前回の記事で書いた、
「空燃比と点火時期」
そこに今回はスロットル開度を合わせた考え方をまとめたいと思います。
またいつもの様に長くなり
纏まらない可能性もあるかもしれませんが、
よろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます(^-^)
MCFWit の masa です。
スロットル開度とは、
クルマであればアクセルペダルの踏み込み具合。モーターサイクルであればスロットルコーンの捻り具合に連動したエンジン側のスロットルバルブの開き具合を言います。
昨今の車(二輪、四輪含む)では、
アクセルワイヤーやスロットルワイヤーでそれぞれを繋ぐ方式から、
アクセルペダルやスロットルコーンの操作信号をエンジン側のスロットルボディーに電気信号として伝える、電子制御スロットルの採用が多くなり、エンジンの出力制御の関係から100%操作がリンクしてるという事ではなくなって来ましたので、そのあたりはまた別のタイミングで説明したいと思います。
エンジンの燃料マップ
キャブであれインジェクションであれ基本的な考えは同じ。
スムーズなエンジン回転を得るにはスロットル開度に応じての燃料を供給する必要があります。
スロットル開度が大きくなると言う事は、
吸い込む空気の量も多くなりますし、
逆にスロットル開度が小さい時には吸い込む空気の量は少なくなります。
まあ、そのまんまですね。
ここで予備知識として持っておきたいのは、
スロットルが開く事により吸入される空気の流れ込むスピード。
吸気流速なんて呼び方をするのですが、
エンジンの回転数を低回転。
そうですね、2000回転付近として。
この運転条件でスロットルを小さく開けている場合は隙間も狭いですから吸気流速は速くなり、スロットルを大きく開けている場合は隙間も大きく吸気流速は遅くなります。
もちろんエンジンの回転数が高い状態。
レッドゾーン付近でスロットル全開となればエンジンが必要としている吸入空気量も多くなりますので、全開のスロットルに流れ込む吸気流速はそれなりに速くはなってきます。
さあ話がややこしくなってきましたが、
文章ですので、ゆっくりのんびり読み返してなんとな~く理解してもらえたらなと思います。
ではここから、
空燃比とスロットル開度の推移を考えて行きましょう。
空燃比は簡単に言えば燃料と空気の割合。
空気の質量を燃料の質量で割った数値ですので、空燃比の数値は燃料が少ない状態ですと数値は大きくなり、逆に燃料が多いと数値は小さくなります。これを踏まえて実際の運転状況に照らしあわせてみましょう。
仮定として、キャブやスロットルボディー(インジェクター)より供給される燃料の質量は一定であるとします。
運転条件としてエンジンの回転数を1000回転。
この時の空燃比を14.0付近。
スロットル開度を5%として、
この運転条件からスロットルを100%まで急に開いたとします。
燃料供給量が変わらない設定ですので、
このスロットル急開により空燃比は一気に大きくなり16.0から19.0付近を表示したとします。
エンジンが無負荷状態(空吹かし状態)であればエンジンはそれなりの回転数まで吹け上がるかと思いますが、
負荷のかかった運転状況。
例えば、上記の条件で時速20km付近の低速走行からスロットルを100%まで急開!
となるとエンジンは弱々しくストールしていくかと思います。
この状況説明としては、
エンジンが必要としている燃料が足らない。
供給される燃料に対して吸入空気量が多い。
エンジンの運転状況に対しての負荷が大きすぎる。
エンジンの負圧不足。
などになるかと思います。
では今度は逆パターンを。
燃料供給量は一定であるとして、
エンジン回転数5000回転で、
スロットル開度100%
空燃比を13.0になるような設定。
ここからスロットル開度を50%までスッと素早く戻したとすると、
燃料の供給量はこの時の状態からの一定としていますから吸入空気量は少なくなり、
それにともない空燃比も小さくなります。
この状態ですとスパークプラグは燃料過多により湿ってしまい失火を招き、
いわゆる「かぶり」の症状になるかと思います。
このように、
燃料の供給量が一定になってしまうと、
どこかは良いのだけれど、
どこかはでは不調が出てしまう。
と、なってしまうのです。
もちろん、エンジンの各回転数ごとでも必要とされる燃料の質量は異なって来ますので、
極一般的な運転状況であってもそれなりに細かい制御が必要ではあるという事なんです。
ではここで、点火時期。
点火時期の制御は主にはスロットル開度に連動して進角、遅角を行っています。
近頃ですと、キャブ車へもスロットルセンサーを取り付けその信号を元に点火時期をリニアに制御出来るモジュールが販売されたりしています。
そしてこの点火時期の変化も空燃比の数値に表れてきます。
進角させれば空燃比は大きく表示されますし、遅角させれば空燃比は小さく表示されます。
この点火時期が運転状況にどのような影響をもたらすかと言うと、
先ずエンジンの始動時。
バッテリーその他諸々の電気関係が正常であるとして、
セルモーターの回転が息継ぎするような場合。
その時に吸気側、スロットル側からクシュンクシュンとくしゃみのような音がする場合は、エンジンの回転数に対して点火時期が早い場合があります。
ほかにも車輌の発進時。
回転数を上げる目的で軽くアクセルをスナップさせるもしくはパンパンと煽った時にエンストしてしまう場合は、そのスロットル操作に対して点火時期が遅いと言う場合もあります。
この後者の場合は、
最近の排気ガス規制車輌でマフラーを抜けの良いモノに交換した場合に発生しやすい傾向にありますし、STDの状態でも同じ症状が出る車輌もあります。
ただ、点火時期の調整はエンジンを壊してしまう可能性を大きく含んでいますので、
迂闊に触らない、進角させないほうが無難ではあります。
それでも触る場合は、
先ずは点火時期を基準に合わせて、燃料を合わせ込む。
その後に物足りなかったら。または、
もっと欲しい場合。に点火時期を合わせ込むとしておきましょう。
ここまでくると、
空燃比と点火時期とスロットル開度
の関係性がなんな~く見えて来たと思います。
ここで一つスロットル開度に対しての点火時期の例をあげますと、だいたいこの様なイメージになります。
横軸はエンジン回転数
縦軸はスロットル開度は上から下へ小さくなります。
右下へ行くほど点火時期が進角しますが、
スロットル開度が大きくなり、
エンジン回転数も上がり燃焼に必要な燃料の質量と空気の質量も大きくなりますので点火時期を進める事で出力アップを狙う事も出来ます。
もちろんエンジンのフィーリングであるとか空燃比の数値的に進角を抑える場合もありますし、乗り方であったり使い方を考慮して余裕を持たせる為に点火時期を進角率を多くしない場合もあります。
ここで今一度吸気流速の話ですが、
エンジン回転数が上がってくると、
ピストンの上下運動のスピードも必然的に上がります。そうすると毎分辺りの吸入空気量も大きくなりますので、スロットル開度が大きくなっていても吸気流速はそれなりに速くなっているという流れになります。
という事で今回はこの辺りで👋
長文にお付きくださいありがとうございました。
なにか気付いたり思い付いたら編集追記など、
新規記事更新などしたいと思います。
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