※引き続き選手名などを敬称略で表記します。
 

2019年7月20日(土)午後8時23分 仙台市宮城野区/楽天生命パーク宮城


 来日5年目、すっかり東北に定着したウィーラーは打席での構え方も特徴的。
めぐ「…これは狙った。」
もも「いや…、何も聞いてないし。」

 そんな5回裏、1アウトからアクシデント発生。投手を和田から高橋純へ交代せざるを得なくなった。イニングとしては3人で終了。
なぎ「また時間かかるのか…。」
さく「一応だけど、30分遅かったこと考えると。」


 グラウンド整備の時間。内野は土の面積が増えたこともあり、甲子園と同様に専用の車が用いられる。内外野天然芝となった2016年は、その甲子園球場の整備を担当する『阪神園芸』からスタッフが派遣されていた。
もも「あ、そうだっけ?」
さく「そうらしいよ、安心と信頼の。」


 その間を有効活用したのかはともかく、客席は"タオル回し"の時間となる。これもすっかり名物として定着しており、今回もこれが目当ての1つとなっている。勝手ながら手持ちのタオルで便乗しよう。
もも「本当、そういう準備はしてるんだもん。」
めぐ「…これやってるとタオルも冷えるのよ。」


 花火も打ちあがったが、あいにくの霧でよく見られない。さらに3塁側上段からは、そもそも位置が悪く死角になってしまった。
さく「次って…、外野からだっけ。」
めぐ「外野のあそこだよ。」


 6回表、青山に代わってブセニッツがマウンドにあがる。スコアボードに"上乗せ"表示される『MyHEROタオル』は、育成選手含めた全選手と監督が用意されているらしい。この回はそのまま3人で打ち取った。
めぐ「これ色々、色あって楽しくない?」
なぎ「あ…、確かにな。」


 6回裏は1アウトから島内が死球を受け、高橋純のワイルドピッチで2塁へ。浅村が空振り三振の後、ブラッシュはフォアボールを選んで1,2塁。チャンステーマによって回すことのある『MyHEROタオル』は、どのように色が決まるのだろうか?
さく「パス。」
なぎ「あきらめんな。」


 初回攻撃開始時やチャンス時など、専用テーマに乗せて『ウイニングクラッチ』を用いる応援。初回は席を外していたので、このチャンスで収めたかったのだ。しかし銀次がファーストゴロで無得点は続く。
もも「まーた入んないし。」
さく「やっぱ何か持ってんだよ。」


 7回の攻撃に入る前、恒例の球団歌と風船飛ばしが行われる。今日は福岡から遠路はるばる、ハリーホークも来場していた。
なぎ「いい加減何かしたいな。」
めぐ「…ごめん、またちょっとブレたかも。」

 と…?
さく「ああ、びっくりした。落ちてない?」

 何やら落雷かと思ったところ、マウンドにあがったハーマンの登板演出だったりする。そんな7回表は高田が内野安打で出塁、上林は見事送りバントを成功させ1アウト2塁。牧原は空振り三振、内川聖一がショートゴロ。
なぎ「また続かんな…、よっぽど。」


 7月下旬になり、夏休みに入ろうかという土曜日の夜。ほぼ満員の客で埋まったスタンドから、赤いジェット風船が舞い上がる。
めぐ「ここ、絶対数?そんなに。」
もも「いっぱい入ってんだしいいでしょうよ。」

 そんな7回裏の攻撃は3人で終了。8回表、森原がマウンドにあがる。1アウトから松田宣が粘りを見せ、11球目にフォアボール。しかし釜元、明石と連続三振!
なぎ「時間だけ時間かけて何もないし。」
さく「あんまカリカリしない、そこ。」


 8回裏。ここまで"持っていた"高橋純に代わって、椎野が登板。1アウトから茂木が打席に立つ際、登場曲に乗せてタイミングを合わせるゲームのような演出がなされる。他球団でもこのようなものを見ていることから、流行しているとも考えたり。
もも「気のせいじゃなくって?」
めぐ「去年、ハムもやってたし。」

 茂木はショートのエラーによって2塁へ進み、島内の内野安打で1,3塁。浅村がライトへの犠牲フライを放って、とうとう破れた均衡…!
さく「やっと動いた…!」
もも「ささ、だったらもう1点。」


 ブラッシュは三振で1点だけ。心許ないが、9回表のマウンドは守護神たる松井に任せたい。
めぐ「これ…、延長なったらどうしよう?」
さく「ってか、今何分?」


 気づけば試合開始から3時間半が経過。午後10時を回って騒音防止の観点からか、鳴り物の使用が全面禁止になる。
さく「まあ、30分遅かったし。」
もも「それはもういいっての。」


 そのまま2アウトとなって、代打の江川を空振り三振に仕留めゲームセット!
なぎ「ダメだった、2軍ばっかりじゃ。」
さく「ああ、江川がってこと?」


 8回まで苦しんで、ようやく得た1点を守った東北楽天。先月に甲子園で"直接観戦での初勝利"を見届け、それに次ぐ勝利となる。
めぐ「これで日曜、楽になるよ。」
もも「アンタはアンタでわけわかんないしさ…。」


 観衆数が26049人となり、試合終了まで観客もほぼ帰ることなく残っている。試合開始も遅れたため午後10時を過ぎており、どうやら付近はまた霧が出てきたらしい。
さく「今日本当疲れたかも。朝から結構だし、今も。」
めぐ「まだもうちょっと、帰りもあるんだけど。」


 3安打と5安打。ロースコアの投手戦ながら比較的テンポは遅く、3時間34分という試合時間であった。…なんでや!
(つづく)