※本編中は選手名などを敬称略で表記します。
 

2019年7月20日(土)午後4時1分 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


(※)内野指定席3塁上段(楽天生命パーク宮城/東北楽天ゴールデンイーグルス) 0円
 午後4時になって開場となる。雨ですることもないならば、 早めに入るのも一手。
めぐ「ま、次は中とかをね…。」
もも「本当、そういうのを普段からしてくれたらさ。」


 階段を上がって、3塁側内野席コンコースへ。こちらのスタンドは古くからあったようで、どことなく壁面などの塗装が厚みを感じさせるような…?
さく「…そうかな?」
めぐ「…この辺はたぶん。」

 内野の3塁側上段部分は2006年に増設されたもので、指定された席へはスタンドに出てから通路の階段を上がらなくてはならない。この日は雨が降り出したため、雑巾が貸し出されていた。
もも「それで上のほうだから眺めいいとかで、上がるの大変なのに。」


(R)C.C.レモン(楽天生命パーク宮城) 300円
 さてドリンクは所沢のスタンド内と同等に高い価格で、量も相応に多い。それと"球場の売店"で、この飲料を扱っているのは珍しいと個人的に思う。
もも「ああ、そう?」
めぐ「多分なかったはず。」


 2005年の"大改造"以降に幾度となく改修工事が繰り返され、スタンドから見たところで旧宮城球場の面影をほぼ感じさせない。唯一古いまま残っているのが、照明を支える鉄塔だろう。
さく「やっぱりなんか浮いてるんだよ、こんな近代的?で、あそこだけ時代止まったまま。」


 一旦人工芝になっていたフィールドは、2016年に天然芝へ"先祖返り"している。寒冷地における実験結果を反映させたもので、内野マウンド周りにも初めて敷かれた。それはそうと雨が降り続いており、内野を覆う大きな防水シートも登場。試合は大丈夫だろうか?
なぎ「おいおい、本当今日大丈夫か?」
めぐ「一応、持ってきてるけど。甲子園のあったから、それよりいいヤツ。」


 最大の欠点はスタンドを覆う屋根が全くないこと。幸いにも雨具は持参しており、ここで大いに役立った。さらには"雨の日サービス"として、各種売店で特典があると発表される。
もも「本当…、ひだりじゃない。傘。」
さく「残ってるし、左沢の。」


 東北の大都会、仙台市。ビル街の眺めもなかなか素晴らしい。ただやはり気になるのは雨雲であり、相変わらず厚く覆っている。
めぐ「じゃあ、もうちょっと。」
もも「いいけど、絶対ちょっとじゃ終わらない。」


 内野スタンドは完成時期によって構造が異なっていながら、実のところ内部も通路部分で行き来は自由だったりする。雨から逃れつつ、何か探したい。
なぎ「本当、よくつながったな…。」


 2014年完成のスタンドはコンコース共々鉄骨製らしい仕上がり。飲食は充実しており、オリジナリティあるものも多い。開場前に食べた『イーグルスからあげ』が"雨の日サービス"によって、1個増量となったのは誤算だ。
さく「本当、さっき息巻かなくてよかったのに。」
めぐ「別にほかの探すし。」


(R)イーグルスもも氷(楽天生命パーク宮城/イーグルスデザート) 500円
 宮城県内の製氷所で作られた氷に、福島県産の桃とそれを用いたシロップが組合わさる。シロップはあまり甘くなく、角切り桃が果実本来の甘さを与えている。どこかで考えてたとか言ってはいけない。
めぐ「とろとろ桃のフルーニュってあったじゃん。それを氷に…。」
なぎ「だから言うなって。」


 さて試合開始は予定の午後6時から、30分遅らせることとなった。雨も上がって防水シートが外され、整備の時間を要するためだ。このビジョンは2面式で、ライト側に"オフセット配置"されているものが『楽天kobo』端末を模した形状で特徴的。
さく「あ、本当。よくできてるよ。」


 内野グラウンドから外された防水シートは外野で畳まれ、折りたたまれてからライトポール下へ"収納"される。ともあれなんとか試合はできるようで、チケット(内野指定引換券)が無駄にならずに済みそうだ。


 正面にあるスコアボードが1面のビジョンとなったのもまた、球場が"遊園地"化した2016年のこと。それらを取り囲むように、カラフルな企業広告が配置されている。
めぐ「…ごめん、またタイミング合わなかった。」


 ということで改めて、いよいよスタメン発表の時間。概ね試合開始予定の20分前ぐらいか…。
さく「そうそう、これが最大の…。」
もも「これだけで終わっちゃヤよ。」


 ビジター側は黒を基調としたカラーパターンらしい。正面ビジョンには打順のほか、守備位置も表示される。右側ビジョンは各種選手データを表示。こうして見ると新しく設けられたビジョンが大きいのか、はたまた古くからのスコアボードがさほど大きくなかったか。


 ビジター席はライト上段の3区画が割り当てられている。ここでは騒音防止の観点からトランペットが使えないのだが、東日本式では読み上げの際に元々トランペットを用いていない。
なぎ「去年、東京ドーム行っててよかった。」
めぐ「最初なんか物足りないかなって思ったけど、ここならいいよ。」


 福岡ソフトバンクの予告先発は、いわゆる『松坂世代』の"生き残り"となる和田。
さく「80年81年生まれだから…、今年2019年だっけ?」
もも「…あのさ、それぐらいスッと出なかったらアンタら終わるわよ。」
(つづく)
 

 

2019年7月20日(土)午後3時19分 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


(R)タピオカマンゴーミルク(楽天生命パーク宮城外周/台北門) 500円
 最近話題席巻のタピオカドリンクだが、どうもミルクティーに偏重している気がしてならない。個人的にミルクティーは好まないし、そもそもドリンクは何でもいいのではないだろうか?そこで選んだマンゴーミルクは…、実に美味しい。台湾代表と考えるならば、むしろマンゴーミルクを推し進めるべきだ。原価率に対して適正価格かどうかは別として。
めぐ「マンゴーだよ、絶対。」
さく「そんなに強調せんでいいのに…。」


(他)リポビタンD(大正製薬) 0円
 この日ゲームスポンサーを務める大正製薬により、1人1本だけ無料で試飲できる。瓶入り(しかも限定ラベル)なので勿論場内へは持ち込めず、その場で飲み干すこととなる。ならば先ほどタピオカドリンクで余った氷を捨てず、その氷で飲めば冷えて美味しかったに違いない。
もも「…だから、遅いのよいつも。」
めぐ「捨てられるって言ったから、捨てちゃった。」


 外周を見て回ろうとすれば、雨が降って来る。せっかく現地に来て、しかも先程までは晴れていた仙台市。やはり左沢で傘を置き忘れたのは、ジンクスとしてもマイナスになってしまった。
なぎ「ああ、とうとうか。」
もも「ほらやっぱりそうなる…。」
さく「…ってか、雨降るって決めたのいつ?」
めぐ「樽見鉄道から瑞穂でサッカー見たとき。」


 さてこちら、天然芝の試験を兼ねて設けられたというグリーンフィールド。夏休み期間はキッズウォーターランドという、子供用プールとなる。入場料はチケットと別であり、やはり現金は使用できない。
もも「…やんないわよ?こんな、雨じゃなくたって。」


 この球場は元を辿れば、1950年完成らしい宮城球場。一時期ロッテ球団が"仮住まい"としていた期間があり、その間は特に改修工事など行われなかったと。2005年の東北楽天球団新規参入に合わせて大規模な改修工事が行われ、その後も毎年のように改修工事が繰り返し行われている。


 外野スタンド上段も2005年に増築したもので、以後はライトスタンドがビジター側になる。イーグルスタワーに至っては先日完成したばかりだ(2019年7月23日運用開始)。このように構造が大きく分離しながら、外周を介して全てつながっている。
めぐ「こういう、ちょっとゴチャゴチャしたの。…案外好きかも。」
さく「わかる。いつも全部一緒じゃ面白くないよ。」


 スコアボードの裏手に回ってきた。ビジョンそのものはLEDを用いているため、奥行きが小さい。
めぐ「ナゴヤドームもだけど、結構薄いんだよね。」
さく「あったあった、横張り出してるけどそうでもない。」


(R)イーグルスからあげ(楽天生命パーク宮城外周) 500円
 最近は球団名を付けて、唐揚げを名物にする流れが主流らしい。この唐揚げは濃い味のが4個入りで、作り置きのため衣が柔らかくなっていた。そして雨模様のこの日、このタイミングで手を出したのが失敗となる。後で調べれば宮城県産『森林どり』を使用し、味付けに『仙台味噌』を用いていたという。どうりで味が濃いわけだ。
もも「まーた勝手に買って食べてるし。」
めぐ「…いる?」
もも「自分で買うし。」


 そのまま球場にある"遊園地"、スマイルグリコパークへ。入園料が大人500円(2019年時点)のほか、当日の観戦チケットで入園可能。こちらは開場時間(午後4時)より前から開いている。手荷物検査は通常の野球観戦と同じだ。
さく「もう1日あるんじゃなくって?」
めぐ「せっかくだし…、時間あるし。」


 この"遊園地"、元をたどれば小高い丘状(楽天山)になっていた芝生席であった。大きく変わった契機が2013年のリーグ優勝で、その際は仮設スタンドを設けて座席に仕上げている。
なぎ「あったあった、あの明らかに浮いた。」
もも「いいけど下、気を付けてよ?濡れてんだし。」


 その後2016年になって"遊園地"となり、広大な人工芝エリアに観覧車やメリーゴーランドなどを設置。柵で仕切られたエリアは"芝生席"となっており、念のためとして翌日にチケットを確保している。遊具などは後に楽しみを取っておこう。
さく「ああ、降ってきた降ってきた。入れるとこない?」


 まだ時間のある段階で雨が強くなってきた。2階建てロンドンバスがあるので、避難がてら中へ入りたい。座席はプラスチック系で、完全にアトラクション然と化している。
もも「普通に慣れた口で、乗ったみたいだし。」
めぐ「なんかね…、なんか。遠足じゃないけど。」

 ロンドンバスの2階部分は屋根がないため、雨が降る空模様では上がれない。1階部分も冷房などはなく、佇んでいると蒸し暑さがこもって不快だ。
さく「…今何分よ?」
なぎ「今…、50分ぐらい?」


 そんなこんなでロンドンバスから外へ出て、"遊園地"を通り抜ける形でレフト側へ。ホームは3塁側であり、レフト方向の座席が多くなるように設計されている。そちらも2013年に仮設スタンドを設けて座席に仕上げていた箇所だ。
さく「あそこも結構床板…、薄くない?」
もも「よく見たらそうよね。」


 外周には各種キッチンカーなど、開場時間前から開いている店が多い。とりあえず1周回ったことでいいだろう。
もも「…時間余らすパターン、今日4回目。」
(つづく)
 

 

 

めぐ「続き。早朝から左沢を制し、仙台市内へ戻ったと思えば利府もクリアしました。そしていよいよ第3にしてこの日最大の目的地、楽天生命パーク宮城へ向かいます。今は『楽天モバイルパーク宮城』ってなったんですけど、当時の話ということで。」


 また2019年からは完全キャッシュレスに舵を切り、必要となるEdyカードを現地で入手。元々じっくり過ごす公算があり、その結果はどうなったのやら?そして天候は持ってくれるのか…?

めぐ「それとここチケットの扱いが特殊で、行きたいにも手が出なかったはずだったんですよ。セブンチケットで見たら、内野指定席引換券があったってこと。エリアを選択することは出来ませんが、晴れて観戦することができました。あ、天気の話ではないです。それと今はわかりません。」

 では時間を2019年7月20日、午後2時過ぎの岩切(東北本線)に戻そう。

 

2019年7月20日(土)午後2時5分頃 仙台市宮城野区/岩切駅付近


 利府を発車して6分乗って、岩切で本線に合流せず隣合って到着。合流するのは仙台へ直通するものだけだ。

 岩切ではすぐに乗り換えとなる。階段を介さなければならないものの、往路で大まかには確認済み。
さく「結局変わんなかったし。」
なぎ「一応、見てたんだろ?」


12.岩切14:12発→仙台14:23着 普通2548M/仙台行き モハE721-1006
 来たのはE721系の4両固定編成で、座席は空いてなさそう。立ったままで、左側に貨物基地が見えても写真は収められない。
もも「そんなわざわざ急がなくたって…。」
めぐ「そうかもしれないけど、ちょっと今回複雑っていうか。」


 利府から23分で仙台に到着。折り返しは小牛田行きになった。
さく「ささ、次。」
もも「あ、逃げる気だ。」


 ここからは"楽天遊園地"の最寄り駅、宮城野原に向かうべく仙山線へ乗り換えよう。今日は時間に余裕があるので、慌てることもない。
なぎ「することないんだな…。」


 仙石線の9・10番ホームは地下にあることもあって、他と大きく離れている。島式1面2線であり、起終点となるあおば通からの営業キロは0.4km。ちょうど地上ホームを挟んで両駅があるものか。
めぐ「ここから長いんだよね、今日。」
もも「わかり切ったこと言わないで頂戴。」


13.仙台14:36発→宮城野原14:40着 普通1441S/東塩釜行き モハ204-3101
 首都圏から撤退した205系を、ドアボタンなど各種改造した4両編成が用いられている仙石線。2019年現在は15分間隔で普通のみ、1時間サイクルで多賀城,東塩釜,高城町,石巻へ向けて運行されている。


 仙台から2駅目。無理にロングシートへ座ったところで、5分もたたないうちに到着。地下にあるホームは1面2線の島式というシンプルな構成である。
さく「ここだけ座らなくたってよかったのに。」
めぐ「なんか…、そうしちゃうのよ。」


 ひとまずこの日、鉄道乗車モノはここまでとしておこう。改札を出ると出迎えたかのように、壁面はクリムゾンレッドのタイルで彩られていた。
さく「…アウェー感じてる?」
なぎ「あ…、まあ。」


 階段を上がった出入口も、このとおりクリムゾンレッド。ご丁寧にもヘルメットまでかぶさっている。
めぐ「…これも色変えたら面白そう。」
もも「変えるったって、何に?」


 ここからは徒歩で少々の距離。空を見ればどうも先ほどより、雲が多くなってきたらしい。
めぐ「これが微妙に。」
もも「だからアンタは何求めてんの?」


 隣には陸上競技場も構えている。これも公園内にある施設の1つだ。
もも「何、これも?」
なぎ「何もしてないだろ、気になったんだよな?」


 そしていよいよ見えてきた目的地、"楽天遊園地"こと宮城球場。幾多の命名権売却による名称変更を経て、2018年からの名称は『楽天生命パーク宮城』。2023年からは『楽天モバイルパーク宮城』となっている。
めぐ「とうとう来ちゃった…!」


 通常はチケットの購入手段が限られるため、出向くことが難しいものと考えていたもの。ところがセブン-イレブンで引換券を発売しており、今回は購入して企画した次第。開場1時間前からイーグルスゲート横、特設ブースにて引き換えよう。
もも「なんなら会員とかさ。」
めぐ「それもいいんだけど…、そう年1回2回ないかぐらいだもん。」


(A)内野指定席引換券(楽天生命パーク宮城/セブンチケット) 3000円
 まだ午後3時(午後6時試合開始のナイター)になっていなかったが、引き換えることができた。座席はランダムらしく、この日"引き当てた"のは内野指定席3塁上段。なおここではホーム球団が3塁側ベンチを使用する。
なぎ「…マジか。」
さく「はい、ここ完全アウェー確定。」


 そしてもう1つしなければならないこと。ここでの物品購入が"完全キャッシュレス化"されたため、必要なEdyカードを購入しなければならない。正面広場,3塁外周イーグルスドーム横,1塁外周グッズ販売テント隣,スマイルグリコパークで販売しているとのこと。
もも「ああ、だからせわしなかったのね?」
めぐ「それは、まだ…。」


(現)ロゴデザインEdyカード(楽天生命パーク宮城/楽天キャッシュレスデスク) 本体300円
 このEdyカードのみ現金で購入が可能となっている。今回は5000円分入金済みのものとし、余った場合には持ち帰ってコンビニなどでも使用可能。足りなくなったら場内の『楽天キャッシュレスデスク』や端末で入金できる。今回はこの時間が欲しかったのだ。
めぐ「一応、ゆうちょのキャッシュカードにも入ってたんだけど。」
なぎ「アレはダメだろ。」
めぐ「そう。だから先に買ったら、もう永久的に。」


 手始めに"楽天式キャッシュレス"で1つ。ちょうど期間限定で外周の『ナツメシ!アジアカーニバル』が行われており、その1店舗にて購入しようと…。
さく「そのために今日の朝とか昼をあれだけで?」
もも「だと思った、アレじゃ絶対足らないって。」


(R)牛タンフランク(楽天生命パーク宮城外周/花火) 500円
 期間限定で出店する『ナツメシ!アジアカーニバル』の1店舗にて購入し、今回は気分を変えてレモン汁を追加。味は上々ながらもこの手のモノで例外なく、やはり言われなければ牛タンを感じられない。
めぐ「…考えすぎちゃった?」
もも「ってか、まとまってないのに。」
(つづく)