あやしいぞ! かんぽの宿一括売却
かんぽの宿の、オリックス不動産への一括売却が問題になっている。昨年の競争入札でオリックスが落札したのだが、鳩山総務相はその不透明性や落札価格の低さに疑義をはさみ、売却を認めていない。きのうの国会で鳩山は、「ものすごく低くしてそれより上で売れば利益が出るような形にするのは、ある程度の作為でできるのではないかと疑っている」「バカなことをするのではなく、地域に根ざして生まれ変わってほしい。……国民が納得できる金額で(売却し)、それぞれの地域で観光振興などに役立ててほしい」といっている。「私の友だちの友だちはアルカイダ」といったときの鳩山は馬鹿面にみえたが、今回の発言はまっとうだと思うねえ。
その鳩山にたいして強い批判を加えるのは、郵政民営化を推進した竹中平蔵だ。テレビにたびたび登場し、一括売却の正当性を主張する。コメンテーターはそれをよいしょするか、異議をとなえるものは論破される。つまり竹中側に立つコメンテーターか、竹中に論破されるようなコメンテーターしかテレビ局は使わないのかと疑ってしまう。朝日新聞も、鳩山は正当な売却に横やりを入れているという批判を社説でしていた。メディアはまるで小泉・竹中カイカクの代弁者のようだ。
かんぽの宿一括売却問題については、社民党の保坂展人http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto
とエコノミストの植草一秀のhttp://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/
が追究している。この問題を通じて、郵政民営化とは何だったのかという真相をさらけだしてほしい。
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辺見庸が「水の透視画法」という新聞連載に書いていたことだが、あるとき胸に文のかけらが浮かぶ。「黄昏の影は灰色の水……」。この文の出典が思い出せず、地中海にいる友人に電話をしてようやく知ることができた。それはカミュの『ペスト』。アルジェリアのオランという港町にペストが発生する。外部と遮断されたオランの夕暮れが描かれる一文である。その、ぞっとするほど美しい光のたゆたいに、辺見はうっとりし、やがて身がすくむ。ペストという「暗喩としての疫病はオランの市境をとうにこえ、いまや大恐慌となり、人倫の崩壊となり、新型インフルエンザともなって世界をおそうおうとその無辺際性こそが21世紀のペスト=「パンデミック」(世界的感染爆発)の本質ではないか」。辺見は「私たちが現在ペスト禍のただ中にあるように感じた」。そして、「黄昏の影」がさすオランの風景のなかに人がどうみえたか、「とり残された亡霊のように」とカミュは書いている、と。
メタファとしてのペストは経済恐慌であり、人倫の崩壊であり、新型インフルエンザであり、重層的だ。さらに環境破壊、戦争というペストが重なるだろう。パンデミックをくい止めるにはどうすればいいんだろうか。ジャーナリストとして世界中をめぐってきた幅広い経験をもち、状況を透徹した目でとらえ表現する辺見の書いたものにはいつも考えさせられるねえ。
四川地震、その後
昨年5月に中国四川盆地の西辺を流れる岷江(長江の支流)中流あたりを震源として、大きな地震が起こった。被害は広範囲に及び、メディアは被害状況を連日報道していた。被害地域は僕にとって馴染み深いところもあり、人ごとではなかった。
岷江から西は山岳地帯となる。四姑娘山を主峰とする邛崍山脈が立ちはだかり、パンダの保護区の臥龍もこの谷あいにある。邛崍山脈の東側すなわち岷江側は大きな被害を受けて、今も道路は寸断されたままだ。
この山脈を西に越えると、チベット系少数民族の住む地域に入る。東側の震源地帯と150キロほどしか離れていないが、人的被害はほとんどなかった。
その山麓に日隆という村がある。27年前、この村を基地として四姑娘山という峻険な山を登った。あのときの日隆は、チベット族と漢族がともに、放牧で得られる乳製品やわずかばかりの農産物を日々の糧として、ひっそりと生活する静かな村だった。いまや、国内外から多くの人々が惹きつける観光地となっているそうだ。
この日隆の四姑娘山自然保護区管理局につとめる大川健三さんから、現状の報告をいただいた。大川さんは長年この地で環境保護にとりくみ、写真家としてこの地域の自然と人々を撮りつづけ、写真集も出版されている。
以下、大川さんの報告を引用させていただく。
「昨年は四川地震で大きな被害を受けた四姑娘山麓に住むギャロンチベット族の村の人達に多くのご援助を下さりありがとうございました。
当地では毎朝凍り付く日が続いていますが、村の人達は元気に過ごしております。これも日中文化交流市民サークル'わんりぃ'や横断山脈研究会や神楽坂建築塾それにアメリカの有志の方々からお贈り頂いた電気毛布のお陰で、皆深く感謝申し上げております。
当地は間もなく長い春節(1月26日)の休みに入りますので、その前に地震復旧状況をご報告させて頂きます。
地震の後、初めて改築された家が出て来て(写真dvillage060)、お目出度いことだと皆喜んでいます。この家は2階部分や周辺の門や石垣が崩れましたが(写真の右後ろ側に元の家が見えます)、地震の前から改築する予定で工事の準備をしていましたので、速やかに改築できました。しかし地震で観光客が殆ど来なかったため収入が激減してしまい、家の外見は立派になりましたが家計は苦しそうです。そのため改築したものの3階部分は内装できず、家具類も新しい家に不似合いな古ぼけた昔の物を使っています。
それでもこの家に住める人は良い方で、家が壊れて住めなくなり、道路際等の狭い場所に小屋掛けしてこの冬を越している村人が沢山います(写真dvillage063)。この写真は長坪橋から少し奥へ入った小屋掛けが幾つも集まっている所で、お婆さんが凍り付くような水で洗濯していました。みすぼらしい小屋掛けと、後方右手に見える地震の被害を殆ど受けなかった白い大きな鉄筋コンクリート建てのホテルが対象的です。政府も色々援助していますが被災者が多いので一人一人には十分に援助できません。
注:村の民家が地震に脆かったのは、石を泥で固めながら積んだだけの構造だからです。そのため村の人達は、地震後に改築する家を石をセメントで固めながら積みたいと言っています。
政府の援助は個人に現金300元&米15kg/月、衣服、布団等。小屋掛けに一時金2000元。家の改築に供与2万元前後と貸し金2万元。他に道路や水道等の整備への援助も有ります。
村の人達の多くはこの春節で英気を養ってから地震で壊れた家の修復改築を始めますので、今年も忙しく物入りな日が続きます。先ほどの改築した家の人も、この小屋掛けの集落に住む人達も、早く観光客が戻って来て仕事が増え、収入が元の水準に戻る事を願っています。
政府の援助も関わっていますが、長坪村に診療所(衛生站)を作る資金の目処がほぼ付きました。これも皆様のお陰です。
前回の報告で、この診療所の建設予算は10万元強だと申し上げましたがこれは建物だけで、酸素吸入器を含む医療器具やベッド等の設備に6万元位掛かります。
しかし日本のNPO Earth Works Society や成都の旅行社が既に合計7万元をご寄付下さり、アメリカの基金も6.5万元の寄付を決めました。また政府も3万元位を援助する事になっています。
この診療所が建つ場所は地震直後に避難所の一つが置かれた場所で、以前お送りした事のある添付の写真(dvillage020)の手前にテントの屋根が見える所です。この場所を逆方向から撮ったのが写真dvillage063で、手前に小屋掛けが見えている場所です。この診療所は今年中に完工する予定です。
話は変わりますが、成都から四姑娘山へのルートは未だ丹巴がメインです。
臥龍を経由して巴郎山を超えるルートを一部のトラックが行き交うようになりましたが、未だ道路状況が良くないため殆どの車両は丹巴と夾金山のルートを使っています。
特に旅客の安全を重視する公共バスは丹巴ルートを使う事が多いです。
今年1月時点で、政府は3月末までに更に臥龍ルートを整備して小型車や公共バスも通れるようにすると言っていますので、期待しています。
なお私はこのご報告をさせて頂いた後、家族が居る丹巴へ行って暫く休養させて頂きます。
皆様のご活躍を遠い中国のガンツー・チベット族自治州からお祈り申し上げております。」
傷だらけの憲法
きのう、新しいアメリカの国家元首である大統領が誕生した。オバマは歴史に残る大統領になるであろう。世界最強の軍の最高司令官として戦争を遂行する権限が与えられている。就任前からいろいろな政策をかかげているが、そのなかで気にかかるのは、アフガンへの3万規模の兵力増強だ。就任演説では、イラクの国の将来はイラク人民にまかせるが、アフガンでは「平和を構築する」といっている。圧倒的兵力をもってどのように平和を築くというのだろうか。ブッシュが自衛といって、あの凄まじい攻撃をアフガンに加え、国土をぐちゃぐちゃにしてタリバーンを壊滅状態にまで追い込んだ。しかしいま、タリバーンは息を吹き返している。
就任演説する前に、新大統領は必ず憲法に明記された「宣誓」をする。「合衆国大統領という職務を誠実に執行し、最大限の努力をかたむけて合衆国憲法を維持し、守り、擁護することを誓う」というものだ。絶大な権限をもつ大統領に、最高法規である憲法を維持し擁護することを誓わせているわけである。それが憲法のもつ真価であり、力だろう。
平和憲法をもつこの国はどうだろうか。1947年発布以降、これほど憲法が軽んじられることがなかったのではないかと僕は思っている。小泉政権のイラク自衛隊派兵にはじまって、空自のイラク空輸活動、海自のインド洋における給油活動、こういう憲法の逸脱を自公政権はくり返した。また、郵政民営化法が参院で否決されたとき、国権の最高機関の決定に首相の小泉は従わなければならないのに、それを不服として衆院を解散して、国民投票のような総選挙に打ってでたのは、41条違反である。最近では、麻生が金融サミットのときにIMFに10兆円の資金を外貨準備から拠出したが、国費の支出は国会の議決に基づかなければならないと規定する85条に違反している。これについては植草一秀
氏のブログ「知られざる真実」 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/
にくわしい。
これほど憲法がないがしろにされている。
不調……
まずはいろいろな書籍を購入し、勉強しはじめた。なかなか奥が深い。胃や心臓、腎臓、膀胱、肺などのいろいろな臓腑の経脈が身体をめぐっていて、その経脈上にあるツボに鍼や灸をすえて、病を癒すのであるが、ツボの正確な位置がなかなかつかめない。ただ、対症療法的にツボに刺激を与えればいいというものでもない。指先で経脈をたどりながら
そこで、寝たきりのお袋の身体で試してみる。イラストで描かれた経脈マップを見ながら指先で経脈をたどる。ツボのあたりを丹念に指をはわせると、へこんでいたり、ブヨブヨした隆起があったり、よくわからない。鍼灸師はその感触で病状を感じとり、治療するのだろう。
そこまで素人の俺にできるはずない。とりあえず、お袋は心臓と肝臓が悪いことはわかっているので、そのツボのあたりに灸をすえることにする。まだはじめたばかりだが、少しはよくなっているという自覚はあるのか、植物状態のお袋は何もいってくれない。表情の変化に目をこらし、身体の微妙な反応を感じとるしかない。
井穴(せいけつ)という手足の爪の生え際を刺激すると、飛躍的に免疫力が高まるらしい。そんな素人でもできることから少しずつはじめている。
麻生よ、消えてなくなれ
あのまれに見るバカ総理が「百年に一度の経済危機に選挙やっている場合じゃねえ、政局より政策だ」などと、アメリカで大統領選真っ直中のときにトンチンカンなことをぬかして、解散を逃げて以来、もう迷走がつづいている。朝令暮改をくり返すは、漢字は読めいないは……。肝心の経済政策だが、目玉といえば、評判のかんばしくない2兆円の定額給付金だ。効果はほとんどないだろう。第二次補正の年内発表もない。もうこんな政権は要らないね。
11月の金融サミットで麻生は、新興国・中小国向けの金融支援のためにIMFに外貨準備から10兆円の資金を拠出すると発表した。そんな巨額の資金を拠出できるだけの財源が外貨準備にはあるということか。外貨準備はそういうところにつかってもいい金なのかねえ。この10兆を定額給付金にまわせば、相当の内需促進効果が見込まれるだろう。外交というのは自国を最優先に、各国と調整するこのじゃないのか。
この麻生のバカさ加減を見せつけられても、福岡8区の有権者は次の総選挙で当選させてしまうのだろうか。
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来年一月に黒人初のアメリカ大統領が誕生する。オバマは就任後16カ月でイラクから米軍を撤退させるといっているが、アフガンには兵力を増強するといっている。当然日本にも相当強い姿勢で支援を望んでくるだろう。オバマは、ブッシュの単独行動主義との違いを際だたせ、対話と協調を協調する。だが、アフガンにたいしては対決姿勢を強めるのだろうか。アフガンがオバマ政権の躓きの石にならなきゃいいけどね。
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「芥川だより」29号アップ。「〝エヴェレスト〟という山」の連載を再開した。




