメを数多く見た人程、最初はとまどう異色性

 けものフレンズは、クオリティが高いとはいえないCGが海外のアニメファンには受け入れられず、大半の人が早々にリタイアしている。また海外の反応をみると、作風が幼児向けという認識が多く、日本のアニメを数多くみて目が肥えてしまった人ほど、継続視聴には耐えられない傾向にある。

 

 

継続視聴とまとめ視聴の利点と欠点

 日本での快進撃は、海を超え海外でも鳴り響いているようで、それを機会に見始めようとしている人も多いようである。しかし、これからまとめて視聴する人が、果たして当初から継続視聴していた人ほどの強烈な衝撃を受けるかといえば、同じレベルでの感動を共有する事はきっと出来ないと思う。

 

一方、まとめて視聴することで、後から再評価につながる作品もある。私自身も後からのまとめ視聴で、最初に一週毎に見ていた時よりも面白く感じる作品がしばしばある。

 

 しかし、世間でかなりの高評価を得ているにも関わらず、まとめ一気視聴をしたことで、世間での評判ほど面白くは感じなかった作品がある。覚えているところでは「四月は君の嘘」という作品である。

 

この作品は、まとめて一気に視聴してしまったために、キャラに対する思い入れも薄くなってしまった。感動してほしいシーンや、泣いて欲しいシーンが透けて見え、キャラへの感情移入とのギャップが生じた。そのため、この作品を愛している人や高評価している人が口にする感動を、同じレベルでは感じず、勿体ない事をしてしまったと今でも惜しい気持ちでいる。

 

 

けものフレンズは継続視聴がお勧め

 話を戻すと、私が四月は君の嘘で味わった感覚を、けものフレンズをこれからまとめて一気に視聴する人は味わうだろうなと思うのである。

 

現在巷ではけものフレンズは、今期アニメの中ではこのすばと同等、あるいはそれ以上の話題性を持って語られている。今期No.1の話題作といっても過言ではない状況である。すると当然これまで敬遠していた人、1話や序盤でドロップした人、あるいは後からまとめて見ようとストックしていた人などが、まとめ視聴してみようとしている頃合いかと思う。

 

しかし、まとめ視聴をしても、当初からリアルタイムで視聴している人が絶賛している口コミや、巷の評判を実感できるほど面白く感じるかといえば、残念ながらそう感じない可能性は結構高いように思う。

「言うほどか?」「過大評価ではないか?」と評価する人も一定数いるはずである。しかし、それはごくごく自然のことだと私は思う。

 

 

思い入れに差が生じる

 最初あるいは序盤から見ていた人は、けものフレンズのキャラや世界観に三か月近く触れ、その間、あれやこれやと様々な楽しみを見出し語り、ここが好きだと、ここがツボだったなど放送期間と同じだけの時間を共有している。

 

そのため、物語への洞察やキャラへの思い入れは、容易に想像できるほに差が生じている。この物語はこう帰結してほしいといった願いや期待を持ってしまっている。後追い視聴で一気に追いついた人たちとの差は、ここに決定的な差があると思う。

 

 

皆が同じ熱量と歩幅で楽しめるオリジナルアニメ

 けものフレンズは、オリジナルアニメであったという点も功を奏した。なにせ製作に関わっている人以外、誰もこの物語の結末は知りえない。既存作品の場合、思わぬ拍子でネタバレを目にしてしまったりすることもある。

 

誰かと作品の面白さを語る場合にも、作品を知っている人と知らない人とでは、なかなか同じ熱量で作品を語れないけれど、けものフレンズは皆が同じ熱量と歩幅で、この作品の良さや面白みを語る。そこには、この作品を通して生まれる不思議な共有感覚が時に生まれたりすることもあり、思いがけない副産物があったりする。

 

 

けものフレンズの世界観

 物語序盤は、キャラの無邪気な様子と眼前に広がる世界を、ゆっくりと一緒に旅していくようなそんな雰囲気があった。しかし、その背景にはどこかそれだけではない様子がうかがえ、両方の楽しみ方を並立させながら視聴していた。作品を通して、巧みにコントロールされた情報の出し方もあって、楽しかったり笑ったり、そして涙を誘われるような、当初は思ってもみなかった物語へと変貌を遂げていく。

 

 

もらい泣き
 衝撃の11話を見た後、少し時間をおいて海外のケモノフレンズのリアクション動画を探し、男性と女性の1人づつを見つけた。彼らが、11話のラストで襲われた衝撃と、その直後心が整理されるにしたがって大きなショックを受け、涙を浮かべている様子を見ると貰い泣きしてしまうのである。

 

自分も11話を見て同じ心境に立たされたため、きっと今はこんな気持ちで、サーバルちゃんやかばんちゃんが笑って楽しく過ごしていた事を思い出してるんじゃないかな、と思うとやはり感慨深く胸を締め付けられます。

 

 

第一話の特殊性

 そして、頭を整理して11話を見た後に、1話を見直してみると、そこにはまったく違う景色が広がっているのですから信じがたい。

 

1話については多くの人が脱落したように、この作品に何か優れた作品の予兆といったものを感じる人はあまりいなかったのではないかと思う。私自身もそうであった。その後第1話を何度か見てみると、そのたびに心境の変化を感じるのだから本当に不思議である。

 

 

繰り返すほど味わいがでる丁寧に作り込まれた第一話

 1回目40点、世界観の考察のために見直した2回目60点、物語の方向性がやや変化してまたなんとなく見直してみると75点、11話を見て再び頭を整理する。

 

そして、第一話の物語冒頭で、かばんちゃんの気持ちや成長について、改めて深く思いやりながら見てみると、自分でも信じ難いことに全く別の作品を見せられているような気持ちになる。

 

無垢な存在として生を得たばかりのかばんちゃんが、不安から心の安定を取り戻し、サーバルちゃんに心を開いていく様子など、そうしたものを親のような気持ちで見てみると表現しがたい気持ちに至る。

この時はもう90点以上くらいつけたい気持ちで、振り返って気づくキャラへの思いやりというものに改めて気づかされる。 

 

長い時間を通してみたこともあるが、1回目と振り返って見直した結果が、ここまで感じ方の違いを実感できる作品はそうはなかった。この心境は魔法少女まどかまぎかで、暁美ほむらの真実が明かされた時の既視感に近いものがある。暁美ほむらのときも、事後的に明かされたことで気づく、キャラの洞察やキャラの気持ちを見直すことで、まったく別の作品に感じるような心地よさがあった。

 

この作品をもしこれから視聴するのであれば、あまり急ぎ足でまとめてみないで、ゆっくりと作品の世界を満喫してほしいなと思う。

 


最終話は信じて待つのみ。。

 

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