178.北海道新幹線札幌開業後の鉄道乗り継ぎ日本縦断RTAはどれぐらいになる?

鉄道乗り継ぎで日本縦断(鹿児島中央→札幌)RTA 想定タイム
1.区間別最速所要時間
 以下では、実際に運行中の最速列車と最短の乗り継ぎを前提とし、各区間の所要時間をまとめます。


2.乗り継ぎ時の所要時間想定
新大阪での乗り換え:5分
東京での乗り換え:5分
※RTA的にダッシュで乗り継ぐ想定。余裕はほぼありません。

3.トータルRTA想定タイム
鹿児島中央 → 新大阪 3:43
乗り換え 0:05
新大阪 → 東京 2:20
乗り換え 0:05
東京 → 札幌 4:30

合計:約10時間43分

4.今後の応用
出発駅を南端の西鹿児島(鹿児島中央)以外にすれば+数分~十数分
乗り継ぎダッシュの可否や発車番線遅延リスクにより±30分程度動く可能性あり
2038年に札幌延伸が遅れた場合は、新函館北斗→札幌間の特急乗継時間(約3.5~4時間)が加算

 このRTA想定が示すのは、文字通り“ダッシュで乗り継ぐ究極ルート”。 余裕を取るなら11時間30分前後を見積もるのが現実的でしょう。

【参考】
九州旅客鉄道「九州・山陽新幹線 みずほ号ダイヤ」(公式時刻表より)
東海旅客鉄道「東海道・山陽新幹線 のぞみ号ダイヤ」(公式時刻表より)

 

北海道庁「北海道新幹線の最高速度と所要時間」

 次は、最短で日本を横断(東西ルート)するRTAも計算してみましょうか?

 

実際に調べてみた

 今回は定期ダイヤで通常運行の場合とする。この場合鹿児島中央まで、国分と喜入から乗り継ぐことができた。実際乗り継ぐことのできるさくら400号(鹿児島中央6:04発)は博多行きとなり、博多からは後述するどちらともなるため記載しない。

1.鹿児島中央6:35発→新神戸10:07着 新幹線みずほ600号/新大阪行き
 見解の出されたように『みずほ』へ乗ることとし、新大阪へ向けて進めていこう。停車駅を大きく絞った系統なものの、登場当時の了見に反して追加停車が常態化。この便は姫路に追加停車する。

2.新神戸10:16発→東京12:57着 新幹線のぞみ10号/東京行き
 乗り継ぐ先となる『のぞみ』は博多始発であったため、小倉,広島,岡山,新神戸で乗り継ぐのが段差なくいいだろう。追加停車するのは徳山であり、全体に占める割合は低い。

3.東京13:20発→新函館北斗17:47着 新幹線はやぶさ23号/新函館北斗行き
 東京からは『はやぶさ』一択だ。最速タイムを図るべく組むところ、こういうときに限って盛岡から各駅に停車する便だもの…。

4.新函館北斗18:14発→札幌21:41着 特急北斗19号/札幌行き
 現状は新函館北斗から在来線へ乗り換えることとなる。現在3時間半かかっているこの区間を、新幹線札幌開業後はどれだけで結ぶことができるのか?鹿児島中央から札幌まで、唯一組成可能だったパターンの所要時間は15時間6分であった。

5.札幌22:00発→旭川23:25着 特急カムイ45号/旭川行き
 この際なのでおまけ。札幌から最長でどこまで行くことができるのかというと、旭川が限界であった。また北斗19号を南千歳で降りた場合、乗り換えて帯広まで向かうことができる。
(おわり)
 

 

 

 JR西日本は8月22日、快速の指定席『うれしート』を2025年10月以降拡充すると発表した。相変わらず専用車両を必要とする新快速の『Aシート』は拡充せず、既存車両そのままに仕切りを隔てる方式となる。


 今回注目すべきはJR東西線系統への導入であり、4ドアオールロングシート車両をそのままとすること。よってロングシートの指定席が登場する。テーブルの設置を前提とする観光列車は別にしても、これを暴挙と言わず何と言う。


 これが許されるのは『鈴鹿グランプリ』の名古屋行きしかない。あちらは来場者が多く混雑する帰路において、専用乗車できる立席指定そのものが特急の役割を果たすためだ。


 JR西日本に話を戻そう。4ドア車両はそのままにそれこそ近鉄…、というよりかは関東の私鉄か。改造して可変式の座席を導入すべきだろう。近年の必須事項となるコンセントを設け、ロングシート自由席運用も残るため関東の私鉄にした。


 幸か不幸か、近鉄,西武,京急以外はトイレがない。今回のJR西日本も、編成末端となる区画(12席)のみが確保される。もしかしたら改造は見越しつつ、工期確保と"様子見"をしようというのでは…?


 終日レギュラーとなったみやこ路快速も、指定席を常設可能な改造を施すといい。コンセントを備えた回転式クロスシートで、専用の『Aシート』と区別すること。進行方向ごとに自由席となることから、リクライニングはなし。これならばある程度格差も付けられるし、往年の国鉄特急みたいなノスタルジー?


 ってか…、今回ロングシートのまま指定席運用を開始することはまた何かしそう。阪神3000系の参考になってしまうし、阪神が阪神でロングシートそのままに『らくやんライナー』という"前科"もある。


 また今回阪和線でも新規で導入されるが、かつて指定席の設定された関空快速や連結する紀州路快速でない。いずれも天王寺~日根野で完結する快速だ。特に天王寺発は大阪環状線での複雑怪奇な扱いを回避して、線内完結としたのだろう。このため関西空港行きの設定は、天王寺始発を除き不可になった。

 一方で関西空港発の関空快速や、和歌山発の紀州路快速は設定が不可能にならない。先に導入された大和路快速と同様、大阪環状線では指定席の扱いを解除すればいい。それこそ平日朝の『直通快速』なんか主な利用想定と合致するし、逆に空港からの需要は限られるし。


 …いい加減、新快速『Aシート』専用の車両増やそうぜ?
(おわり)