2019年7月19日(金)午後9時1分 仙台市青葉区/仙台駅西口


 新幹線ホームと青葉通りが面する西口が、仙台駅の"正面玄関"なのだろう。ひとまず初日の行程はここまでとなっている。
めぐ「今日はこれ以上やめて。」
もも「ああ、また詰め込んだから早めに寝て備えようって?」

 今夜は"前乗り"も果たしたことなので、そのまま締めくくろう。向かう先は2年半前(2017年1月)と同じ"キャンプ地"。
なぎ「また、あのネットカフェでフラットな。」
さく「まあ結局そうなるんだよ。」

3.仙台21:14発→勾当台公園21:17着 泉中央行き 仙台市1309
 こちらは2年半前以来であり、今回も"メインイベント"の1つに組み込んでいる地下鉄。開業当時からの年季入った車両のはずが、リニューアルされて古さを感じさせない。車両そのものは後に触れておきたい。今夜は2駅乗るだけなので、立ちスペースで3分。


 着いたら見送って小休憩のち、仙台一番町のネットカフェへ向かおうか…。
もも「予定って朝、何時よ?」
さく「どうかな…?一応仙台の駅が朝7時だから、遅くても6時過ぎぐらい?」
なぎ「…早い時間とかあるけどいいのか?」
めぐ「…ちょっとまだ固まってないのよね。」


(S)仙台市地下鉄運賃:仙台→勾当台公園 200円
 やはり2年半前以来となる勾当台公園の駅通路。最寄り駅そのものは2つあり、1つ手前の広瀬通が該当する。同じ運賃で乗車時間を少々でも長くしたいと勝手に考えたのが、勾当台公園を"軸"にした理由だ。
さく「それと、距離もほとんど。」
なぎ「誰が決めた、あんま変わんなかったけどさ。」


 地上に出ればやはり同じ道のり。金曜夜に閉まっているところは閉まっており、横目に見れば"飲み屋街"を形成している。
もも「初日から疲れてんじゃないの。」
めぐ「まあ、これ荷物あるからね。」


 そして一番町の歩行者用アーケード。ここまで来れば、目的地となるネットカフェはすぐ近い。
なぎ「じゃあ早いけど、今日はお疲れ。」

 いつもより到着も早いので、ネットカフェでは例によってフラット席を選択し朝までゆっくり過ごそう。
めぐ「で…、ちょっとやっぱ朝早くした。」
もも「早くなって…、いいんだけど遅刻とかない?」

 シャワーも1回15分目安に"短縮"されたものの、無料で使い放題になっている。仕組みとして伝票バインダーをフロントに預けることなく、そのままカギのかかっていないシャワー室(3室)に向かえばいいという。当然ながらカギをフロントに戻す必要もない。

(A)フルフラット席・祝前日9時間パック(快活CLUB仙台一番町店) 2484円
 このネットカフェはauPAYが使えるのもいい。今回は3夜連続で滞在する予定となっており、その1夜目。出発が早くなったため、朝食メニューなどは頂かずに出発する。


 仙台市青葉区、一番町で迎えた朝。昨夜までの天候や予測に反して晴れている。土曜日の午前5時52分、出歩く人はほとんど見かけない。
もも「…引き分け。」
なぎ「いいだろうよ、まだ1本ぐらいなんだし。」
さく「それでだけど、今日は左に沢で"あてらざわ"。」

 予定より早めて左沢へ向かい、仙台に戻ってからも空き時間が生じる。それを使用して利府へ向かうパターンを、今回は予め用意していた。
もも「それで詰め込んで後々ね…。」
めぐ「そうすると、3日目楽なるじゃん?」

(現)仙台市地下鉄乗車券:勾当台公園→北仙台 200円
 コインロッカーに大荷物を預け入れようとすると、小銭が足らないことに気づく。そこで先に乗車券を現金購入し、コインロッカーの400円を確保。
さく「要するに南千歳…。」
なぎ「今日はそんな遠く離れん。」


(現)コインロッカー小(勾当台公園駅) 400円
 改めて、大荷物を預け入れてスタート!


4.勾当台公園6:02発→北仙台6:07着 泉中央行き 仙台市1218
 僅かに時間的余裕を失っていたため、2本目の電車へ乗り込もう。この場合は接続路線が少なく単純であろう、北仙台に出たほうがわかりやすい。
めぐ「仙台だと…、なんかごちゃごちゃ。」
さく「わかる。地下も結構あるんだよね。」


 JR仙山線に乗り換えよう。地下鉄の駅からは案内表示が出ており、外へ出て歩けば近いはず。正面には大規模な集合住宅が構えている。
もも「…アンタら直結以外向いてないんじゃない?」
めぐ「いや、ここはたぶんすぐだよ。ほら着いた。」


 JRの北仙台は、モダンなデザインの平屋建て駅舎を持つ。駅前広場はあまり広く見えない中、タクシーが早朝から待機していた。今回はここから左沢線など、JRの未乗車路線を制していきたい。
さく「ま、ここでゆっくりする時間もないんだし。」
なぎ「いいから行けって。」

(現)青春18きっぷ(JRグループ) 11850円
 なお消費税率10%となった2019年度冬季からは12050円となった。また2024年度冬季からは5日用が連続使用に専用化されるようになったほか、同じく連続使用専用となる3日用が10000円で新規設定されている。


 仙山線の途中駅であり、1面2線の島式ホームで十分間に合うもの。曲がりなりにも主要駅であり、快速はすべて停車する。
さく「うん、やっぱ北仙台にして正解。」
もも「本当、そう?乗ってから仙台がよかったとかない?」


 現在はE721系のみで運用されている仙山線。セミクロスシートの4両はそれなりに乗っているので、適当に座って山形へ向かおう。
(杜の都仙台、野球の遊園地へようこそ!? つづく)


めぐ「ということで、2日目の冒頭まで見ていきました。そんな2日目に左沢線を制する計画が本命であり、利府は3日目にも回せると考えていました。それを2日目に集約させることで、青春18きっぷを使用するにも有能となります。それでは一旦、ここで失礼します。」
 

 

2019年7月19日(金)午後6時56分頃 さいたま市中央区/さいたまスーパーアリーナ付近


2.東京18:36発→仙台20:49着 新幹線やまびこ217号/仙台行き E621-19
 さいたまスーパーアリーナを横目に見ると、そのままもう少しで大宮に停車する。ここまでが3年半前(2016年1月)に、新幹線として見ていない景色だ。
もも「で…、今度は右見てないからってね。」
さく「あ、前って左だったっけ?」


 大宮までにある程度座席が埋まってきた。ここからは上越・北陸新幹線が分かれており、東北新幹線も線路容量に余裕が出てくる。外を見ると、どうやら雨が降っている模様。
さく「これ、野球も雨だったらどうしよ…?」
もも「さあ…?そのために2日続けたんじゃないの?」


 ここからは速度も上げていく。乗っているのは『やまびこ』なので、宇都宮まで最高速度は240km/hとされていた。夏至を過ぎた時期に午後7時を回っており、周囲もすっかり暗くなってきた。
なぎ「…食べようか?」
めぐ「じゃあ、そうする。」


(S)チキンカツオムライス~デミグラスソース~(エキュート京葉ストリート/東京京鳥) 900円
 持ち運ぶ際に型崩れしたのはご愛敬。少々高価格なものだけあって、さすがのレベルを見せてくれる。チキンカツは小ぶりながらも、厚みがしっかりして食べ応え十分。デミグラスソースはトマトなど野菜の酸味が強く、ラタトゥイユとかそういう系かと…。
なぎ「そういやあった、大阪のヘルメット。」
めぐ「またつながっちゃった。」


 小山は通過線を挟んで、2面3線式というホームの形。この区間は東北新幹線の"モデル線"として、先行完成後の走行試験に用いられていたらしい。
さく「なんでも、青いまま緑じゃなくって。」
もも「え、そうなの?東北に青なんか、全然。」


 宇都宮で結構な乗客が下りていく。相対式ホームに通過線という、新幹線の途中駅らしい構造。
もも「ここだったら下も、グリーン車とか使えるんじゃ…?」
さく「多分違うよ。時間短いほうとか、座りたいんでしょ。」


 ここからは『やまびこ』の最高速度が275km/hとなる。また2024年3月改正後は『つばさ』連結便もE5となり、一部は最高300km/hとなった。外の景色はすっかり見られない…。
なぎ「あきらめろ、さっきの話だって全部。」
もも「はいはい、失礼しました。」


(S)若鶏のチキン南蛮(エキュート京葉ストリート/ツカダファームトーキョー) 480円
 塚田農場自慢のチキン南蛮を、持ち帰りパックにてご提供。甘酢たれのかかった鶏唐揚げは、冷めてもそのままで個性をいかんなく発揮。そこへタルタルソースがかかれば、相乗効果でさらにパワーアップ!
めぐ「じゃあ次、ヘルメットの唐揚げをね…。」
なぎ「そんなん安直すぎ。」


 那須塩原も2面3線式に通過線というホーム構造であり、島式ホームはこちら側となる。通過を待つため少々停車するが、ここまででほとんどの乗客が下りていったらしい。
めぐ「ごめん、ちょっとゴミ捨て。」
さく「ああ、食べ終わったならついでに。」
なぎ「お前は自分で行け。」


 農家を"和モダン"にリノベーションし、その廊下のように仕上げたデッキはなかなか美しい。仕切りドアのガラスにも稲穂が描かれ、なかなか凝ったものだ。ゴミ箱はE3の0番台にあったとされる圧縮装置がなく、シンプルにして大容量なものとなっている。
めぐ「…これさ、やっぱり乗り足りなかったし。」
さく「ああ、やっぱ全部そうだよね。盛岡から仙台のノンストップ1回だけじゃ。」


 ひとまずメインはご馳走様。さあ、もう1品は何を選んだのか…?


(S)東京かみなりや5個入り(エキュート京葉ストリート/東京かみなりや) 700円
 2019年当時は東京駅限定で、通販もやっていなかった土産物。店頭の呼び込みに誘われて購入。米粉入りラングドシャとふわふわクリームが、ナッツやゴマとともに絶妙な食感を奏でる。東京銘菓『雷おこし』とはあまり通じておらず、雷様の角を形にしたもの。
もも「さーて、これをどうするのかしらね…?」
なぎ「食えってんだろ、今からどうせ。」


 手出ししているうち新白河に差し掛かっており、宇都宮と同様の相対式ホームと通過線を有している。反対側ホームには団体客が待ち構えていた。
めぐ「あそこ、なんか体育館じゃないけどオレンジの。」
さく「あー、なんか屋根も骨組みだけ。」


 小分けパック入りの『東京かみなりや』。箱から食する分だけ取り出し、残りは温存することもできた。
さく「だからって全部食べんでも…。」
めぐ「このクリームがね…。」
なぎ「わかったわかった。」

 その後は閉業したらしい。また2020年にどういうわけか、愛知県蟹江町の工場直売という形式で回ってきたことがある。


 郡山は那須塩原と同じホーム構成。福島は2面4線式に通過線といった組み合わせで、山形方向へ分かれる線路は実質単式といったもの。またやまびこ217号は不思議なもので、白石蔵王だけ通過する。
さく「そういえばそうだった。」
めぐ「前乗ったのって停まったし、そこが…。」

 もはや旅行班は自由な姿勢で過ごすことができ、残り短い乗車時間を各々好き勝手に。最高275km/hと微振動に揺られ、少々の眠りにつく。


 東京から133分かけて仙台にたどり着いた。隣はこまち37号がすぐさま入って、E6同士の並びが実現。連結するはやぶさ37号は青函トンネルをくぐって、北海道上陸を果たす最終便となる。
さく「これもなかなか壮観っていうか。」
なぎ「時間ちょっとかかるぐらいがちょうどいいもんだからな。」


 次に北海道へ足を運ぶ際も新幹線。実現するのは2022年5月になるのだが、当初からそれだけは決めていた。
(つづく)
 

 

2019年7月19日(金)午後5時25分 横浜市港北区/新横浜駅に到着


1.名古屋16:02発→東京17:43着 新幹線のぞみ234号/東京行き 787-1019
 例のアイスで遊んでいるとそのまま新横浜に停車し、そこそこの下車客が見られる。4月に『こだま』で乗車した際は内側の"本線"へ進んだことから、外側の"待避線"は『のぞみ』しか用いないのだろうかと考えたり。
もも「…車内販売って最初来た?」
めぐ「来たけどタイミングっていうか…、また。」


 少し食べ進められたアイスは"ロック割りに使う大きな氷"にも見えてくる。そこへホットコーヒーを注げば、どうなることか…?
もも「アイスにコーヒーでアイスコーヒーってんでしょ。」
めぐ「…いや、物理的な話。」


 アイスを味わい、のぞみ234号と共にそのまま東京都へ入った旅行班。品川が近づくまで、時間があっという間に過ぎてしまう。新幹線の駅が開業してからというもの、降車客は大いに分散しているようだ。
もも「ほら、もう東京。」


 名古屋から101分、そのまま東京に到着。最後に"ラージA"の車内全景を収めよう。照明がLEDになったのかはともかく、ヘッドレスト部分の突起は"スモールA"より大きくなっている。
めぐ「一応…、さ?初めてだし。」


 折り返しはのぞみ121号となり、岡山へ向かう。それにしてもこの時間、臨時『のぞみ』はすでに400号台に突入している。5分程の間隔で長距離長時間無停車列車を高速運転させるとは、なんとも…。
さく「次って、…36分だっけ?」
めぐ「まだ時間あるんだよね。」
もも「出た、また…。」
なぎ「いや、何か買えるだろ。」


 東海道新幹線の乗り換え改札を出ると、相変わらず行き交う人の多いこと。あったのは『エキュート京葉ストリート』。
めぐ「東京駅限定の。」
もも「絶対何かすると思った…。」

 では当初計画より30分弱程時間が浮いたことなので、ここで"夕食会"のモノを仕入れておこう。


(現)新幹線自由席特急券:東京→仙台 4100円
 そうはいっても、時間は無限にあらず。東北・上越・北陸新幹線のホームは合計2面4線式であり、東海道新幹線と比べても幾分シンプルにして手狭な印象。E4(2021年10月退役)のMaxたにがわ409号が、E5のはやぶさ35号とE6こまち35号と並ぶ。
さく「さすがはオール2階建てのド迫力。」
なぎ「ここなら飽きないだろうな。」


 こまち・はやぶさ35号が発車して程なく、こちらもE5とE6が連なって入ってきた。折り返し前も『やまびこ』であり、号数が2桁であったことから盛岡始発だとわかる。
めぐ「最初これ、グランクラスあるじゃん?それで17両なら、E6って。」
もも「本当…、そういうのだけはしっかりと。」


 カラーLEDに表示される緑色の『やまびこ』と、青色の自由席。これは『こまち』にて見られないものであり、座席指定する"フリ"をして17両編成であることを確認。福島以北での運用からE6と確信した次第。なおE3の0番台が2019年当時ごく少数だけ残っており、そちらが連結される場合は16両となった。
さく「…待つ時間って長いんだよね。」
なぎ「だから言うなって…。」


 車内の点検や清掃があるためすぐに乗車できない間、12両固定編成のE7も入ってきた。そちらは『かがやき』の折り返しが『あさま』になり、共通運用の長所が出ているようなもの。多種多様な車両が乗り入れるところが、16両固定編成たる東海道新幹線と最大の違いだ。


 そんなこんなで車内に入れるようになれば、その全景を収められるのが列の先頭で並んだ"特権"。在来線サイズとあって少々狭く、2列2列の普通車座席。収穫近い実った稲穂を連想させる黄色の座席色と、田舎の古民家を思わせる茶色い木目模様をした壁面。これが内装面で大きな特徴となる。
めぐ「これ結構好きだからさ、乗りたくって。」
もも「ああ、だからわざわざ…。」


(S)フロムアクア(JR東日本ウォータービジネス) 108円
 特に最前列は大きなテーブルもあり、電源コンセントをすべて独占できるもの。とりあえず"夕食会の用意"を並べておくとして、タイミングを見計らっていただくとしよう。

2.東京18:36発→仙台20:49着 新幹線やまびこ217号/仙台行き E621-19
 発車すると少しして地下へと進んでいく…。
なぎ「またタイミング?」
めぐ「…すぐ入っちゃう。」


 上野に停車してからもう少々進み、地上に顔を出したやまびこ217号。福島まではかつての『あおば』を彷彿とさせるよう、各駅に停車していく。


 遠目に見えたのは尾久の車両基地だろう。その中には見慣れない、シャンパンゴールドらしき色をした車両の姿が確認される。あれはJR東日本のクルーズトレイン『TRAIN SUITE 四季島』に違いない。
もも「ま、どうせああいうのなんかは。」
さく「多分ないかもね。当たらないとかも言うし、低予算。」


 赤羽からは埼京線に並行しており、帰宅時間帯で混雑するE233系7000番台と並走。3路線分が線路を共有している新幹線も、この区間は速度を抑えられている。
もも「本当、外から見る分には気分いいもん。」


 東京外環自動車道を跨ぐ新幹線と在来線。埼玉県内(関越自動車道)から千葉県内(東関東自動車道)までつながり、ひとまず環状道路としてある程度機能し始まった。日没を過ぎて暗くなる中、灯り始めた明かりが愛おしい。
なぎ「…道路の景色か?」
(つづく)