※引き続き選手名などを敬称略で表記します。
 

2019年7月20日(土)午後10時8分 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


 お立ち台は8回の好リリーフで勝利投手になった森原と、この日唯一得点となった犠牲フライの浅村。このところ自責点0が続いていたと…。
さく「…はい。」
なぎ「ちょっとは静かにしろよ。」


 最後にエアーハイタッチで締めくくり。
もも「ばーーーん!」
めぐ「じゃあ、もうちょっと。」


 すぐ帰っても混雑するので、もう少し留まろう。特別席の並ぶバックネット裏。3階から上は2006年に完成した構造体にあり、主に会員制のエリアとなる。放送席部分に取り付けられた『トラックマン』は、日本国内全12球団で初採用となっている。
なぎ「ああいうとこで見られりゃ、雨もな…。」
さく「前々から言ってたじゃん、アッパーデッキがなんだとか。」


 この形状の特別席はこれまでに名古屋,東京,福岡で見てきた。座面や背もたれにはクッションが入っており、通常座席より若干広く取られているはず。見たいところは多いこの球場だが、今日は雨。時間も遅いのであまり多く見られない。
めぐ「これね…、あんまり期待しすぎたらよくなくって。」
もも「アンタが2軍でたかだか1500円?そんなんでよく言えた立場。」


 3塁側内野席のうち、今回座った上段も2006年完成。固定セパレート式で肘掛けはないものの、背もたれは十分な高さがあって形状も悪くなかった。難点はやはり屋根がないことだが、構造からみるに容易でなさそうか。
さく「やーねーって?」
めぐ「いや…、最初濡れたじゃん。」


 バックネット裏にあった区画もそうだったように、ここは少人数グループ向けのみならずテーブル付きの個別座席も多い。特に2014年完成の『バイバースタンド』は、外野寄り上段にしてグレートも高い。
もも「ここだったらさっきのカレーも。」
なぎ「カレーはもういいってんだ、帰るぞ。」
めぐ「ごめん、トイレ。」


(現)ミウプラススポーツブルーオアシス(ダイドードリンコ) 130円
 比較的新しく清潔なトイレで用を済ませた後。外に出て帰りの飲料を確保し、後にしようか。球場の"顔"ともなる正面は、古来からの構造体に『ボールパーク養成ギプス』なるものを増築して仕上げている。これがなかなか美しい。
さく「これ、昔と全然違うんだよ。」
めぐ「こんな顔?じゃないけど、好きなのかな?」


 最寄り駅までは近いといえど、微妙な距離がなかなか苦しい。特に今日は早朝から北仙台→左沢→利府→宮城野原と回った上、着いてからは雨で試合開始も30分遅延。さらにロースコアながらローテンポな試合で現在午後10時半を回っている。
もも「で…、また同じネットカフェでしょ。」
さく「荷物、駅に預けたもん。それ出すからさ。」


 妙なことにここから再開する『青春18きっぷ』の"旅"。駅のホームは狭い階段が1ヶ所しかなく、この付近だけに集中して詰まりやすい。余裕のある後方を狙おう。
なぎ「まず進まんし。」

14.宮城野原22:43発→あおば通22:48着 普通/あおば通行き モハ204-3101
 地下鉄然とした仙石線にして、すでに本数はかなり少なくなっている時間。今回は仙台(あおば通)方向なのでまだしも、反対方向(多賀城,東塩釜,高城町,石巻)となれば帰宅可能かも怪しくなってしまう。
もも「悪いけどアンタらがちょっとでも座りたい理由わかった。」


 地下鉄へ乗り継ぐ際は、仙台で降りずにもう1駅進むのが一般的。わずかな時間でも、重要な休憩時間になりうるのだ。
さく「で…、地下鉄の駅が仙台って。」
もも「…だから、本当は仙台で降りたかったって?」


 再開した『青春18きっぷ』の"旅"は、乗車時間5分で終了。地下鉄の駅は名称と一致しないのに、利便性は勝るというよくわからないもの。案内に従えば全く問題ない。
さく「…誰もいなくなっちゃった。」


15.仙台23:11発→勾当台公園23:14着 泉中央行き 仙台市1211
 時間が遅くなるにつれて本数は減っていき、待ち時間も長くなるもの。こうなれば駅で座るか、車内で短時間座るかの問題。
さく「はい、お疲れ…。」
なぎ「荷物忘れんな。」


(S)仙台市地下鉄運賃:仙台→勾当台公園 200円
 これにて2日目の全行程が終わったので、預け入れた大荷物をロッカーから取り出そう。今夜の"キャンプ地"は昨夜と同じ『快活CLUB仙台一番町店』であり、道のりは全く同じだ。
もも「で、何時出発とかって?」
めぐ「今日結構回れたし…、9時過ぎても大丈夫そうかな。」

 時間が遅かったこともあり、フラットシートの空きもあまりないもの。無料になったシャワーも、空きが少なくなっている。出てからはパソコンで写真ファイルの整理と、メモ帳で主に試合内容を記載。そのほかは漫画を読むこともなく、ドリンクバーと睡眠時間に充てる。

 翌朝になり、出発も遅くしたため朝食を堪能。無料のモーニングは食べ放題にしてセルフ式となり、パンやポテトが調味料とともにオープンシート区画へ置かれる。あくまで目的は注文の手間を省くことだろう。


(A)緑黄色野菜朝カレー(快活CLUB) 314円
 その他は朝専用メニューを含めて、従来と同じくパソコンで注文して店員が持ってくる方式。朝専用のカレーは量が少なめで、安価にいただけるもの。そこへ追加料金を出せば、通常のカレーと同様にバリエーションが選択できる。野菜が必要だからと選んだ結果、辛さそこそこで野菜の甘さが強いひき肉カレーとなった。
(杜の都仙台、野球の遊園地へようこそ!? つづく)


めぐ「全12球団の本拠地を、この時点で制覇できました。厳密には札幌だけ野球でなく展望台でしたが…、野球については2022年にクリアして完全制覇ということになりますか…。さあ、2025年シーズンはこの方々がどうなったのでしょう?」

めぐ「野球観戦だけならまだしも、その前に朝から左沢線。昼になって仙台へ戻ったと思えば、利府支線も制覇とはやりすぎでしょうか?あと、やはりジンクスは健在でした。ともあれ2日目はこれにてお開き、また3日目の旅行が始まります。それでは今回はこれにて失礼。」

リタ「ありがとうございました!」
 

※引き続き選手名などを敬称略で表記します。
 

2019年7月20日(土)午後8時23分 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


 来日5年目、すっかり東北に定着したウィーラーは打席での構え方も特徴的。
めぐ「…これは狙った。」
もも「いや…、何も聞いてないし。」

 そんな5回裏、1アウトからアクシデント発生。投手を和田から高橋純へ交代せざるを得なくなった。イニングとしては3人で終了。
なぎ「また時間かかるのか…。」
さく「一応だけど、30分遅かったこと考えると。」


 グラウンド整備の時間。内野は土の面積が増えたこともあり、甲子園と同様に専用の車が用いられる。内外野天然芝となった2016年は、その甲子園球場の整備を担当する『阪神園芸』からスタッフが派遣されていた。
もも「あ、そうだっけ?」
さく「そうらしいよ、安心と信頼の。」


 その間を有効活用したのかはともかく、客席は"タオル回し"の時間となる。これもすっかり名物として定着しており、今回もこれが目当ての1つとなっている。勝手ながら手持ちのタオルで便乗しよう。
もも「本当、そういう準備はしてるんだもん。」
めぐ「…これやってるとタオルも冷えるのよ。」


 花火も打ちあがったが、あいにくの霧でよく見られない。さらに3塁側上段からは、そもそも位置が悪く死角になってしまった。
さく「次って…、外野からだっけ。」
めぐ「外野のあそこだよ。」


 6回表、青山に代わってブセニッツがマウンドにあがる。スコアボードに"上乗せ"表示される『MyHEROタオル』は、育成選手含めた全選手と監督が用意されているらしい。この回はそのまま3人で打ち取った。
めぐ「これ色々、色あって楽しくない?」
なぎ「あ…、確かにな。」


 6回裏は1アウトから島内が死球を受け、高橋純のワイルドピッチで2塁へ。浅村が空振り三振の後、ブラッシュはフォアボールを選んで1,2塁。チャンステーマによって回すことのある『MyHEROタオル』は、どのように色が決まるのだろうか?
さく「パス。」
なぎ「あきらめんな。」


 初回攻撃開始時やチャンス時など、専用テーマに乗せて『ウイニングクラッチ』を用いる応援。初回は席を外していたので、このチャンスで収めたかったのだ。しかし銀次がファーストゴロで無得点は続く。
もも「まーた入んないし。」
さく「やっぱ何か持ってんだよ。」


 7回の攻撃に入る前、恒例の球団歌と風船飛ばしが行われる。今日は福岡から遠路はるばる、ハリーホークも来場していた。
なぎ「いい加減何かしたいな。」
めぐ「…ごめん、またちょっとブレたかも。」

 と…?
さく「ああ、びっくりした。落ちてない?」

 何やら落雷かと思ったところ、マウンドにあがったハーマンの登板演出だったりする。そんな7回表は高田が内野安打で出塁、上林は見事送りバントを成功させ1アウト2塁。牧原は空振り三振、内川聖一がショートゴロ。
なぎ「また続かんな…、よっぽど。」


 7月下旬になり、夏休みに入ろうかという土曜日の夜。ほぼ満員の客で埋まったスタンドから、赤いジェット風船が舞い上がる。
めぐ「ここ、絶対数?そんなに。」
もも「いっぱい入ってんだしいいでしょうよ。」

 そんな7回裏の攻撃は3人で終了。8回表、森原がマウンドにあがる。1アウトから松田宣が粘りを見せ、11球目にフォアボール。しかし釜元、明石と連続三振!
なぎ「時間だけ時間かけて何もないし。」
さく「あんまカリカリしない、そこ。」


 8回裏。ここまで"持っていた"高橋純に代わって、椎野が登板。1アウトから茂木が打席に立つ際、登場曲に乗せてタイミングを合わせるゲームのような演出がなされる。他球団でもこのようなものを見ていることから、流行しているとも考えたり。
もも「気のせいじゃなくって?」
めぐ「去年、ハムもやってたし。」

 茂木はショートのエラーによって2塁へ進み、島内の内野安打で1,3塁。浅村がライトへの犠牲フライを放って、とうとう破れた均衡…!
さく「やっと動いた…!」
もも「ささ、だったらもう1点。」


 ブラッシュは三振で1点だけ。心許ないが、9回表のマウンドは守護神たる松井に任せたい。
めぐ「これ…、延長なったらどうしよう?」
さく「ってか、今何分?」


 気づけば試合開始から3時間半が経過。午後10時を回って騒音防止の観点からか、鳴り物の使用が全面禁止になる。
さく「まあ、30分遅かったし。」
もも「それはもういいっての。」


 そのまま2アウトとなって、代打の江川を空振り三振に仕留めゲームセット!
なぎ「ダメだった、2軍ばっかりじゃ。」
さく「ああ、江川がってこと?」


 8回まで苦しんで、ようやく得た1点を守った東北楽天。先月に甲子園で"直接観戦での初勝利"を見届け、それに次ぐ勝利となる。
めぐ「これで日曜、楽になるよ。」
もも「アンタはアンタでわけわかんないしさ…。」


 観衆数が26049人となり、試合終了まで観客もほぼ帰ることなく残っている。試合開始も遅れたため午後10時を過ぎており、どうやら付近はまた霧が出てきたらしい。
さく「今日本当疲れたかも。朝から結構だし、今も。」
めぐ「まだもうちょっと、帰りもあるんだけど。」


 3安打と5安打。ロースコアの投手戦ながら比較的テンポは遅く、3時間34分という試合時間であった。…なんでや!
(つづく)
 


リタ「雨で30分遅れるけど、始められてよかったね。それでまた…、変なとこから始まるんだけど。」
めぐ「それは言わないで。」

 では2019年当時の内容をそのままに、ホームのスタメン発表から始めよう。また前回と同様、選手名などを敬称略で表記する。
 

2019年7月20日(土)午後6時8分頃 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


 右側ビジョンには控え(ベンチ入り)選手が表示される。主力を複数欠いており、連敗が続いて状況は苦しいが意地を見せたいところだ…。
さく「そうそう、これも。」


 対してホームは随分派手なもの。読み上げの際には横浜や神宮と同様の形で、選手応援歌が場内全体に流される。その多くは2019年から使用されており、従来のものから一部除いて入れ替わっている。
もも「全然違うわよ、他とここ。」
めぐ「こんなになんて思わないよ。」


 アレンジもさることながら、スピーカーの音量はなかなか大きい。応援歌が一新される際は騒動があったらしく、最終的には一部選手が元のモノに戻されて決着したとのこと。
さく「これもさ…、なんかフラグなったりして。」
なぎ「やめろ、そういう怖い。」


 東北楽天の予告先発は釜田。表示に『スターティングファミリー』とあるのは、どういう意味を持っているのだろうか?
もも「パス。」
さく「パス2。」


 こちらも右側ビジョンには控え(ベンチ入り)選手を表示。色合いはチームカラーとなる赤系が基調となる。


 最後に審判団を表示し、予告段階ながら先発する全メンバーとなった。出場している打者の打率と本塁打数が常時表記されるのも、すっかり定着してきたようなものだ。
さく「…あれ、また出るんだ?」
めぐ「もう1発入れたくてね…。」

 試合開始を前に1つ欲しくなったので、席を外して買いに出る。ステーキカレーをセット注文するも結構時間がかかっているようで、先に50円引きとなるドリンク(コーラ)が渡される。楽天式キャッシュレスによる手間ではなさそうだ。

 そのまま間に合わず1回表、1アウトから牧原がセンターへのヒット。内川聖一は7球粘るも見逃し三振、デスパイネも空振りの三振を喫する。特にパ・リーグ球団では球団主導で中継映像が完成され、場内で放映される映像もBS放送やCS放送で見られるそれである。

 そんなこんなで1回裏に入って、ようやく出てきた"本体"。とりあえず1回裏は、動きもなく3人で終了できた。
さく「お帰り、始まっちゃった。」
めぐ「ごめんごめん、初めてだし。」
もも「じゃあ、そのカレーをね…。」


(R)ステーキカレー・ドリンクセット(楽天生命パーク宮城/ビッグステーキ) 1550円
 そのままでも辛口なカレーに、ステーキというパワーヒッター2段構えを見せてくれる。そこへ黒胡椒が加われば、尚更な"超攻撃型"へ進化。この1杯があれば、この日は十分回すことができそうだ。
もも「じゃあさっきの唐揚げ…。」
なぎ「唐揚げぐらいいいだろうよ、最初から暴走みたいなもんだしさ。」


 スコアボードでは試合中、ビジター側の打者が黄色系で示される。右側ビジョンには各種選手データが表示され、ビジターチームもチームカラーが用いられるらしい。
さく「本当よくできてるよ、こういう。」
もも「他がどうだったかね…、見せてもらおうね。」

 そんな2回表は1アウトから長谷川勇が四球を選ぶ。明石は見逃し三振。甲斐がライト前ヒット、高田はセンターフライ。2回裏、1アウトから銀次がセカンドへの内野安打。下水流がフォアボールを選んで1,2塁。ウィーラーはレフトフライ、堀内も空振り三振。


 3回表。ホームチームが三振を奪った際など、ある程度演出はパターン化されているようだ。
もも「…今度は大丈夫よね?」
めぐ「…バッチリだった。」


 内川聖一を現地で見るのは2015年、大阪『鷹の祭典』以来だったりする。表記される登録名もいつしかフルネーム全てになっていた。イニングとしては3人で終了。
さく「あれ、去年いなかったんだっけ?」
なぎ「いなかった…、多分。」


 3回裏、山崎のセーフティバントがアウトになったのでリプレイを要求。
さく「ってか、本当よくできてるよねこれ。」


 流される場内映像のサイズはスコアボードに干渉する。現地観戦では初めて判定が変わり、セーフとなった。茂木も送る形になって1アウト2塁。島内はライトフライで2塁のまま。
めぐ「今までアウトだったんだよ、見たとき。」
なぎ「ああ、そうだったっけ?」


 打席に立つと応援席が黄色いタオルで彩られ、応援歌もFA移籍ゆえに騒動の影響を受けなかった浅村。この打席は空振り三振に終わった。
もも「これはこれで持ってんのよ、FAだし…。」
めぐ「…そう?」


 4回表、1アウトから松田宣がセンターへのヒット。長谷川勇はセンターフライ。明石、甲斐と連続でフォアボールを選んで満塁。高田はファーストゴロに終わる。雨で試合開始が押したこともあり、午後8時前にして4回裏。グラウンド内外では霧が立ち込めてきた。
さく「これ今日、ずいぶんテンポ遅いけど。」
もも「そういやそうよね…、誰かはカレー買ってて間に合わないし。」

 4回裏のイニング自体は3人で終了。5回表、無失点のまま早々に投手を釜田から青山へ交代。1アウトから牧原がレフトへのヒット。内川聖一は攻守に阻まれショートフライ。走者の牧原が盗塁を成功させ2アウト2塁。デスパイネはフォアボールを選んで1,2塁も、松田宣がサードゴロ。
(つづく)